「無事だろうか?」ガザ・サーフ・クラブ ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)
無事だろうか?
本日はシネマリンにてドキュメンタリーのダブルヘッダー。
こちらは見逃していた、ガザでサーフィンに挑む若者たちの姿を描いた2016年の作品。
停戦中とはいえ戦時下のガザでサーフィンなんて、と思いがちだが、僕らは知っている。「この世界の片隅に」で観て知っている。戦時下であっても人生は続く。恋もすれば映画も観る。そりゃサーフィンだってするさ。ボードが入手困難だって、海辺が瓦礫だらけだって、波が来ればサーフィンをする。
夢だって見る。いつかガザでサーフショップを営む夢を。
でもね、ガザでのサーフィンに対する障害はイスラエルとの戦争だけじゃない。イスラム教の戒律で、少女は大人になるとサーフィンが出来ない。自由に育てられたのに、回りがそれを許さない…
この映画の公開時点で、僥倖のようにハワイに渡航できたイブラヒムは未だ戻ってないとテロップにあった。
2024年の現在、彼等は無事だろうか?彼等の貴重なサーフボードは無事だろうか?瓦礫だらけのビーチは無事だろうか?サーフィンに反対したイブラヒムのお父さんは無事だろうか?
いま、2024年のガザでの虐殺を踏まえてこのドキュメンタリーを観る。その意味が、僕らを傍観者にはさせてくれない。このフィルムを観れば分かる。ガザに生きる人たちは市民であって兵士や戦闘員じゃない。それは明らかだ。
虐殺を止めよう。フリー・ガザ。
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