「ある意味、非常に困難な映画化だったのでは」映画 からかい上手の高木さん 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ある意味、非常に困難な映画化だったのでは
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とかく近年、人気原作の映像化に批判的ですが、この作品にはあまり厳しい目を向けたくないです。何故なら、一話短編で二人きりのシーンで綴られる漫画を2時間程度の実写劇場版にするなど、非常に構成が困難であったと思うから。どのシーンも二人きり、せめて必ずどちらか一人は画面にいないと成立しないお話なので、通常の実写ドラマで構成するとなると、物足りない内容になってしまわないだろうか。そうと判っているだけに集客も大変でしょう。
そうであるだけに、これぞ「高木さん」の真骨頂、クライマックスは二人トークの超ロングカット。台詞を覚えるだけでも大変。むしろスタントマン無しのアクションシーンのほうが楽なくらいだったんじゃないでしょうか。
内容的には原作と被らない年齢層の時代背景で原作と比較するストレス無し。それでも一応は原作再現のシーンもあって、クスッと笑える。大人になった二人が中学生達との触れ合いと通して、自分達の頃を振り返るようなお話と、そして期待の結論、二人の決着。最後は一粒種までも特別出演。特別、無理なく予想を超えることのない内容で、美しい島の風景を舞台に、肩の力を抜ける心地よい映画だったと思います。劇場版だからと言ってドッカンドッカンした超絶バトルと奇想天外な大どんでん返しは他の映画にやって貰いましょう。
それにしても、小さな島の中学校だからって、今時もあんなふうに純朴なのでしょうか。合唱コンクールの練習とか「ちょっと男子!」と揉める風景。私には懐かしいんですが、今もやってるのかな?
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