「待ちに待った…辛め評価ごめん」映画 からかい上手の高木さん CBさんの映画レビュー(感想・評価)
待ちに待った…辛め評価ごめん
からかい、からかわれの中学時代を過ごし、いい感じを共に持ちながらも、親の仕事で遠く離れ離れになった主人公2人が、10年後に、生まれ故郷の島で、かたや体育教師かたや美術の教育実習生として再び出会う話。
原作コミックはあれど、舞台は、マンガにはない二人の10年後を描いたもの。それなら、稀代のストーリーテラー今泉監督の脚本も躍動できるってものだ、と観る前から楽しみでした!!
というわけで、以下のレビューは原作知らずが、今泉監督作品を観て勝手に書くものなので、「原作とテイストが違う」とか「原作のエンディングで終わりでいいじゃないか」などと感じられている方は、無視してくださいね。
そして、映画はちゃんとほのぼのできるので、ぜひ観てください!
さて、上のように推奨したにもかかわらず、のっけから失礼な書き方になるが、本作、俺にとっては、今泉監督全開って感じじゃなかった。永野さん(芽郁)の映画って感じだったなあ。
ごくわずかな出来事を、119分に渡って、ゆっくりゆっくり語る映画。島の時間で撮った映画ってことかなあ。
もちろん、今泉監督にしか出せないほのぼの感は満喫できるし、光溢れる絵は相変わらず爽やかだし、文句があるわけじゃない。でもなんだろう。クセがないっていうのかなあ、なんだか物足りなかった。
もしかすると、「原作の空気を見事に再現した映画」なのに、原作を読んでない俺だけがわかってないのかもしれない。原作読んでこよっと。
大関さんと町田くんのくだりで、恋愛感をみせてくれている。伝えるタイプとそうでないタイプ。伝えられた側は、どう受け取るかが千差万別。町田くんのように告白されたのに好きでなかった場合に「ああ、めんどくさい」と人と人の関係を重荷に感じる人もいる。相手の気持ちや明日からどう対応すべきかを考え過ぎるってのは、基本、いいやつなんだと思うけどね。
「そうか、返事してないな(というか、その時には返事するチャンスすら与えられなかったけどな)」、と気づき、返事をしに行く。何かを直接言うではなく、町田くんにそう考える機会を与えた主人公二人。大袈裟な動きがあるわけではないけれど、少しだけ変わっていく感じ。今泉監督の本領だ。それだけで変わる世界もあるよ。いや、ではなく、お互いの心は少しスッキリするよ。という町田くんも味わったであろう開放感は、俺にも十分伝わってきた。
今泉監督、情熱大陸での様子からすると、告白する大関さんタイプだよね。(ちなみに俺、もろ町田くんタイプ)
今回の話って、主人公二人とも大関さんタイプじゃなかったよね。監督と違ったタイプの主人公二人だったから、必要以上に間延びした感じになっちゃったのかな。それとも、これもデフォルメの一つとして楽しむべきだったのに、俺が歳をとってせっかちになってるだけかな。
ありえなそうな恋愛関係を描いて見せて違和感を持たせない、という今泉監督の "腕" としては、今回も10年間を跨いだ主人公二人を見事に描ききったとは言えますね。その点は、もう、さすが、今泉監督! これからもたくさん映画撮ってください!!
おまけ1
町田くん、「カラオケ行こ!」だったんだ、気がつかなかったよ!
おまけ2
みんなのレビューを楽しく読んでいたら、「主人公二人の関係は原作の香りに忠実に。一方、監督の工夫や思いは、大関さんと町田くんの関係に込めてみた」のかな、と思えて来ました。
おまけ3
「へなちょこパンチだからいくら打っても相手には効かないの。自分の手も痛くないの」 は、監督が描きたかった主人公たちの関係 の中心ですよね。
2024/6/7 追記
ドラマ版、見ています。
声をかけられると「うわ」とびっくりする西片。
ロッカーから出てくる高木さん。箒のシーンは、第二ボタンのシーンの相似だったんだね。
ドラマ観てから映画だったら、そのシーン、楽しかっただろうな。ドラマ版つまり中学生時代は6巻が最新巻だった「100片」が10巻くらい揃ってたのも、より印象的だっただろうし。同じ海、同じ浜、同じ桟橋の上、(さらに10年前と同じスマホ!)で聞く、かっての新たな主題歌。
神社の境内は大切な場所だったんだね。
そして初詣。「来年こそ、おみくじ勝つから」「来年も初詣、一緒に来れたらいいね」 この会話、その後を知ってると深いね。
そうか、浜口くんと北条さんはちゃんとこの頃から。そしてこっちが、中井くんと真野さんか。たしかに真野さん面白いね。
歌う時に鏡を見るのは、口角を上げて歌うための先生の指導だったのか。
そしてからかわれた分だけムキムキ腕力になってる西片。ちゃんと成績も体育が伸びてるんだね。
「島に帰って来たら、また会おう」という女子たちのセリフ。
「自転車は家に置いてきた」これも相似だったんだね。
そして、…高台。415段の階段。
うわ。当たり前だけど、もう、次から次へと。映画。もう一度、あらためて観に行こうかな。
このドラマの帰結としての映画なんだね。いや、堪能しました。西片の気づかさなぶりも、ここから観たら、それ自体が大切なことだったんだね。
泣かないでよ。笑っててよ。西片には元気でいてほしい。
ドラマがあること、教えてくれただるまんさん、ありがとうございます!! ドラマ版、入りは映画同様、なんだか入り込みにくい感じだったけれど、さすが今泉監督。クセになる味わいは、2日で一気に観ちゃいました。また寝不足だ。
う〜ん。純愛、というか若き恋、淡い想い。
ドラマ版とあわせたら、最高の5点だけど、映画単独で観た印象は残しておきたいから、スコアは変えませんでした。「ドラマ版のあたしが良かったってことかな?」って、高木さんにからかわれちゃうかな?(笑)
おはようございます。
ご心配かけてすみません。
元のレビューは残っているのですが、
アカウントが2つみたいになったようです。
お問合せフォームにコメントしても何故か送信されません。
今の世の中はスマホに対応しているのかも知れません。
時代遅れなので、スマホも勉強しなくてはですね。
ほっこりする映画でとても好きです。
再フォローありがとうございます。
いつもお世話になっております。コメント失礼します。
本当ですね。町田君は『カラオケ行こ!』の齋藤潤ですよね。
レビュー拝読するまで気が付きませんでした。意外な発見ですよね。
コメントありがとうございます!
え!え!え!町田君「カラオケ行こ!」だったのですか!!!
パンフにも書いてあったけど全く気付きませんでした。確かに全く違ったタイプの役でしたね。教えていただいてありがとうございます。
永野芽郁さんの印象が強かったのも、その魅力を最大限に描いた今泉監督の "腕"なのでしょうね。
ちなみに、特ヲタの当方としては「仮面ライダーゼロワン」主役の高橋君の変わりぶりに驚きました!こちらも全く違うタイプでしたから。(若くして大企業の社長で芸人志望で仮面ライダーという笑)
ドラマはもっと単調かもしれません。延々と中学生の日時が描かれています。大人目線はほぼ無し。ドラマは8話、約2時間半です。一気に見るには辛い。出来れば1晩1話、寝る前に観てとちょうどいい。
月島瑠衣さん(モデルらしい16才)と、黒川想矢さん(14才是枝映画の怪物)の2人がとにかく可愛らしい。この愛すべき2人がある意味そのまま大人に。
このただの日常の話を、人間ドラマの映画にする今泉監督はすごいし、ドラマと映画をセットにすると、日常の淡々とした生活と、刺さる言葉が今泉監督っぽいかと。
まったく的外れなこと言いますが、今、テレビドラマでアンメットって放映されてますが、今泉力哉監督の作品に出てきそうな若葉竜也さん、岡山天音さん、山谷花純さんとかがそちらに取られてしまい、映画のほうでは、爽やかな役者に合わせての脚本でまあいいか、となってしまったとか⁈
CBさん、共感&コメントありがとうございます。
未読なので原作の雰囲気はわかりませんが、アニメと同様の雰囲気は感じることができました。でも、それを20代半ばの大人の実写で見せられると、それはそれでちょっとメルヘンだなとも感じました。むしろ大関と町田のほうが現実的で大人だなと感じます。でも、作品としては、その対比がよかったようにも思います。