映画 からかい上手の高木さんのレビュー・感想・評価
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まだるっこしい告白シーン素晴らしい
実写で生身の成人男性をこれだけ可愛く描けるのはすごいと思った。原作及びアニメ版の魅力は、色々あるが、一番は西片がかわいいことだった。彼の可愛いリアクションがこの作品の題材である「からかい」を成立させていた。実写映画版は、このからかいをさらにちゃんと掘り下げてみようという意欲をもって制作されている。からかいがからかいとして成立するには、言い換えるといじめや嫌味にならずに成立するのはどんな関係性においてか、ということを正面から描こうと試みた。
そして、恋愛映画にもかかわらず、告白の持つ暴力性にも言及するというのは意欲的だ。気持ちに押し付けは時に相手を苦しめることがあると本作は描いている。こう書くと割と深刻なテイストの作品かと思われそうだが、西片が可愛く描かれていてそうならないバランス感覚がすごい。
クライマックスの長回し告白シーンは、映画史上屈指のまどろっこしい告白なのだが、それがいい。できるだけ暴力性を薄くして気持ちを伝えるには、あれだけ回りくどくなるってことなんだろう。あのまどろっこさを魅力的に描けるのは今泉監督ならでは。いい人に実写化してもらったなと思う。
からかわれ上手でもある
原作は知りませんが、ロケ地である小豆島が大好きなこともあって、美しくのどかな風景を舞台に繰り広げられるピュアな青春ドラマにぐいぐい引き込まれました。島、海、転校生、ほのかな恋心…というエッセンスから灰谷健次郎の児童文学「海になみだはいらない」を思い出しました。子役を含めて主役の高木さん(永野芽郁)と西片(高橋文哉)のキャスティングが最高ですね。この二人だからこその味わいがとても好きになりました。好きなのに好きとはいえない、そもそも好きなのかよくわからない…。このもどかしい展開は、学生時代にハマっていた「めぞん一刻」にも似ていて、とても懐かしい気持ちが蘇りました。からかいながら楽しそうなのに、ふと淋しそうな表情になる永野芽郁の演技が素晴らしく、それを受ける高橋文哉の超鈍感な実直さとの化学反応に心が洗われました。笑えるシーンも盛りだくさんあって、大好きなタイプのラブコメでした。
回りくどいのが好きな日本人
パリから 帰ってきた高木さん
ドラマをNetflixでみていたので、アマプラで偶然見かけて「あ!...
ドラマをNetflixでみていたので、アマプラで偶然見かけて「あ!、続編だ」と喜んで見ようと思いましたが、主演が永野芽郁だと知って見るのやめました。
からかい相手の男子に対する恋愛感情をさり気なく示す少女に好感を持つのに、あの複数の男性への思わせぶりをする女優ということもあり、全然感情移入できそうにありませんでした。
西片…やっぱ別れようか?……
世界観が好き
ほんわかムード
テレビドラマから、本作品に入りしたが、キャスト変更に違和感なく、ド...
点数ではない温かみ
やはり漫画が原作でしたか。
その実写版がこの作品
そのニュアンスの違いはわからないので、実写版だけに感じたことを妄想する。
ラブコメディというジャンルのようだが、人の気持ちという簡単に「変わってしまうもの」を「決して変わらない何か」はあるはずだという前提で、それに照準を絞り込んだ作品のように感じた。
教頭が言った「初恋というのは、だいたい終わってしまう」というセリフに込められた「一般的」な概念や常識
西片と高木にあった「変わらない何か」とはいったい何だったのだろう?
それを、最後の教室のシーンで二人が語り合っていた中に差し込まれていたのだろうが、それそのものを言葉にするのは難しい。
冒頭に登場する架空のコミック「100%片想い」
この少女漫画っぽいものはいったい何を表現していたのだろう?
そのアニメを夢中で見ているのが西片
あの漫画は西片の憧れでもあるというのがわかる。
未だ色あせない憧れ
西片の心の中を彩っているものの正体
そして突然かかってきた「高木さん」から出の電話
アドレスに「高木さん」と書いているのは、西片自身が彼女を憧れとしていた理由。
同級生の女子に、今も「さん」付けするのは、「100%片想い」という漫画の憧れの世界を、無意識かもしれないが、実在する「高木さん」に当てはめていたのだろう。
そしておそらく、この漫画を好きなのは高木も同じで、密かにまた読んでいることを当てられてしまう。
高木にとっては、西片が何を考えているのか、概ねお見通しなのだろう。
ただ、
高木自身が明確に西片のことを好きだと思っているにもかからわず、何度も打っているへなちょこパンチは一向に西片に当たらない。
さて、
大した伏線があるわけではなく、大どんでん返しもないこの作品。
漫画のほっこり感がヒットして、アニメが作られ実写化されたのだろうか。
お互い好きなのにはっきりしないという構図は、「君の名は。」と同じだろうか。
「秒速5センチメートル」の逆バージョンかもしれない。
この作品は、純粋で真実だと疑わなかった恋愛が、距離と時間によって無惨にも蝕まれていくことを描いていた。
そして本作では、ある種の恋愛というものは、「変わらない何か」によって決して壊れないことを描いていた。
「変わらない何か」とはいったい何だろう?
本当に戻りたかった場所 それが西片の隣だったこと。
10年前と何も変わっていなかった西片を感じた高木の安堵と喜び。
中学生の恋愛相談によって自分の気持ちを重ね合わせるという展開
高木は町田に自分の心を見透かされた。
それは彼女にとって恥ずかしいことではなかった。
歳の差とか経験値とか、多少はあるかもしれないが、町田も高木も同じように純粋なのだろう。
その純粋さ、純朴さをそのままに残している場所があの島なのだろう。
その大自然というロケーションが生み出した人間性は、くじかれることなく育まれて、「変わらない何か」を作り上げたのかもしれない。
純粋な少女漫画に抱いた憧れ
その世界を100%信じ切ることができた西片と高木
このほっこり感こそ、この物語の中枢なのだろう。
実写化に感じるまどろっこしさは、現代人のせわしい感覚を映し出している。
一般的に見れば、ありえない世界。
その「変わらない何か」を共有したことで、付き合うとか通り越してポロポーズになる。
まさにソウルメイト的恋愛物語
「変わらない何か」とは、相手を思いやる気持ち 一緒に過ごした時間の記憶 心の奥にある“憧れ”や“理想” 自分が自分でいられる場所なのかもしれない。
こうしたものが、時間や距離、成長や変化を超えて、二人の間に静かに残り続けていたのだろう。
相変わらず予備知識ゼロで見たが、
高木は病気で、余命宣告されていて、もう一度だけあの頃に戻りたかったという物語かなと妄想していたが、見事外れてしまった。
よもやよもやの物語だった。
ただ、
あの二人の持った、恋愛に対する純粋さが羨ましいと思った。
いい作品だと思う。
点数では語れない温かみを感じた。
「からかい上手の高木さん」は、評価されるために作られた作品ではなく、心に残るために作られた作品なのかもしれない。
アニメはだめでしたが、実写は見て満足できました
内容が薄いように思える
ラスト、怒涛の展開に茫然自失?!
2024年公開、配給・東宝。
【監督】:今泉力哉
【脚本】:金沢知樹、萩森淳、今泉力哉
【原作】:山本崇一朗〜『からかい上手の高木さん』
主な配役
【高木さん】:永野芽郁
【西片】:高橋文哉
【大関みき】:白鳥玉季
【町田涼】:齋藤潤
【田辺先生】:江口洋介
1.原作と比べすぎてはダメ
教師となった西片のクラスに、教育実習生としてやってきた高木さん。
原作アニメの高木さんを、実写に置き換えるとしたら永野芽郁一択だろう。
一方で、西片はあんなカッコ可愛いキャラではなかろうもん笑
からかう高木さん ― ドキドキの西片
告白した大関さん ― その後不登校ぎみの町田
後半は、二組の若者たちを軸に話が展開するが、
無理やり感は否めない。
2.「好き」を科学する?
大胆な解釈や変更を加えて実写映画化した。
◆物語の舞台が、島になった。
◆西片をイケてる感じに描いた。
※さらに、原作マンガでは、
西片はただ、からかわれて終わりではなく、
高木さんへの仕返しを企図していた。
◆原作では、仕返しは読まれて成功しないが、たまに意図しない西片の言動で高木さんが可愛く赤面するような場面もあるが実写版では割愛。
永野芽郁のキャラクターは、高木さんと見事に重なる。
田舎の風景をバックに、
どこまでも不器用で誠実な若者たちのやりとりが自然だ。
→自然すぎて眠くなりかけた。。。
3.100分くらいから怒涛の展開
正確に言うと、高木さんの教育実習が終わった直後、
その日を待ってたかのように西片が攻勢にでる。
しかも、教室で(笑)。
◆おれ、人を好きになるって気持ちがよくわからないんだ。
◆高木さんの隣にいる自分が好きって思えて。
ここからの展開が、10倍速になり圧倒された。
なんやねん。
どうしたん?
くらいに早い。
ダイジェストすぎる。
4.まとめ
可愛い高木さんが、何かとイケてない西片をいじってからかう、でも二人はいつも一緒。
そんな純粋な甘酸っぱい青春純愛ストーリー、
ではダメだったのかなぁ?
最後は、なぜそんなに急いだんだろう?
と言いたくなるラスト10分、駆け足の展開だった。
余韻もなにもなかった。
なんか、もったいない。
二人で一緒に聴く『キュン♡せっきん』良かったので、0.5加点。
☆3.0
高木さん独特の恋愛観
<映画のことば>
それに、からかいたいし。これからも。
「好き」ってことかな。
「もっと好き」っていうよりも。
高木か西片をからかうのは、彼女は西片に異性としての関心を持っていることの表れであることに、疑いはありません。
問題は、その気持ちをストレートに表現するのか、いわゆる「鎌をかける」ことで西片の方から彼女に告白するように仕向けるのか。
もちろん、大関の町野に対するやり方が前者だったのに対して、高木さんのやり方は後者で。
つまり、ストレートな告白でお互いが傷つく可能性を回避しつつ、「へなちょこパンチ」を繰り出しながら相手(西片)がダウンする(西片の方から彼女に告白する)のを、ひたすら待つという作戦だったようです。
まんまと西片を告白に追い込んだという点では、高木さんの西片へのアプローチが、西片の高木に対するアプローチよりも一枚「上手(うわて)」だったという意味では、やっぱり高木さんはからかいが「上手(じょうず)」だったということなのでしょう。
「上手(うわて)」と「上手(じょうず)」。
題名に上記のようなダブルミーニングの仕掛けがもし隠されていたのだとすれば、漢字表記では同じになってしまうその二色の意味が、本作の題名中の平仮名表記の「上」と「手」との二文字にに込められているようで、なかなか含蓄の深い題名の作品だったとも、評論子は思います。
その点で、本作は充分な佳作だったとも、思います。
(追記)
ときに、プロポーズをOKしてもらったら、その時の受け答えは「(プロポーズを請けてくれて)ありがとう」が普通かなぁとは思うのですけれども。
しかし、本作での西方の返事は「はいっ!」でした。
この西片の反応こそが、高木と西片をとの関係性を象徴して余りがあったと思ったのは、おそらく評論子だけではないことでしょう。
高木さんの西片に対する「調教」は、充分に成功していたと言えると思います。
(追記)
<映画のことば>
初恋とか、そういうものって、まず叶わないものなんだよ。
でも、「誰かを好き」っていう気持ちだけで、心がいっぱいになる。
だから、誰かを好きになるっていうのは、それだけで素晴らしいことだと思うぞ。
恋愛って、そんなものじゃあないでしょうか、やっぱり。
それまでは全くの「赤の他人」として生きてきたはずの二人が、ある日・ある時を境にして、ふとしたきっかけから絶対…唯一・無二の存在になる。
朝起きて、まず最初に考えるのは、その人のこと。
夜眠りに落ちる最後の瞬間まで、アタマを離れないのは、その人のこと。
まさに、寝ては夢、覚めては現(うつつ)。
まったく「狂気の沙汰」というほか、ないとも思います。
純度100%の青春モノ。
青春だなあ、いいなあ。
感想としては、それだけでいいかもしれない(笑)。
原作のアニメは知らないけど、その10年後を描く
という手法はおもしろいですね。
まるで高校生、中学生のような大人の恋。
なにやってんねん、と少しイライラするけど、
それが青春。ごちゃごちゃ言わずに、それに
浸るのが、この映画の楽しみ方。
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