劇場公開日 2024年1月2日

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「古い政治を変える立場になるために古い選挙戦を戦う」映画 ◯月◯日、区長になる女。 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0古い政治を変える立場になるために古い選挙戦を戦う

2024年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

杉並区の市長選挙を、舞台演出家で杉並区在住のペヤンヌマキさんが追いかける。ペヤンヌさん自信は、政治への関心が薄かったが自宅が道路拡張計画で立ち退きを迫られ、政治に関心が向くように。政治を自分ごととして捉えること、思想やイデオロギーよりも生活の実感レベルで捉えていく姿勢が作品全体に漂っている。
候補者の岸本さんは国際的に活動するシンクタンクNGOなどに所属していた方で、日本の選挙運動は不慣れである。この選挙制度や慣習が立ちはだかる様がやはり見どころである。旧態依然とした政治を変えたいと立候補しているのだが、変える立場になるためには選挙を勝たないといけなく、そのためには旧態依然としたやり方に乗っからないと支持が広がらない。この矛盾をどう解決するかが選挙戦は難しいということなんだろう。
選挙や政治のドキュメンタリー映画は近年増加してきているように思える。いずれも日々の報道とは異なる視点を見せてくれるので、学びが多いし、ドラマチックな要素が多い。政治はつくづく、(いろんな意味で)人間の営み何だなと思う。
映画のファーストショットはペヤンヌさんの飼っている猫だ。猫が随所にインサートされるので猫好きにもおすすめだ。

杉本穂高