「単なる親友を超えた二人の絆が、より深みと強さを増していく」ソウルメイト 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
単なる親友を超えた二人の絆が、より深みと強さを増していく
性格も育ってきた環境もまるで異なるふたりの少女、ミソとハウン。本作は彼女たちが大人になるまでの道程を切々と綴っていく絆の記録だ。時に笑い、時に泣き、恋の悩みを共有したり、才能を認め合ったり、かと思えば激しく衝突したり。果たして二人を待ち受けるのはどんな人生であり、運命なのだろう。一人の男性を巡って両者の思いが揺れ動く展開では、このままメロドラマ要素が高まっていくのだろうかといささか不安にも思ったが、しかし本作は中盤から各々の人生をかけた決断があり、またその後の展開も含めてタイトルの意味合いが響きと輝きをより増していく。親でもなく、兄弟でもない。親友という言葉でもまだ足りない。ソウルメイトたる二人は、互いをいちばん深く知る存在で、愛憎の感情もすべて込みで、遠く離れていても堅く結び付き合っている。絵画という手段を通じ、言葉では言い表せないものが形となって昇華されていく過程に、とても心打たれた。
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