劇場公開日 2024年5月31日

「待ちに待った…辛め評価ごめん」映画 からかい上手の高木さん CBさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5待ちに待った…辛め評価ごめん

2024年6月5日
iPhoneアプリから投稿

からかい、からかわれの中学時代を過ごし、いい感じを共に持ちながらも、親の仕事で遠く離れ離れになった主人公2人が、10年後に、生まれ故郷の島で、かたや体育教師かたや美術の教育実習生として再び出会う話。

原作コミックはあれど、舞台は、マンガにはない二人の10年後を描いたもの。それなら、稀代のストーリーテラー今泉監督の脚本も躍動できるってものだ、と観る前から楽しみでした!!
というわけで、以下のレビューは原作知らずが、今泉監督作品を観て勝手に書くものなので、「原作とテイストが違う」とか「原作のエンディングで終わりでいいじゃないか」などと感じられている方は、無視してくださいね。

そして、映画はちゃんとほのぼのできるので、ぜひ観てください!

さて、上のように推奨したにもかかわらず、のっけから失礼な書き方になるが、本作、俺にとっては、今泉監督全開って感じじゃなかった。永野さん(芽郁)の映画って感じだったなあ。
ごくわずかな出来事を、119分に渡って、ゆっくりゆっくり語る映画。島の時間で撮った映画ってことかなあ。
もちろん、今泉監督にしか出せないほのぼの感は満喫できるし、光溢れる絵は相変わらず爽やかだし、文句があるわけじゃない。でもなんだろう。クセがないっていうのかなあ、なんだか物足りなかった。
もしかすると、「原作の空気を見事に再現した映画」なのに、原作を読んでない俺だけがわかってないのかもしれない。原作読んでこよっと。

大関さんと町田くんのくだりで、恋愛感をみせてくれている。伝えるタイプとそうでないタイプ。伝えられた側は、どう受け取るかが千差万別。町田くんのように告白されたのに好きでなかった場合に「ああ、めんどくさい」と人と人の関係を重荷に感じる人もいる。相手の気持ちや明日からどう対応すべきかを考え過ぎるってのは、基本、いいやつなんだと思うけどね。
「そうか、返事してないな(というか、その時には返事するチャンスすら与えられなかったけどな)」、と気づき、返事をしに行く。何かを直接言うではなく、町田くんにそう考える機会を与えた主人公二人。大袈裟な動きがあるわけではないけれど、少しだけ変わっていく感じ。今泉監督の本領だ。それだけで変わる世界もあるよ。いや、ではなく、お互いの心は少しスッキリするよ。という町田くんも味わったであろう開放感は、俺にも十分伝わってきた。

今泉監督、情熱大陸での様子からすると、告白する大関さんタイプだよね。(ちなみに俺、もろ町田くんタイプ)
今回の話って、主人公二人とも大関さんタイプじゃなかったよね。監督と違ったタイプの主人公二人だったから、必要以上に間延びした感じになっちゃったのかな。それとも、これもデフォルメの一つとして楽しむべきだったのに、俺が歳をとってせっかちになってるだけかな。

ありえなそうな恋愛関係を描いて見せて違和感を持たせない、という今泉監督の "腕" としては、今回も10年間を跨いだ主人公二人を見事に描ききったとは言えますね。その点は、もう、さすが、今泉監督! これからもたくさん映画撮ってください!!

おまけ1
町田くん、「カラオケ行こ!」だったんだ、気がつかなかったよ!

おまけ2
みんなのレビューを楽しく読んでいたら、「主人公二人の関係は原作の香りに忠実に。一方、監督の工夫や思いは、大関さんと町田くんの関係に込めてみた」のかな、と思えて来ました。

おまけ3
「へなちょこパンチだからいくら打っても相手には効かないの。自分の手も痛くないの」 は、監督が描きたかった主人公たちの関係 の中心ですよね。

2024/6/7 追記
ドラマ版、見ています。
声をかけられると「うわ」とびっくりする西片。
ロッカーから出てくる高木さん。箒のシーンは、第二ボタンのシーンの相似だったんだね。
ドラマ観てから映画だったら、そのシーン、楽しかっただろうな。ドラマ版つまり中学生時代は6巻が最新巻だった「100片」が10巻くらい揃ってたのも、より印象的だっただろうし。同じ海、同じ浜、同じ桟橋の上、(さらに10年前と同じスマホ!)で聞く、かっての新たな主題歌。
神社の境内は大切な場所だったんだね。
そして初詣。「来年こそ、おみくじ勝つから」「来年も初詣、一緒に来れたらいいね」 この会話、その後を知ってると深いね。
そうか、浜口くんと北条さんはちゃんとこの頃から。そしてこっちが、中井くんと真野さんか。たしかに真野さん面白いね。
歌う時に鏡を見るのは、口角を上げて歌うための先生の指導だったのか。
そしてからかわれた分だけムキムキ腕力になってる西片。ちゃんと成績も体育が伸びてるんだね。
「島に帰って来たら、また会おう」という女子たちのセリフ。
「自転車は家に置いてきた」これも相似だったんだね。
そして、…高台。415段の階段。

うわ。当たり前だけど、もう、次から次へと。映画。もう一度、あらためて観に行こうかな。

このドラマの帰結としての映画なんだね。いや、堪能しました。西片の気づかさなぶりも、ここから観たら、それ自体が大切なことだったんだね。

泣かないでよ。笑っててよ。西片には元気でいてほしい。

ドラマがあること、教えてくれただるまんさん、ありがとうございます!! ドラマ版、入りは映画同様、なんだか入り込みにくい感じだったけれど、さすが今泉監督。クセになる味わいは、2日で一気に観ちゃいました。また寝不足だ。

う〜ん。純愛、というか若き恋、淡い想い。

ドラマ版とあわせたら、最高の5点だけど、映画単独で観た印象は残しておきたいから、スコアは変えませんでした。「ドラマ版のあたしが良かったってことかな?」って、高木さんにからかわれちゃうかな?(笑)

CB
CBさんのコメント
2024年12月18日

へええ。観てみたいな

CB
近大さんのコメント
2024年12月18日

原作には子供も産まれた結婚後のエピソードもあるらしいですね。
そちらも映像化したら見てみたいです?

近大
琥珀糖さんのコメント
2024年11月16日

おはようございます。
ご心配かけてすみません。
元のレビューは残っているのですが、
アカウントが2つみたいになったようです。
お問合せフォームにコメントしても何故か送信されません。
今の世の中はスマホに対応しているのかも知れません。
時代遅れなので、スマホも勉強しなくてはですね。

ほっこりする映画でとても好きです。
再フォローありがとうございます。

琥珀糖
野球十兵衛、さんのコメント
2024年6月12日

いつもお世話になっております。コメント失礼します。
本当ですね。町田君は『カラオケ行こ!』の齋藤潤ですよね。
レビュー拝読するまで気が付きませんでした。意外な発見ですよね。

野球十兵衛、
ITOYAさんのコメント
2024年6月8日

コメントありがとうございます!
え!え!え!町田君「カラオケ行こ!」だったのですか!!!
パンフにも書いてあったけど全く気付きませんでした。確かに全く違ったタイプの役でしたね。教えていただいてありがとうございます。

永野芽郁さんの印象が強かったのも、その魅力を最大限に描いた今泉監督の "腕"なのでしょうね。
ちなみに、特ヲタの当方としては「仮面ライダーゼロワン」主役の高橋君の変わりぶりに驚きました!こちらも全く違うタイプでしたから。(若くして大企業の社長で芸人志望で仮面ライダーという笑)

ITOYA
CBさんのコメント
2024年6月6日

うんうん

CB
活動写真愛好家さんのコメント
2024年6月6日

永野芽郁のへなちょこパンチだったら喰らいたいですね

活動写真愛好家
だるまんさんのコメント
2024年6月6日

ドラマはもっと単調かもしれません。延々と中学生の日時が描かれています。大人目線はほぼ無し。ドラマは8話、約2時間半です。一気に見るには辛い。出来れば1晩1話、寝る前に観てとちょうどいい。
月島瑠衣さん(モデルらしい16才)と、黒川想矢さん(14才是枝映画の怪物)の2人がとにかく可愛らしい。この愛すべき2人がある意味そのまま大人に。
このただの日常の話を、人間ドラマの映画にする今泉監督はすごいし、ドラマと映画をセットにすると、日常の淡々とした生活と、刺さる言葉が今泉監督っぽいかと。

だるまん
グレシャムの法則さんのコメント
2024年6月6日

まったく的外れなこと言いますが、今、テレビドラマでアンメットって放映されてますが、今泉力哉監督の作品に出てきそうな若葉竜也さん、岡山天音さん、山谷花純さんとかがそちらに取られてしまい、映画のほうでは、爽やかな役者に合わせての脚本でまあいいか、となってしまったとか⁈

グレシャムの法則
NOBUさんのコメント
2024年6月5日

今晩は。コメント有難うございます。
 私は今作の様な、ほのぼのとした作品が好きで、実に豊饒な気持ちで
映画館を後にしましたよ。では。

NOBU
ちゆうさんのコメント
2024年6月5日

今泉ワールドはいつもじれったいですよね。そういうの彼は好きなんじゃないでしょうか 笑

ちゆう
たつのこさんのコメント
2024年6月5日

コメントありがとうございました
「好きよりももっと好き!」何故からかうのか?の問いにちゃんとちゃんと納得出来るすごく素敵な回答ですね。

たつのこ
りあのさんのコメント
2024年6月5日

共感、コメントありがとうございました。
永野芽郁、良かったですわね。
大好きなアニメの雰囲気壊さず楽しめました。

りあの
おじゃるさんのコメント
2024年6月5日

CBさん、共感&コメントありがとうございます。
未読なので原作の雰囲気はわかりませんが、アニメと同様の雰囲気は感じることができました。でも、それを20代半ばの大人の実写で見せられると、それはそれでちょっとメルヘンだなとも感じました。むしろ大関と町田のほうが現実的で大人だなと感じます。でも、作品としては、その対比がよかったようにも思います。

おじゃる
bionさんのコメント
2024年6月5日

確かに、今泉監督の色はあまり感じなかったです。お得意の「愛すべきダメ男」が主人公じゃないからかも。
町田くんと白鳥さんは、すごい俳優になりそうですね。

bion
SAKURAIさんのコメント
2024年6月5日

ラストの教室での西片の物言いはちょっとイラっとしましたけどね(笑)

SAKURAI