劇場公開日 2024年6月14日

「大泉洋でしかできない家族愛の物語とその先を丹念に描く。」ディア・ファミリー entranslopeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大泉洋でしかできない家族愛の物語とその先を丹念に描く。

2024年6月16日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

妻役・娘役・協力者役、好きな俳優が多く出ていて、それだけでも見ようという気にさせる映画だった。
しかしながら、本映画は、主演大泉洋がはまり役。コメディ要素などほぼなく、実話に基づく内容でどこまでのものが描けるのかが興味の対象だったが、非常に良かった。

自分の持てる立場・環境・技量を惜しみなく娘の疾患への解決策(人工心臓)に注ぎ、到達が難しいとわかってからは、娘との約束を胸に、そこで得た知見・蓄積を応用して、同じように苦しんでいる人たちへのツール開発(IABPバルーンカテーテル)に還元し、結果、より多くの人達を救う。

何より、壁にあたっては次はどうする、をひたすら続けるのに、本人の弛まぬ努力と、家族各自の役割分担&全力のサポートがあり、その皆で前進していくさまは家族愛の究極の形を見るようだった。

悲しい場面があっても、単に悲嘆に暮れるのではなく、それを上回るポジティブさが常に感じられたのは、そうした背景に基づくからなのだろう。

entranslope