「委ねられる結末」ソウルメイト U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
委ねられる結末
コレを高度な脚本ととるか、本末転倒ととるか…それによって評価が変わりそうな作品ではあって…まるでラストが2つあるかのような本作だった。
途中までは、なんだかなだらかに進んでいってて、女性の清らかな友情とでも言うのだろうか?男性だと熱い友情とかになるのだけれど、女性だとなんか人肌感があって温かい感じがしてた。
勿論、紆余曲折があって、心が離れそうにもなるのだけれど「ソウルメイト」って題名に相応しい物語だったように思う。
魂が求め合う相手。
そんな事を主演2人の見つめ合う視線に感じてた。
なのだが。
なのだか…後半になって分岐が起こる。
ハウンが死んだ世界とハウンが生きている世界。
どちらか一方の世界は、子供の父親に向かって語られる架空の物語なのである。
どちらの世界観にしても腑に落ちない点が残される。
ハウンが死んだ世界ではミソの絵をミソが引き継ぎ完成する。ハウンが生きてる世界では、おそらくハウンが完成させたのであろう。
ミソがあのタッチを再現するには無理があり…ハウンが未だ旅の途中であるなら、4年強くらいの時間の経過が腑に落ちない。前半から描写されるハウンのブログを読み返すミソにも疑問が残る。
後半に至り、妙なサスペンスを突きつけられたような気分である。
ラストカットはバイカル湖に佇むハウンだ。
コレを心象風景ととるか、現実ととるか…何故にこんなラストになったのか謎である。
巧妙な脚本は韓国作品の強みであるものの…捻りが効きすぎてて意味が分からないってレベルにも感じる。
あのミソがトイレに突っ伏してる絵も、なぜアレを絵に残そうとしたのだろうか…写真は撮ってるはずもないだろうから、そん時の記憶を辿って書き上げたんだろう。ハウンの中にどんな衝動があったのだろう。
おそらく主軸である女性の友情は、どちらの世界でもブレる事はなく、どこまでも崇高で尊くは映るのだけれども…はてさてって感じだ。
俳優陣は皆様、素敵で…くすぐったい青春譚やドロッとする人間関係や恋愛のイザコザとか見所も見応えも申し分なく感じていたのだけれど…どうにも釈然としない根本的な謎だけが残ってしまった。
レビューを漁ったら、なんか答えにいきつくのかもしれない。
あと…あの絵はとても素敵で、柔らかく温かでポストカードとかあったら欲しいなぁと、キム・ダミのファンでもある俺なんかは思う。
毎回思うけど、韓国の俳優陣が演じわける時間経過には驚かされる。ちゃんと青春してるし、ちゃんと微笑ましい。
流石なのである。
◾️追記
レビューをつらつら読むに、ハウンが死んだ世界を現在とするレビューが多く、そりゃそうだわなとも思うのだけど…あのタッチを再現するミソへの疑問は拭えないなぁ。
ハウンが生きてるなら、あの絵を見つめるミソの眼差しが不可解だ。
旅に出てそのまま音信不通で、またきっと会えるよねって事なのかもしれなく、アレを書いたのはハウンで出展したのはミソで、どこかに居るハウンへのメッセージなのであるなら、まだ合点はいくか。
となると、どちらの世界も言葉足らずって事にもなり得る。…やっぱ根本的な意図に疑問が残る。
まぁ、逆に言うとその一点さえ飲み込めば切ない物語だと言えるのだろう。
そうなのです。
そのスーパーリアリズムの絵に合点がいかずで…どんな解釈ならあの絵が完成するのかと、ああいうレビューになりました。
もろみさんの感想には同意です🤩
トレイのシーンで1番ミソを愛してるってセリフがあったのと、愛して無いと絵は描けないみたいなことを言ってたから書いたのかなって思いました。
ラストはハウンが死んだのが現実かなと。バッドエンドの方を空想として語らないだろうし、バイカル湖は死んだハウンの魂が辿り着いたのだと感じて見ました。
まあ、、スーパーリアリズムの素描を合作するのは???となりましたが、、。