ディア・ファミリーのレビュー・感想・評価
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感動
ここ最近見た映画の中で1番と言ってもいいくらい感動した。
最近の映画にありがちな、作り手の意図が見え見えなお涙頂戴のシーンはほとんどなく、ノンフィクションならではのリアルな感動を覚えた。
また、俳優さんの演技も素晴らしく、大泉洋さんはもちろんのこと、管野美穂さんや三姉妹の演技は常に家族に対する愛情や信頼を感じさせた。
特に、大泉洋さん演じる父が行き詰まったり、諦めそうになった時に、妻や娘が「次はどーするの」と声をかけるシーンが何度か登場したが、この言葉がなければ父は研究を成功させることはできなかったと思う。
医療界の現実を突きつけられたり、娘の命を助ける研究を続けるか、その他大勢の難病を患う患者の命を救う研究にシフトするかという決断をしなければならなかったり、そんな時に背中を押してくれたのは他の誰でもなく家族だったと思う。
家族への愛と温もりを描いた傑作。
世界に誇れる日本映画の傑作
挑戦した証
この映画は、実話ということで観る前からとても楽しみにしてました。
娘の病気を治すために、父親が自分の経験を活かしながら未経験の分野に挑戦していく物語です。実話ということもあり、決してハッピーエンドではなかったですし、フィクションであればうまくいくところもなかなか上手く進まなかったりしました。
ですが、結末も含めて私はこの映画がとてもよかったです。
タイトルにもあるように、諦めるということは決して悪いことでなく、挑戦した証だと思いました。
もちろん思っただけ、考えただけで諦めてしまう場合もありますが、そういうことも決して無駄ではないと思います。
何かに挑戦したいと思った時がスタートラインだと思います。ゴールまで行ける場合もあれば途中で諦めてしまう場合もあるかと思います。
ですが、そういう小さな積み重ねが大きな成功や当初の目標とは違った形でも叶えられるのではないかと感じさせてくれる映画でした。
涙腺崩壊?
事実に勝る作品は無い
医療の映画ではコードブルーしか観たことがない自分ですが、登場人物に心疾患があることと実話という前情報をがあったので観ました。今回の映画は人工心臓がつくれずバルーンカテーテル手術というものの誕生秘話ということでした。自分は専門学校で医療の知識を学んだ際、先天性心疾患の治療でバルーンカテーテル手術があることを知り興味を持ちました。大病院に就職して入院のカルテを見ると、小児科や循環器内科ではバルーン手術が常識的に施行されていました。理由は映画でも明かされている通り身体への事故がなく傷つけることもないからです。それを知っていることもあり映画に釘付けになりました。現状、人工心臓は無くIPS細胞での作製が進められています。
映画内では大泉洋さんや菅野美穂さん等の名演技が凄すぎて内容も込みでずっと泣いていました。
最初のシーンで20代の女性が搬送されてきて心電図モニターが0から40になり心臓停止から復活したシーンがあったのですが、おそらくは心筋梗塞か狭心症のためバルーンを使っての処置を施したのだろうと推察しています。
教授に抵抗した医師のたまごがいましたが、「医者は人を救うのが仕事。自分の立場ばかり~」なセリフが琴線に触れました。60人分の治験データを出し厚労省からも認可を得ていた。あの執念が凄かった。
セリフの一つ一つが心に響きました。
感情労働の父から学んだこと
一人のためから多くの人達のためへ
不屈の精神で人工心臓とバルーンカテーテルの開発に挑んだ一家の物語。
諦めない姿勢を主題にした作品で、逆境の悲劇よりもそこから立ち直り奮起する過程を重点的に描いている。だからこそ隠した本音や弱気が垣間見えるシーンが胸に刺さり、前を向いた時の力強さが心を揺さぶる。ポジティブで熱い作品だった。
一つ、人工心臓のプロジェクトが傾く場面が気になった。
本編では米のチームが開発した人工心臓の臨床試験のニュースが大きな転機の一つとなる。年代からして「ジャービック7」の臨床試験のことだろう。試験の経過と世間の反響を見て、宣政が参加している研究チームの教授や部長が及び腰になる様子は、保身優先の悪役ムーブとして描かれていた。
だが自分は宣政と同じようには憤れず、一縷の望みをかけて臨床試験を受け入れた患者が過ごした惨憺たる120日(劇中では170日)の実態や、1960年代に日本で行われた心臓移植手術がその後の移植医療にもたらしたものを思うと、『人工心臓』ではなく『佳美の心臓』を作ることに躍起になっていた当時の宣政が、人命を用いて試験をする重みや責任を冷静に認識できていたのか不安になった。
その後の流れも含め、政治や慣習がイノベーションの障害、という展開は主人公への逆境としてわかりやすくもあるが、新しいものと古いものの対立として片づけずに、その背景にあったものをもっと掘り下げて欲しかった。
佳美が自分のためではなく困っている人のために諦めないで欲しい、と言ったことは、後にバルーンカテーテルに救われた人々だけでなく、宣政も救ったのだと思う。
絶対にあきらめない男の物語
ディア・ファミリー
神戸市内にある映画館 OSシネマズミント神戸にて鑑賞 2024年7月4日(木)
パンフレット入手
世界で17万人の命を救ったIABP(大動脈内バルーンパンピング)バルーンカテーテル発明の背景にある物語
ストーリー
1973年 愛知高分子化学株式会社の社長・坪井宣政(大泉洋)は、金策に奔走していた。
その理由はたったひとつ。先天性の心臓疾患を持つ次女の佳美(福本莉子)の命を救うためだ。20歳まで生きられないと宣告された佳美だったが、宣政は全く諦めない。そんな宣政を妻の陽子(菅野美穂)、長女の奈美(川栄李奈)、三女の寿美(新井美羽)も一丸となってサポートする。
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だが全ての医師に手術を断られ、さすがの宣政も心が折れかけたとき、陽子の助言で"人工心臓"の可能性に思い至る。早速、東京都市医科大学の石黒教授(光石研)に面会するが、日本では人工心臓はまだ研究段階と知る。今度こそ絶望したかに見言えた宣政だったが「人工心臓は俺が作る」と宣言。この日から宣政の長い闘いの日々は始まる。
石黒を強引に説き伏せ、日本心臓研究所に出入りするようになる宣政と陽子。時に東大の講義にも、堂々と紛れ込み、無礼を恥じることがなくがむしゃらに質問をぶつけ続ける宣政の姿に、若き研究医たちも心を動かされ始める。だが宣政たちを一人、冷めた目で見つめる研究医・富岡進(松村北斗)がいた。
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会社の事業もそこそこに、私財を投げうち昼夜問わず研究を進める宣政。そしてついに、人工心臓ポンプの試作品第1号が完成するが、実験に必要な人工弁、人工血管などはさらに膨大な費用がかかることを知らされるのだった。
佳美が15歳の春を迎えた1984年。宣政は「愛知メディカルプロダクツ」という新会社を設立し、相変わらず人工心臓製作に没頭していた。今では専門知識も豊富だ。陽子、奈美、寿美のサポート体制も変わらない。だがアメリカで人工心臓を移植された患者が僅か170日間で死亡したことをきっかけに、長年宣政と協力体制にあった石黒の態度が豹変。追い詰められた宣政に、佳美の容態が悪化したという連絡が入る。動揺する宣政の前に、東京から名古屋までの自動車運転を買って出たのは、久しぶりに会う富岡だった。富岡は現在は、バルーンカテーテルの研究をしているとに話す。
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かかりつけの医師から、佳美の心臓が限界寸前だと知らされる坪井一家。悔しさで号泣する宣政に穏やかな表情の佳美は告げる
「これからは、その知識を、苦しんでる人のために使って。私の命はもう大丈夫だから」
その言葉をきっかけに、宣政は家族が止めることも聞かず、何かに憑かれたように今度はバルーンカテーテルの研究にのめり込んでいく。日本人の体形に合うバルーンカテーテルを作り、多くの命を救う。それは宣政と佳美のあらたな夢となり、家族の夢となっていった。
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日本人の体形に合う安全なバルーンカテーテルの製造に成功するが、手術で使ってくれる医師がいないことに宣政は直面する。
富岡が現れ「自分の医師免許証かけて」バルーンカテーテルを手術で使うことになった。彼の成功実績が公開されると、注文が合い次ぐのだった。
月川翔 監督
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感想
家族愛と絆の物語 圧巻の感動に感謝です。
ただ子供を抱きしめるだけ
仕事が遅くなり、帰宅すると、子供の寝かしつけを邪魔してしまう中途半端な時間だったので、レイトショーで観てきました。
実話との事で、驚くような展開はないが、実際のビジネスや現実に沿っていて、そうだよなあ、と思う事もしばしば。
親が自分の子供の寿命を聞かされた時の絶望感は計り知れない。徐々に迫ってくるタイムリミット。突然命を奪われる事の理不尽さ。生きる可能性を探し続け、努力し続けた。それでも現実は厳しかった。
娘が頑張っている親に向けて伝えた、「わたしの命はもう大丈夫だから」。それを言う子供の気持ち、それを聞く親の気持ち。何も言えない。涙がこぼれ落ちる、落ち続ける。
時間が経ち、誰かを助けられた事実。大泉洋が、自分の開発した製品で命を助けた記者に伝えた、「ありがとう」は娘との約束を守れた事に、これまでの自分のした事に、本当に心からそう思っているのだろう。
映画を観終わって帰宅後、寝ている我が子を抱き締めて、そこにいてくれる事に感謝しながら、床に就きました。
不屈の家族。
お父さん、お母さん、お姉ちゃん、本人、妹ちゃんは??だけど皆不屈。
不当な扱い、昔からの慣習、障害にくじけてしまいそうな瞬間に誰かが突破口を開く
お父さんが凹んだらお母さん、お父さんもお母さんも凹んだらお姉ちゃん
本人もお父さんの背中を押して
賢く立ち回る頭脳とある程度のお金の確保目処があったからやれたこととはいえ、ポジティブマインドに感服した。
後半はほぼ泣いていた。
いつまでもどこまでもくじけず腐らず、成し遂げたことによって今沢山の人が救われている 本当にスゴいこと。
今回洋さんにお笑い要素は全く無かったけれどこうゆうくじけない系の役がピッタリ。
何より素晴らしかったのはやはり福本さん。
子役も可愛いんだよなぁ、福本さんソックリ。
普段あまりみないジャンルだったけれどみてよかった。面白かった。
ちょいちょい映し出された1970〜1980年代の昭和の風景が素晴らしい
家族っていいな!って心から思いました。
もう、出だしから泣いちゃいました。
小さな女の子が先天的な心臓疾患で余命10年て。
人生は、自分にも他の皆にも、80年くらいあると思っています。
けれど、病気や事故、災害や戦争で死が早く来ることはあります。
先天的な心臓疾患を抱える彼女の場合は、与えられた寿命が80年ではなく20年だったということなんだろうか。
100年前なら、10年だったかもしれない。
けれど、坪井さんご夫妻は、次女の寿命をどうやったら延ばせるかを真剣に考えます。
次女のために、坪井さん本人が先頭に立って人工心臓の開発に取り組みます。
医学に全く接点のない坪井さんが、医学を学ぶって、ホント大変なことです(社会福祉士資格取得のために医学分野に足の小指を突っ込んだことがあります、全然頭に入ってこなくて、苦労しました)。
費やしたお金は道半ばですでに8億、完成までの試算でさらに10億以上かかります。
庶民にとっては、天文学的な数字です。
また、坪井家の長女と三女も、お金と関心と愛情を独り占めする次女に優しすぎます。
長女も、三女も、もらえるべき親からの愛情などを独り占めする次女に妬みとか感じないの?天使か?と目を疑いました。
様々な出来事が起こるのが人生です。
そんな時、家族って、親子って、きょうだいって、夫婦って、ホントに頼りになるありがたい存在だと心底感じました。
そして、熱い想いは、坪井さんの周りの人たちにもどんどん広がっていきます。
ラストも、すごくよかったです。
なんだかんだと、私、大泉洋さん出演の作品を観たのが初めてでした。
最近、福山雅治さんとの対談や、ディア・ファミリーの舞台挨拶を観て思ったのですが、周囲にとても気を遣う方なんですねー、意外でした。
ちょっとノリがうっとおしいと思い込んでいたんです、イメージで。
これからは、大泉さんを食わず嫌いせず、観ていきます(*^^*)
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