劇場公開日 2024年5月31日

「誰かを好きになるってすばらしい!」映画 からかい上手の高木さん おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0誰かを好きになるってすばらしい!

2024年6月2日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

萌える

原作未読ながらテレビアニメでファンになった「からかい上手の高木さん」の実写劇場版。本作に先駆けて放映された中学編のドラマ版もばっちり視聴して、公開2日目に鑑賞してきました。先に観た「マッドマックス フュリオサ」を凌ぐ客入りで、しかも性別も年齢層もさまざまで、改めてファン層の広さを感じます。

ストーリーは、島の母校の中学校で体育を担当する、若手教師・西片のもとへ、中学時代に隣の席で自分をいつもからかい続け、親の仕事の都合で転校して行った女の子・高木さんが、教育実習生として現れ、10年ぶりに再会した二人の甘酸っぱくも焦れったい恋の行方を描くというもの。

アニメ版同様に小豆島を舞台に描かれる、のどかな雰囲気がとてもいいです。時代設定は現代ですが、全編にわたって醸し出されるノスタルジックな空気は、西片と高木さんの関係性そのもののようで、なんだかほっとします。二人の縮まりそうで縮まらない距離感にキュンと焦れったさを感じつつ、そこに自分の思い出を重ねながら幸せな気持ちに浸れます。日頃の仕事や人間関係で心にたまった疲れや汚れを、きれいに洗い流してくれるような癒しのひとときを味わえます。

離れている10年間、まるで時が止まったかのように変化のなかった二人の関係。それが突然の再会により、再び動き出します。心が一気に10年前に戻ったような二人の姿が、ちょっと子どもっぽくはあるのですが、その初々しさにキュンとします。そんな相変わらず一歩が踏み出せない二人が、西片が担任するクラスの大関と町田の姿を通して、思いを伝えることや相手を思いやることの大切さに気づきます。“教師は子どもから教えられる”と言いますが、まさにそんな感じです。西片と高木さんが、二人の思い出の場所で、教師という立場で中学生を見て、中学生だった当時を思い出し、目の前の生徒から教えられて、自分の気持ちを確かめながら相手に歩み寄っていくという構図がとてもいいです。

終盤、放課後の教室で自分の気持ちを確かめながら、一言一言噛み締めるように思いを伝える二人の姿に、なぜだか涙が出てきます。自分の心に正直で、それでいて相手への気遣いも忘れず、離れていても心は寄り添っていた二人から、忘れかけていた大切なものを思い出させてもらったような気がします。

ラストは、テレビドラマのシーンと重ねながら、二人の思い出を振り返り、あたたかな気持ちになります。ドラマ版で西片と高木さんを演じた二人もよかったですが、本作の大関と町田を演じた二人もよかったです。白鳥玉季さんは言わずもがなですが、齋藤潤くんの自然な演技もとてもよかったです。あと、なんといっても小豆島!ずいぶん前に一度訪れたことがありますが、改めて聖地巡礼したくなりました。

主演は永野芽郁さんと高橋文哉くんで、二人の醸す雰囲気がとてもよかったです。特に高橋文哉くんは、ドラマ版西片の黒川想矢くんに寄せた演技で、違和感がなかったです。一方、永野芽郁さんは、ドラマ版の月島琉衣さんとは雰囲気が異なりますが、彼女の持ち味が生かされていて悪くなかったです。脇を固めるのは、江口洋介さん、白鳥玉季さん、齋藤潤くん、志田彩良さん、前田旺志郎くん、平祐奈さんら。

おじゃる
CBさんのコメント
2024年6月5日

主人公二人の関係は原作の香りに忠実に。一方、監督の工夫や思いは、大関さんと町田くんの関係に込められたのかな、と思えて来ました。

CB
ノブ様さんのコメント
2024年6月2日

新宿は金曜終日イマイチ入りが悪くて、お陰様で観るには最高でしたが、ファンとしては悲しく😭
客入りが良かったみたいで、嬉しい‼️

のどかな雰囲気
この作品にピッタリです。

ノブ様