劇場公開日 2024年6月14日

「ザ・パワー・オブ・ラブ!」ディア・ファミリー Moiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ザ・パワー・オブ・ラブ!

2024年6月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

萌える

感想

諦めない気持ちと何かの役に立つ事を信じて進んで
いく気持ち。

人生、生きていれば何が起きるかわからない。名古屋で町工場を営むある男の家族の一人の娘に在った、先天性心臓疾患。現代の医療技術では人工心臓を創る他は治癒の手立てが無いなか、技術屋気質の父親である男は知識、情報不足ではあるが、娘可愛や。子の命を救いたい一心に奮闘し、驚異の粘りを魅せて医療に携わる者の人心を掴み、動かし、人工心臓を創り出そうする。しかし10年という時が経過してもその努力が報われる事無く、人工心臓の開発は様々な医療的、社会的事情により中止に追い込まれる。

家族とその娘は何も手を施さなければ20歳までに寿命が尽きる事を無念無情の想いではあるが冷静に受け止めていく。

父親である男は自暴自棄となり、今まで時間と労力と財力の限りを尽くし切ってやり遂げて獲得したノウハウを一旦は全て破棄しようとするが、同じ心臓疾患を患う人々の為に何か役に立つ事ができないかを模索し始める。

それは己れの身を犠牲にしてまでも進める医療技術の開発向上が無念の死を遂げる事になった娘の為になるという揺るぎ無き愛娘への愛情と医療機器開発への信念と自信であった。

結果として男の人生を賭して愛娘の為に関わり続けた人工心臓の素材研究が功を奏し、最終的にIABP(大動脈内バルーンパンピング)バルーンカテーテル開発に繋がり、多くの心臓疾患の患者の生命を救う事になった。

脚本・演出・俳優 ◎
私は鑑賞前に作品解説は一切見ない主義である。映画そのものを観た上での感想をモットーとしている。この映画は表面上、観る前はよくある親子のお涙頂戴物かという印象であったが、それはとんでもない誤りである事に本作鑑賞直前に気付く事になった。そうであろう、キミスイの月川監督に糸の林民夫氏が脚本なのだから。うーむ。やってくれたという感じ。原作は失礼ながら知り得ず。すみません。スタッフの名前位事前に確認しろよ。という話。

この話は実話をもとに作られているという。実話ならではの人工心臓に対する医療技術のままならない現状と心臓疾患医療器具開発のプロセス等を中心とする膨大な情報を元にした骨太のストーリー展開、父親をはじめとする家族の娘を思い遣る気持が心に突き刺さるように伝わり、悲しみと感動の涙が自然と出てきてしまった。演出・脚本共に掴みどころがよく判っている出来栄え。◎

こんなにも感動した理由は何であるかと、考えてみると、それはどんなに逆境の中であっても、アウェーで過酷な状況下であっても、その時に出来る最善且つ最高の判断と努力をし続けた父親の、人として観ても素晴らしい!前向きでひたむきな心であり、親として、人としての愛情が感じられるその性格である。なかなか出来ることでは無い事を果たした事が賞賛に値する。

「次はどうする?」という台詞が前向きで心に残り、全力で解決してやる!というような、本当に生きる上での力を与えられた。

主演の大泉洋さん。というより洋ちゃん。白眉の演技。21世紀の森繁と呼ばれる日も近いかも。洋ちゃん素晴らしい。大物俳優と言われてもいつまでも、いつもの洋ちゃんのままでいてください。◎

光石さん。渋い演技で物語が引き立ちます。◎

菅野さんも最近は本当にお母さん役が落ち着いて見える。素晴らしい女優さんです。◎

他、というは失礼なほどの豪華共演陣。戸田、有村、徳永、川栄、福本、新井、各女優陣の皆さん演技巧者で素晴らしい。

満島、松村、上杉他各男優陣も安定の演技。中でも上杉さんに注目しています。あと、すみませんお名前わからず。よく見る役者さん。工場の中村役の方が印象的。

⭐️4.5

Moi
Moiさんのコメント
2024年6月25日

川栄さん。着実に力をつけている女優さんですね。

満島きようだいも巧いですよね。

Moi
トミーさんのコメント
2024年6月23日

共感ありがとうございます。
今作では、特に川栄さんと満島くんが印象に残りました。

トミー