劇場公開日 2024年6月14日

「全てを前進するエネルギーに」ディア・ファミリー TSさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0全てを前進するエネルギーに

2024年6月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

劇場で予告編を見る度に「泣かせようとしている映画」感が強くて(こういう宣伝は苦手)、どうしようか迷ったが結局観に行った。

鑑賞してみると、そこまでベタなお涙頂戴物語ではなかった。
まず、映画の主人公のモデル、筒井宣政氏の生き様は本当に凄い。
この作品が高評価になっているのは、映画の元になった実話の持つ力が一番だと思うが、それを映像作品として届けてくれた俳優陣の力も非常に大きいと思う。

主人公坪井宣政を演じた大泉洋。水どう時代からかれこれ30年近く見てきたが、すっかり俳優になっちゃって。
妻・陽子役の菅野美穂。歳を重ねてもかわいく、力強い。
長女役の川栄李奈。おバカキャラだったのも演技だったのか?というくらい演技上手くなってますね。
観ながら、それぞれの俳優達の昔を懐かしんでしまった。
佳美役の福本莉子は、これからどんな風に成長していくのか楽しみ。

観ていて思ったのは、宣政という人は、娘が不治の病で余命宣告されたという悲劇も、医学界の壁(非協力的な教授)も、資金難も、ありとあらゆる逆境を反転して前進するエネルギーに変える人だということ。いや、彼自身だけでなく、それを支える家族がそうさせているのかもしれない。このような逆境がなければ、彼の偉業はなかったのではないか。

平日遅い時間帯の鑑賞だったが、老若男女、館内あちこちから静かに涙を流す声、音が聞こえてきた。私は淡々と観ていたが、夜、佳美が宣政に話しかける場面でついに堪えきれなくなった。この夜の娘の言葉が、宣政に最大の前進エネルギーとなったに違いない。

家族の絆、前向きに生きること。そうしたことの大切さを静かに伝えてくれる作品。

(2024年映画館鑑賞17作目)

TS
みかずきさんのコメント
2024年6月23日

共感ありがとうございます

みかずき
みかずきさんのコメント
2024年6月23日

みかずきです

確かに、主人公は逆境は強かったです。
妻のアシストが見事でした。妻の次はどうする?という巧みな主人公への囁きが、主人公に逆境に立ち止まらず次へ進む力を与えてくれたと思います。夫の背中を上手に押していました。夫婦二人三脚で逆境を乗り越えたんだなと感じました。
良い夫婦関係でした。

では、また共感作で。

ー以上ー

みかずき