劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血のレビュー・感想・評価
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アドリブの面白さと矛盾
りんごと闇──鬼灯村伝説に潜む矛盾
ミステリーの核心は、余白にある。しかし、余白は矛盾を孕んではならない。『劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』を観ながら、私はその原則を痛感した。
レイコは幽閉され、やがて死んだ。死因は語られないが、極度の飢えと孤独、そして寒さが想像される。死体は放置され、人間性のなさと一乗寺家の尊厳が天秤にかけられた闇。その闇に、四谷は抗おうとしたのだろう。彼は救いたかった。しかし託す相手は六歳の少年だった。悲劇はその瞬間に決定された。
二宮の目的は最初からレイコだった。シェフとして屋敷に入ったのも、そのためだ。だが、28年という歳月は長すぎる。彼がレイコの死を知らなければ、殺人の動機は成立しない。ここに矛盾がある。最後の洞窟で死体を見て絶望する二宮は、蘇生を信じていた。しかし、その設定は弱い。血を冷蔵庫に入れる演出も、工夫がなかった。二宮の心的変化は、余白では読み取れない。
象徴としての「りんご」は、唯一強い手がかりだった。新しいりんごが意味するもの。それは二宮が最近この場所にたどり着いた証だ。毒リンゴの暗示ではなく、幼いレイコが好きだった果物への手向け。そこに二宮の絶望と狂気が凝縮されている。だが、アドリブ構造がその必然性を曖昧にした。彼がすべき行動は、事実を知った瞬間に復讐を遂げることだったはずだ。
そして、四谷の日記を破ったのはタイゾウだろう。破り方には怒りがあった。彼は秘密を守るため、証拠を即座に処分した。四谷なら、死体を安置し、部屋を整えただろう。りんごだけを置く行為は、彼の性格に合わない。だからこそ、りんごは二宮の手によるものだ。
私はこう思う。中盤に一つの回想を挿入すべきだった。事故の直前、幼いレイコ、二宮、なおこが笑いながら果物を食べるシーン。レイコがりんごを頬張る姿を印象的に。その後、三人は虫取りに出かける。そして、誰かが虫の羽をちぎる。幸福の中に潜む無垢さと残酷さ。幸福の終わりの予兆。この一瞬があれば、洞窟のりんごは観客に詩的な痛みを呼び起こし、二宮の狂気を自然に理解させただろう。
余白は必要だ。しかし、余白は矛盾を生んではならない。矛盾を消すために必要なのは、一文だ。「二宮は、タイゾウの部屋で破り取られた日記を見つけ、レイコの死を悟った」その一文があれば、物語は成立した。余白は想像可能な真実となり、ミステリーは完成する。
全員容疑者
マーダーミステリーなんて知らなかったが中国が本場のミステリーゲームらしい、参加者が物語の登場人物になりきって、会話や情報交換を通じて殺人事件などの謎を解き明かす体験型ゲーム。だから、本作も犯人捜しのミステリーだが役者さんにはキャラクターの設定書が渡され役者さん自身がゲームプレーヤーになってアドリブで他の役者さんと交わって結末へ導くという奇抜な撮り方です、エンドロールでも五階堂猛役の高橋克典さんは「アドリブが苦手でバラエティに出るたび落ち込んで帰るタイプだから、この仕事が来たとき断り続けていた」そうです。でも出演者たちは必死だった半面、役者冥利に尽きて楽しかったと笑っていました。
兎に角、話が進むと探偵の劇団ひとりさん以外は誰が犯人でもおかしくない異様な展開、劇中では劇団ひとりさんも容疑者の一人なので探偵とは名乗りませんでしたね。二人も殺されているのに村までの一本道が土砂崩れになったとかで警察が出てきませんが余りにも不自然、実際には誰も110番していないと思わせるくらい怪しい人物ばかり、真犯人とは別に毒を盛った殺人未遂犯が二人もいたくらいですもんね、だから最後に真犯人が解っても驚きが無かったし、最後の洞窟の奥にいた麗子がいつ、誰に殺されたのか曖昧なのが不満かな。
このアドリブ方式には疑問
リアルな推理劇!アドリブが事件を解決する?
これって元々がテレビドラマなんですか?この番組自体をあまり知らなかったので、全編アドリブって、どういう事?と、意味がよくわからなかった。
事件解決後、エンドロールでの役者さん達の会話で全てが分かりました。こんなんじゃ、収録もかなりかかるんじゃないかなってのが、素直な感想です。
【ネタバレ】
内容は、横溝正史さんの小説みたいなオドロオドロしさを含んだちょっとホラーっぽい感じかな。
ありきたりな事件、展開、解決でストーリー的な面白さはあまり感じませんでした。
ただ、役者さん達の話す一言一言が、アドリブということで、先の見えない展開や、笑うのを必死に堪える様が大変面白かったです。
そこだけかな・・・
テレビドラマで十分って感じ。CMが入ったほうが、区切りがついて楽しめると想いました。
いまいち。
ドラマがあっての劇場版らしいです。
大まかなストーリーはあるがセリフはアドリブという認識をしましたが…うーん。もちろん演技派な方は素晴らしい。
が、がなって誤魔化している?いつもの芸風?を見せられて興味はそうそうになくなり、ながら見に集中してしまうそれだけの映画。
映画×企画バラエティ的な作品で面白かった
# 映画で観た感想・レビュー
しっかり楽しめた。
最後まで「どこからどこまでがアドリブなのか?」と考えさせられながら観ていた。
# この映画は何?
フィクションと「企画もののバラエティ」の中間のような作品。
俳優には台本は渡されておらず、設定だけが知らされているらしい。つまり俳優たちは物語の筋や結末も知らず、アドリブで場を乗り切るのだ。
「トークサバイバー」のノリに違いが、これは映画であり、結末のある物語だというのが違いだ。
# 何がアドリブなのか?
俳優たちはアドリブで話すと言いつつ、観ていると全くそんな感じはしなかった。むしろわりとしっかり脚本が用意されているのでは?というぐらいの感触だった。
アドリブ率は8割なのか、5割なのか、3割なのか、1割なのか。
# もちろん全てがアドリブではない
マーダーミステリーには物語の筋というものがある。なので自分で若くの設定を作り上げることは出来ないのだ。
しかしこれを映画として成立させる仕掛けは、一体何なのだろう。1人の人物が物語を逸脱するだけで、話が成り立たなくなるはずだ。
よく構成されていると思った。
むしろ俳優たちの行動いかんによって、後付けでつじつまが合うように、物語をつなぎ合わせる仕掛けなのだろうかとか考えながら観ていた。
#劇団ひとり
光っていた。時にむかつかせられた。
物語中で自由に動ける立ち位置であることもあって、アドリブの効かせ方がすごい。
お笑い芸人だけあって、ちょいちょい笑いも挟んでくる。よく他の人たちは笑わずに我慢しているなと思った。
ちなみにこれはバラエティではないので観客の笑い声は入らないのだ。だけど何度か笑わさせられた。
# キャバ嬢
綺麗系。ポスト天海祐希かと思わせる雰囲気だった。
# 一流大学を出た人
自己紹介で「一流大学を出ました」って自分で言ってて草。
# 看護師
「問い詰められてとっさに嘘をつく」ことをひたすらに繰り返しているように見える。
まさにこの映画の狙い度取り「アドリブなの?真実なの?」と観客を迷わせてくれた。良かった。
# メイドとにかく顔が可愛い。
高橋克也初老に近い年齢の役だろうか。その年齢でもダンディさが光っていた。
# テレビ版は?
気になって少し観てみたけど、ずっとバラエティ寄りで映画とはかなりテイストは違うみたいだ。
マダミス経験者なら面白い!
劇団ひとりはイマイチ
3人の血を滴らせると死者が蘇生する、という伝承が残る鬼灯村で、三つ首祭りが行われた夜、一乗寺家の当主が殺された。たまたま、その日、村へつながる一本道で土砂崩れが発生したため、警察の到着までにはかなりの時間がかかる事がわかった。事件発生当時屋敷にいた8人は、それぞれ秘密を抱えており、全員に殺害の動機があった、犯人は誰だ、という話。
俳優陣にキャラクター設定と行動指示のみが与えられ、セリフはほぼアドリブでストーリーが展開するというマーダーミステリーでの試み。
テレビ版を観てなくて、本作を鑑賞したのだが、ストーリーは問題なかった。
評価が低いのでつまらないのかと期待せず観たが、それほど悪くはなかった。とっても良かった、というほどじゃないけど。
マーダーミステリーという作品を初めて鑑賞したが、ヘタな俳優かどうかがわかりやすかった。
今回の俳優の中では、劇団ひとりがどうも浮いてる感じがした。アドリブヘタなのかも。
文音、北原里英、松村沙友理、の女優陣は良かったし、誰が犯人だろうと興味を持って観れた。
231 奥様曰くあんたのおススメは今後絶対観ない
まあ、演出側にとってはなんか意味あるんでしょうが、
アドリブのためセリフの間が悪過ぎる。
こっちは何らかの化学反応を観たかったが
すべて肝心なところで爆発せず。
公開直後から1日1本上映なので悪い予感しかしなかったが。
20点
イオンシネマ草津 20240224
マダミスを知らないと面白くないのかも
ジャズ映画?
ドラマ版のつくりのままでよかったのでは。
斑目瑞男シリーズは過去にテレビドラマ版が2回作成されており、劇団ひとりさんが好きな私は、当時U-NEXTで配信されていた第2弾(劇場版が発表される前に配信は終了済み)を見つけて視聴、感想としては結構面白かった。
それから1,2か月後、劇場版が公開されるとのニュースを見て密かに楽しみにしていた。が
劇場版の感想としては、物足りないがゆえに面白くなかった。。
物足りないと感じたのは、そもそもドラマ第2弾は問題編と解決編の2編をそれぞれ約90分程の構成で作成されているのに対し、劇場版は100分程で作成されていることが根本の原因である。しかし、短く納めるためにマーダーミステリー的要素を減らした結果、即興劇感が強くなってしまったことが物足りなさに拍車をかけたように思う。
実際、マーダーミステリーは即興劇の要素はあるがそれがアクセントになるくらいが丁度良く、考察していくような場面が今回は少なかった。今作は発見した証拠品を見せてリアクションをとる展開の繰り返し。
今作を見てマーダーミステリーやってみたい思う人はいるとは思えないし、劇場版公開前にドラマ版をテレビなり大手のサブスクで配信するくらいのことはやっておくべきだったのでは?初週とは思えない入りでしたよ。
個人的にマーダーミステリーは物語終了後の感想戦が好きだったりするので、それが1,2分くらいで終わるのも残念でした。あの解放された後のゴチャゴチャした感じが好きなんですよね。もし感想戦とか舞台裏をまとめたものがいつか配信されたらいつか見てみたいかもしれませんね。。
期待しない通りの…
犯人誰よ?は最初から決まっていたんでしたっけ?もちろん、決めているパターンに決めていないパターンもあるから観ていてどっちでも良かったけど、芝居がもう少し本気出してアドリブして欲しかった。
撮られている俳優の後ろでどちらかというと笑ってないかな?って俳優が映っていたり、分かっていても劇団ひとりさんの誇張したセリフ回しなど、劇場版なんだからいつもよりしっかりした作りをして良かったんじゃないんかと思った。
八人の名前の一から八は何だったんだろう。そしてわざと偽名を出して来た劇団ひとりの探偵は一番始めに自己紹介して名前に数字入れているのはわからない?最後に自己紹介になって一から七までいるから俺は偽名で八を入れようならお前数字合わせする為に偽名かよと突っ込み入れたかったけど、理由あったのかな?分からなかった。
想像を絶する酷さ、演者は納得してるのか
誘い笑。
「一夜のうちに3人の生贄の血を滴らせると死者が蘇生する」という鬼灯村の話。
三つ首祭りが行われた夜、村の長、一乗家当主タイゾウの遺体が屋敷内で見つかる、屋敷内にいた8人が互いに探り疑い犯人を割り出す…。
ストーリーのベースはあるけど長方形の円卓を囲み8人の探り合いのアドリブ会話劇。
劇団ひとり演じる八村から始まる出演者、鑑賞者への誘い笑い、アドリブ会話といい何か変な顔、何かぎこちない感じの演技、ここがハマらない人にはちょっと観ててキツイ作品なのかも。
私的にはハマったので笑えて楽しめた。
役者さん同士もよく堪えたな、ってか、みんな笑いながらも演じてる感じが観てて飽きなかった。
私的にはストーリーよりも出演者同士の笑かし合いを楽しんだ方が楽しめると思った。
ゴッドタンでやってよw
鑑賞後に調べてみたら、これ関西ローカルのテレビ番組だったと知りまあまあ後悔した。
確かにアドリブの会話劇ってリアリティがあるが、実際に観てみると脚本や演出が十分に練られない分、簡潔さがなく伝わりにくい台詞回し、会話の順序、タイミングなどが気になり、普段何気に観ているドラマは如何に鑑賞者にストレスが溜まらないようにわかりやすくつくられているかがわかる。
作品のコンセプト的にストーリーをどうこう言うのは違うのだろうが、昔から伝わる童謡?の見立て殺人というのなら、最初から死体に番号書いておかないとおかしいし、証拠の見つけ方もあまりにも強引過ぎるので、さすがに面白味が薄れ萎えてしまった。
劇団ひとりの得意とするアドリブだが、役者さん達の瞬発力には頭が下がった。
演劇出身者は八嶋さんくらいだと思うが、他の演者さん達がエチュードの練習などの経験があるとは思えず、その1点については見応えはあったと思う。
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