映画 からかい上手の高木さんのレビュー・感想・評価
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割と普通?でした(笑)
今泉力哉監督作品ということで楽しみにしていました
原作もアニメもTVドラマも知りません
今泉監督作品はとしては静かな割と普通?の恋愛劇でした
そしてとにかく映像が美しい
クセのある会話劇を期待していた方には少し物足りないかもしれませんが普通がまたいいのです(もちろん「らしさ」はあります!)
単純に相思相愛の設定なんですがそこは今泉ワールド
ラスト前のクライマックス
教室での2人の「告り合い」
「10年前からずっと好きだから付き合って」(高木さんの言いたいこと)
「よく分からないけど好きみたいだから結婚して」(西片さんの言いたいこと)
ただそれだけの話(1分で終わる話)なのに多分20分近い長回しの不思議な会話が続きます(笑)
完全なハッピーエンド(ですよね?)に拍手です
10年後を描く意味はあったのだろうか?
「好き」という気持ちを相手に伝えるのは、勇気のいることだ。
フラれるのは嫌だし、それで相手に気まずい思いをさせたら申し訳ないし、もしかしたら、友達同士としての良好な関係も壊れてしまうのではないかと不安になってしまう。
だから、高木さんは、「好き」という代わりに「からかい」続けるのだろうし、西片は、そんな高木さんの気持ちに気付けないのだろう。
ただし、そうした2人の微妙な関係は、中学生だからこそ微笑ましいのであって、それが、いい大人になった10年後も変わらないところを見せられると、あまりの成長のなさに「何をやってるんだ?」と思ってしまう。
島のゆったりとした時間の流れに合わせたかのような語り口も、それはそれで心地よいものの、テンポが悪くて眠たくなってしまった。
西片が、同級生に「好き」と告白した女子中学生から、高木さんが、告白された直後に不登校になった男子中学生から、別々に事情を聞くところが並行して描かれる場面は、この映画の大きな見所となっているが、その後、西片と高木さんが、そのことについて情報を共有していないのは気になる。ここは、教え子たちがどうすればよいのかを2人で相談し合って、その過程で、自分たちもどうするべきなのかに気づくという展開があっても良かったのではないだろうか?
ラストで、ようやく、お互いの気持ちを伝え合う場面にしても、今までの経緯を踏まえれば、高木さんか西片に「好きだ」と打ち明けたところで、「また、からかってるんじゃないの?」と疑う西片のリアクションが欲しかったと思う。
何よりも、手をつなぐ以前に、「付き合う」を飛び越えて「プロポーズ」してしまうという西片の思考過程は、それこそ、中学生にすらない単純さで、どうして、これを大の大人にやらせる必要があったのか、不思議に思ってしまった。
10年経っても何も変わらない2人を描くのであれば、そもそも、10年後を描く意味はあったのだろうか?
【"本当に戻りたかった場所。"今作は若き男女の10年越しの淡い恋を、今泉力哉監督ならではの、心の機微の細やかな変遷を優しい視点で描き出した心がホンワリと温かくなる爽やかで、多幸感溢れる恋物語である。】
◆感想
■今作品の魅力は、中学生の時に隣の席だった高木さん(永野芽郁)と西片君(高橋文哉)が、西片君が体育の先生になった2人の母校で10年振りに再会し、お互いに好きだと言う気持ちを今泉力哉監督ならではの、心の機微の細やかな変遷を優しい視点で描き出した点である。
・普通の恋愛映画であれば、キスシーンは当たり前であるが、今作品では2人は最終シーンまで、手も握らない。だが、それがこの作品を焦れったくも、素敵な趣ある作品にしているのである。
・西片君の教え子の大関さんが、同級生の松田君に淡い想いを持つシーンも良い。中学生らしい自分の想いを上手く伝えられない姿、告白されて戸惑う姿。自身の中学生時代を面映ゆく思い出しながら鑑賞した。
そして、いつもニコニコ笑っている高木さんが、大関さんから告白されたためか不登校になった松田君と、海辺の防波堤で一緒に絵を描き距離を縮めていく様も良い。
高木さんを演じる永野芽郁さんの、柔らかな笑顔が素敵であるし、松田君が高木さんに心を少し開いて、西片先生の良い所を”無理に学校に来い、と言わないから。”と伝えたり、二人で島の見晴らしの良い高台で海を見るシーンも良い。
更に言えば、高木さんは松田君に”西片君には中学から200回も好きって伝えているのに、伝わらないのよ。”と笑顔で言うシーンも素敵なのである。高木さんにとって、西片君を揶揄う意味を初めて自ら口にするシーンでもあるからである。
◼️今作品の白眉は、高木さんが教育実習を終えた後に、西片君と中学生の時の様にクラスの一番後ろの席で隣同士で座り、想いを告げる長回しのシーンであろう。
ここも又、焦れったいのだが、2人が中学生時代から抱いていた想いをぎこちなく伝え会う姿は、とても心に沁みたのである。
<今作品は、今泉力哉監督ならではの、心の機微の細やかな変遷を優しい視点で描き出した観ていて心がホンワリと温かくなる素敵な恋物語なのである。>
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