「原作ファンも納得。「間」を楽しむ甘酸っぱさ100%映画」映画 からかい上手の高木さん 餅さんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンも納得。「間」を楽しむ甘酸っぱさ100%映画
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原作で全巻読んでいるファンです。
正直、漫画の実写化は、原作ファンとしては複雑です。
しかし原作のもつ「間」を継承した、非常に
クオリティの高いおすすめ映画でした!
「からかう」という非常に複雑な愛情表現を
直接的な言葉ではなく、「間」と俳優陣の演技力で
表現しているところが高く評価できます。
二人の気持ちのキャッチボールのリズムが
小豆島の持つ特有の時間の流れとマッチしており
この「間」が、なんとも心地よいけど、むずむずさせる。
原作も絶妙な二人の掛け合いの「間」を楽しむ
のが魅力と感じているので、この部分がしっかり
取り入れられているところが流石だなと感じました。
さらに中学生の男女のエピソードが非常にうまく挿入
されており、自分のエゴと他人のエゴの関係をどのように扱うか?
という哲学的な問いを立てているところが、映画に深みを
もたらしています。
特筆すべきは、クライマックスシーンの長回しは圧巻の演技力。
「好きです」⇨「はいつきあいましょう」という
単純な(好き)Likeという感情を押し付けるエゴ
が人間関係の本質ではなく
仏教における「縁起」的な人間関係を提起して
お互いが幸福でいられる「関係性」
こそが本当の「愛」であるという提案に感じました。
二人の単純な「好き」という表現にとどまらない
告白シーンは本当に素敵でした。
日本の瀬戸内の穏やかな風景で繰り広げられる
まるで、レモネードのようなシュワシュワ甘酸っぱい
純度100%の映画でした。
おすすめ。
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