劇場公開日 2024年1月2日

「187票差で当選。勇気・元気・希望をもらえました!」映画 ◯月◯日、区長になる女。 しのぶさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0187票差で当選。勇気・元気・希望をもらえました!

2024年6月12日
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鑑賞方法:映画館

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特に最近の政治状況を見聞きすると、何一つ先に希望の持てない事ばかりで「諦める」という感情に押しつぶされそうになっていました。

地方に住む私も、2022年の東京都杉並区の区長選挙戦の情報を聴いてしばらくSNSで追いかけていました。選挙結果は岸本聡子さんが当選。
その選挙戦の様子がドキュメンタリー映画になるということで楽しみにしていた作品。
監督は杉並区在住の劇作家・演出家ぺヤンヌマキさん。たまたま彼女が長年住むアパートが道路拡張計画により立ち退きの危機にあることを知り、止める方法を自身で調べ動き始めたのが本作制作のきっかけ。政治に全く興味も関心も持たなかった彼女から見た選挙を追った映像も新鮮でした。
もともと杉並区は市民活動が盛んな地ではある様だったけれど、今まで自分たちの手で区長を送り出すことは残念ながら出来ていなかった。内心、今回も無理かもしれない?との思いも持ちつつの選挙戦が、日を追う毎にもしかすると行けるかも!と思えるくらいに雰囲気が変って行く。応援に入る区民の皆さんの熱量に比例しているのが良くわかり面白かったです。
岸本聡子さんは欧州で20数年間国際政策シンクタンクNGOトランスナショナル研究所の研究員として活動。「ミュニシパリズム」(地域に根付いた自治的な民主主義や合意形成を重視する考え方)を身に付けた岸本さんだからこそ出来ることが多く有るのではないかと。
今までの20年間は色んなことを勉強して来て、これからの20年間はこの日本を良くするために頑張る・・(というような事を話していたと思う)と強い思いを語っていたのが印象的かつ、杉並区がどんな風に変って行くのか楽しみでもあります。当選後の初登庁日に颯爽と自転車で登場するのもらしくて恰好良かったですね。

映画中でも一人街宣を楽しそうにやっていたけれど、2024年7月の東京都知事選でも岸本さんは一人街宣をして、街行く人たちに「選挙に行こう!投票率アップ!」と楽しそうに訴えかけています。こんなことが出来る政治家って今まで居なかった、新しいタイプでますます期待が増します。

しのぶ