パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツのレビュー・感想・評価
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甘さ控えめでしっかりと魅せる半生ドラマ
フランス、食、それもスイーツが題材となると、見る側の先入観として、コミカルで華やかなドラマが思い浮かぶかも知れない。だが世界で名高い人気パティシエのヤジッド・イシュムラエンの自伝をベースに作られた本作は、彼の辿った過酷な生い立ちを軸に、母との複雑な関係性、里親から得た精神的な支え、なかなか周囲と馴染めなかった青年期をじっくり描き出す。苦難に押しつぶされそうになりながらも彼がパティシエになる夢を諦めなかったのは何故か。そこにはどんな思いがあったのか。スイーツはいわば、光の当たらない心の奥底を照らすスポットライトだ。その道筋に導かれるように、主人公は人生で出会った幾人もの人々に背中を押され、ぎこちなく、しかし力強く前に進んでいこうとする。時に繊細に、時に創造的に、大胆に。誠心誠意を込めてスイーツ作りに打ち込む姿勢は、まさに彼がたゆまず歩んできた人生そのもの。なかなか見応えあるストーリーだった。
悪くはないのだが、主人公を今一つ応援できなかった。 遅刻の常習犯で...
悪くはないのだが、主人公を今一つ応援できなかった。
遅刻の常習犯で、しかも上司の指示に従わずに勝手なことばかりやる。
遅刻した時、「180kmの距離を通っているんです」などと情けない言い訳をする始末。
才能はあっても社会人としても人間としても失格だ。
自由にやりたいのなら、独立して自分の店を持ってからにしろ、と言いたい。
そういえば、コンテストで氷の彫刻を造っていたが、あれはスイーツと何の関係があるのかよく分からなかった。
スイーツをしっかり見せて
ホームレス同然だったアラブ系青年が、パティシエ世界選手権で優勝するまでの実話に基づくお話です。苦難に耐えながらの成功譚は確かに力強いのですが、折角のテーマなのだから、一つ一つのデザートをもっとしっかり見せ、世界戦でのメニューは工程まで全て映して欲しかったな。
失敗は負けではない
辛い幼少期を越え、スイーツ大会で世界王者を目指す青年の半生を描いたドラマ作品。
育児放棄された幼少期と、ホテルで修行していく青年期とを見せながら人生一度の舞台に向けて進んでいくヤジッド。
本筋じゃないが、里親の方が仲良くしてくれてたのはわかるが、結局一緒に暮らしてたのは実親の方?…里親の定義とは…?
パクられたときもママが手続きに来てたみたいだし、ここらへんよくわからないのが割と気になってしまった。
さておき、腕は確かだが事情があるとは言え素行は決して良くは見えないヤジッド。それでも守ってくれる指導員や、一見厳しくも何度もチャンスくれるボスに囲まれ…アレ?実は恵まれてないか笑?
まぁそれも実力ありきなんでしょうが。
他にも良い人に恵まれてましたね。同僚の友人や、里親の実子(?)のお兄さんの現在も気になる。彼らは彼らで細やかでもお店とか開いていたら嬉しいな〜。
そして最後の大会は盛り上がっていましたね。しかし日本がいたならそっちに勝ってほしかったな〜なんて思ったりw
全体を通して、スイーツは美味しそうでしたが、映画としては色んな材料混ぜすぎて本当に味わって欲しい部分がどこかよくわからなかったかな。
それでも、小難しくないサクセスストーリーって感じで楽しめたし、10億星ホテルはうまい言い回しですね笑。
中々に良い作品でした。
パティシエ=アーティスト
天才パティシエ ヤジッド・イシェムラエンの自伝が原作ということで、実話ベースの話です。
幼少の頃と現在の少年〜青年期のヤジッドの時間軸が行ったりきたりすることで、
幼少期の母親からのなかなかに酷い仕打ち〜里親の深い愛情の中育ってきた環境が背景にあり、
現在のヤジッドが不屈の精神でパティシエとして努力し成長していく姿は、
率直に胸を打ちました。
話としてはベタでよくある成功ストーリーなのですが、
だからこそラストでカタルシスが訪れるのかもしれませんね。
これは観客である私の今のメンタリティが余計にそうさせているのかもしれないです。
キャラクターとしては、同僚であり親友の黒人男性マニュとの関係性が
ヤジッドを精神的に支えていることは間違いなく、
本当の友とは、こういう人を指すのだろうと思いましたし、ヤジッドが羨ましくもありました。
またフランス在住の日本人女優 源利華が出演しているのも、おっ!と思いました。
なかなか良い役でしたね。
ラスト近くに氷彫刻を製作するシーンがあるのですが、
ちょっと冗長かなぁと感じました。もうちょっとコンパクトにまとめた方が
スピード感があって良かったように思います。
気持ち良いラストで、鑑賞後感が良かったです。
美しく美味しそうなスイーツたちで幸せな気分に
スイーツを作ること、それで世界一になること、
それを心の糧に、成功したヤジットのハングリー精神は、スゴいね。
里親が本当に優しい家族で、
さらにお菓子作りに触れることができたのも良かったね。
お菓子作りに出会って、辛い現実からの逃避の場所を見つけられたんだから。
実話ということで過度な遜色もなく、本人が実際に作ったという、
映画の中の美しく美味しそうなスイーツたちに幸せな気分になりました。
とにかく、食べてみたい!
余談だが、ロッキーのくだりで、
この主演の俳優さん、
シルベスター・スタローンに似てるなーと思って、
まさか、息子さん?!と思ったら、
ぜんぜん違った 笑
リアド・ベライシュさん、すごくカッコ良いわけではないけど、
なんだか魅力的だったな。
・フランス映画 フランス映画には流儀がある。あまり盛り上げないこと...
・フランス映画
フランス映画には流儀がある。あまり盛り上げないこと。盛り上がる演出を極力避けること。感情表現も最小限に抑えること。
たとえばこの映画には主人公の因縁の相手とこ勝負があり、その結果を待つシーンがあるが、なんともあっさりと主人公が勝利を収める。
ドラムロールのドの字さえないのだった。
何故なのかは分からないが、フランス映画には「分かりきったことをわざわざくどく表現するのは野暮ったい」というような哲学があるのかもしれない。そうでないと説明がつかない。
・物語
フランスには里親制度があり、これは里親の子でありながら、パティシエとして成り上がった男の物語だ。
エンドレジットで初めて知ったが実話らしい。
里親制度のバックグラウンドが分からなかったせいか、この物語が何を訴えようとしているのかが分からなかったが、文化的なバックグラウンドが分かっていればもう少し本作が分かったのかもしれない。
スイーツを楽しむことはできた!
ストーリーにはやや難があった。
結末がわかっていて、しかもデセール(スイーツ)を楽しむだけでは単調になってしまうため、さまざまな工夫をこらしたのはわかるのだが。少年期には、頼りない母と家にいるか、スイーツの素晴らしさを教えてくれた里親の家にいるだけだったヤジットは、青年期になって施設に入り、何とかしてパティシエになろうとして、もがいていた。苦しい時、少年期のエピソードがフラッシュバックするのは良いのだが、あまりに煩雑で、少し疲れる。
一番気になったのは、少年期と青年期の役者さんの姿見が少し異なること。面長の少年とややふっくらした青年の、肌の色が違う。マグレブからの移民の子なのだろうけれど。何とかならなかったのかな。
少し鼻柱が強く、その割にややルーズなヤジット。シャンパーニュ地方にあるエペルネーから、パリまでは電車で1時間以上かかるけど(映画では、180 kmと盛っていた)それにしてもよく遅れてくる。一番、よかったのは、そのヤジットが、レストランでデセールを作ると、口にした先輩たちやシェフの態度が変わり、チャンスをくれること。どこの国であっても、そうであってほしい。
シェフの言葉、一番を目指すのか、天才と呼ばれたいのか、努力あるのみ。
レストランのシェフの序列とかも、もう少し、丁寧に説明してもよかったのでは。パリの後、モナコでヤジットが入ったグランメゾンでは、日本人の女性らしいシェフが大事にしてくれたが、あの人は、おそらくスーシェフ。一度だけ出てきて、難を見つけた人が、本当のシェフで、モデルは、きっとあのジョエル・ロブション。他にも、部門シェフとか、シェフ・パティシエの人がいたのでは。パティシエだって、名乗るのには試験があって、本当に誇り高い。きっと物語が、もっと構造的になったと思う。最後に、氷の彫刻が出てきたけど、その昔、日本でも(何てお金があったことか)結婚式の披露宴で、見かけることがあったっけ。
それにしても、出てきたスイーツは、パリ・ブレストをはじめ、何て美味しそうだったのだろう。それで、気づいたのだけれど、ヤジットは、おそらくディナーの後の方で出てくる、果物やソースが入ったグランデセールや、スイーツの盛り合わせのアシェットデセールよりも、ケーキやパイのようなパティスリーが好きなのでは。それで今の彼があるのではないかと思った。見当はずれかな?
淡々とゴールに向かって話が進むだけ
サクセスストーリーってことがわかっている
前提で観るのでストーリーに関しては云々
言いません。ゴールがわかっている話を
どうみせてくれるのかなぁ? がポイント
かな?と。
正直、もうちょっとなんとかならなかった
かなぁ?って感じです。なんだろう・・この
やっつけ感。お話がトントン拍子過ぎて、
主人公の力量がスーパーマン過ぎて、
お話が良い方向にころころ転がりすぎて、
でもって主人公が一人で頑張りましたー!
な描かれ方なので、どんだけ自己中な人
なんだ!と、どんどん応援したい気持ちも
なくなっていき・・・。
結果、あぁ、よかったねぇ~。と、
感慨もなく終了。
有名パティシエのウィキペディアの読後感と
似た感じ。もっともっと主人公の心情を
掘り下げるような描き方をすれば感想は
変わった気がします。
フランスで、若いパティシエが成功するまでの物語。 幼少期が過酷だっ...
フランスで、若いパティシエが成功するまでの物語。
幼少期が過酷だったとか、
名店に見習いで入り込んだり、人知れず試作を続けたり、
嫉妬で陥れられたり…。
ドラマなら、よくできたサクセスストーリーというところですが
現実のパティシエの自伝だとか。
驚きです。
お菓子作りの場面の、動画の精細さ、つい見入ってしまいますね。
スイーツが目の保養にもなりました。
水は血より濃いぞ
正直なところ、主人公を音楽家やアスリートや画家や俳優に置き換えても成り立つ話であるし、登場人物の言動がほぼ全て予測できてしまう安定のストーリー展開だが、とにかく美味しそうなスイーツを目で楽しませてもらった。
「FEAST 狂宴」ほど観る者を突き放す訳ではなく、「ポトフ 美食家と料理人」ほどの深みと味わいは無いものの「ウィ、シェフ!」ほどは社会派臭を漂わせずの程よい出汁加減、というか安全運転が、疲れてる時には良いかな。
誰に刺さる映画なんだろう、。
サクセス系の勇気が貰える作品だと思っていたら予想外れだった。実話を元にしたから仕方がないが、テンポが悪く、息が詰まってしまった。また、成功へのステップが淡々としており本来はあったであろう要所要所の苦労が描かれていない。だから主人公はもちろん、周りの人物にも共感できなかった。パティシエに従事している人ならばもう少し楽しめたりするのかな、、。
フランス映画あるあるの余韻を残すタイプではなく、グルメものかも微妙だが良作。
今年126本目(合計1,218本目/今月(2024年3月度)44本目)。
(前の作品 「ゴーストバスターズ フローズンサマー」→この作品「パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツ」)
実話をもとにした映画なので、余り「いじる」余地がないタイプの映画ではあります。
ただ個人的にはあまり共感できなかったかなぁ…といったところです。
理由として、他の方も触れている通り、一部の犯罪行為を想定するシーンがあること(ただ、犯罪は良くないことという前提を置いた上でも、育児放棄などの背景がある以上、趣旨を理解しなくもない)、フランス映画で一部みられる「グルメもの」で多くの評価を得た「ポトフ」などと比べると料理シーンが少ないといった部分に多くの部分が来るのかなといたところです。
特に後者に関しては、グルメもの(スイーツもの)という体裁をとりながら、フランスでも国内問題として議論される外国人排斥問題などや差別、思想良心の自由という「あまり関係のない筋に飛ぶ」のがやや厳しいところです。もちろんこれらの「脱線」は少な目ではありますが、グルメ映画であればそこに主な焦点をあてて欲しかったかなという気がします。
こうした事情があるので、グルメ映画(スイーツ映画)と思って見に行くと確かにそうですが、余り無関係の話や、はてに星座の話をはじめたり(なお、夜空にうつるのは、北斗七星(おおぐま座)とこぐま座(の、北極星))と話しの飛びようがすごく、やや「うーん」といった気がします。
ただ、フランス映画でよくある「結末は自分で考えてね」タイプの、いわゆる「余韻を残すタイプ」の映画と違ってエンディングまで丁寧に描かれているので(ネタバレ回避)、この意味でいう「結局何がいいたかったの?」の問題は発生しにくいですが、そこにいたるまでにグルメ(スイーツ)の話題と関係のないところに飛ぶのが、人を選ぶかなという気がします。
とはいえ、フランス映画で、こうしたグルメ映画は決して多くはないですし(去年だったかのポトフ以来?)、エンディングにおける「フランス映画によくある」余韻を残すタイプの「自分で考えてね」系でもないことまで考えると解釈の揺らぎはあまり生じないということまで考えてフルスコアにしています。
(減点なし/参考/公式サイトのグルメ案内(東京)について)
大阪も第二の都市なので紹介が欲しかったです…。
もっとも阪神阪急デパートの地下のいわゆる食品フロアにいけば見つけることはできますが、お菓子の「シャルロット」って何なのかな…(女児の名称として使われることは知っている方は多いと思いますが)とか気になったところです(いわゆる「ババロア」の一種のことである模様。ガラス越しで確認)。
芸術ありき。
フランス料理って見栄えが盛大でいまいち美味しそうに見えない時があるけど、まさに、極上の食は芸術なり、これなのね。決勝で氷像競っても食に関係ないじゃんって思っちゃうほう…。あと、フランス映画って展開がソフトな場合が多くてものたりない、かな。
いい話なのに…あまり感動につながらないのが残念
一流パティシエに上り詰める実話なので、嘘はないのだろう。
幼少期や青年の苦難時代をクロスする描写は良かったが、全体に苦労、困難を克服する背景が少なすぎる気がする
幼少期の里親、青年期の舎監?の愛情も中途半端な印象だし、最大ポイントのパティシエ技術の鍛錬描写が分かりにくいので、結果一流になりました、ちょっと運が良かったねみたいになったのは残念
最後の彫刻で意味ありげに実親を被せたのは美化し過ぎだけど、その後に里親アップあったから許す。
あと殴られたシェフは実在してるなら、モロバレもの、すごく気になる(笑)
フランス料理系で最近のポトフと比べて、料理もシェフの熱意も物足りなかったけど、ギリ及第点でした
芸術ね…
22歳でパティスリー世界選手権チャンピオンになるまでの天才パティシエ、ヤジッド・イシェムラエンの話。
クソママから育児放棄され、自分でお菓子を作る材料万引きボーイの頃と、施設で暮らし180km離れたパリの高級レストランで修行を始める様子を織り交ぜながらみせていくけれど、お国柄なのか自己評価高い自己中野郎にしかみえないんだが…。
自分が観た劇場の問題かもしれないけれど、全体的に画像が暗く発色悪くて作ったものをみてもうわ〜美味そう!ともならないし、なんなら作る過程の演出は凝ってるけど完成品はあんまりしっかりみせようとしていない?
がむしゃらにお菓子作りに向き合うとか、お菓子作りそのもので壁にぶつかるとか、そういう描写も特にないし、内面的な成長をみせる感じでもなくて、何をみせたいのか良くわからなかった。
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