「ギャグのテンポがいい」もしも徳川家康が総理大臣になったら バーネットさんの映画レビュー(感想・評価)
ギャグのテンポがいい
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コメディとして秀逸だ。ひろゆきっぽい人があーだーこーだ言うシーン、ガクト扮する織田信長が三密をするシーンは吹き出してしまった。
個人的にはロックテイストの君が代が流れて、天照大神が出るところで大爆笑。こういうパロディ、風刺はキレているし、序盤はギャグのテンポも良い。
ストーリーは偉人内閣に懐疑的だった日本国民が、やがて改革に熱狂して未曾有の内閣支持率を叩きだし、それを豊臣秀吉が乗っ取ろうとする。
この辺りも風刺が効いてる。波や空気さえできてしまえば、バスに乗り遅れるなとばかりに危険な権力でさえ、深く考えずに消費する現代の浅薄さに警鐘を鳴らしている。
最後は徳川家康の大演説で終わるのだが、ここにもっと皮肉が効いてもよかったのではないか。「まあ、いいことは言ってるんじゃないの」とは思うものの、メッセージがあまりにもストレートかつありきたりで平板なもので盛り上がりにかける。コメディなので綺麗な着地を目指した方が丸く収まるという判断なのかもしれないが、小池百合子や天照大神をギャグにするくらいだから、もっと皮肉めいた後味の悪いオチでも、それなりの納得感は得られたのではないかと感じる。
コメディ映画にアイロニーのクオリティを求めるなと言われたらそれまでだが、コメディなんだから、もっとオチは馬鹿馬鹿しくても良いとは個人的には思う。
前半の飽きさせない展開はとても楽しめる。
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