「期待外れ」もしも徳川家康が総理大臣になったら 田中さんの映画レビュー(感想・評価)
期待外れ
詳しいわけではないのですが、高校の時は特に大学受験に備えて日本史の勉強を頑張っていたこともあり、この映画は観たいと思っていました。
実際、設定やちょくちょく挟まれる小ネタ(パロディ)は面白かったです。と言っても普通に義務教育で日本史を勉強してる人なら大体はわかるもので、時事ネタ等も多く、その辺は観てる人のほとんどが理解して楽しめると思います。面白いと思うかどうかはともかく。
新撰組や石田三成や緒方洪庵まで居るんかいとは思いました。
一番のツッコミどころは家康に密かにプログラミングされた暗号ですね。スペードのキングは主人公の世界史の知識も活かせるし良いアイデアだと思ったんですが、「バク」だから「バグ」ってどうなん…。ていうか、まさか妖怪のバクだとは思いませんでした。アリクイにしか見えなかった。バクって元は中国発祥、仏教伝来とともに日本に伝わってるものだからああいうタロットカード風なのもしっくり来ない。バグを表現したいなら、私なら虫にするかな。あと、顕現したばかりにも関わらず現代社会にめちゃくちゃ適応してた家康が、10ヶ月も経ってバグも分からないというのはどうなんだろう。
大衆の意見に流される国民、それを戒める坂本龍馬と徳川家康、という図の表現があまりにも直接的すぎて、こちらも安直な印象を受けました。多分、この映画が伝えたいメッセージは最後の家康の演説で事足りるので、わざわざ映画にしないでツイートとかで良かったと思います。国民の多くに選挙権があるのに投票率が少ない!というのはご最もだけど、若者は政治に興味が無いんじゃなくて、あなたのように真剣に国政に取り組もうとする政治家が居なさすぎるんだよ。国会で居眠りしてる議員を目の当たりにしてるのにそこまで思い至らないんだ。って感じです。
劇場を出る時に居眠りしてる人を見かけて驚きましたが、まあこのつまらなさじゃ寝ちゃってもおかしくないか。と思いました(これは国会じゃないからね)。主題歌が新しい学校のリーダーズっていうのも微妙なチョイスすぎて、エンドロールで退出する人もいました。
大河ドラマのパロディは「光る君へ」だけかと思ってましたが、多分「どうする家康」もそうですよね。そういうくだらない小ネタは大好物なので私は面白かったです。ただ全体的な総括としては思ったよりつまらなかったです。