マンガ家、堀マモルのレビュー・感想・評価
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幽霊と逢う為には
マンガ家、堀マモル
ゴーストを失った、抜け殻のような漫画家。しかし描かれた漫画の登場人物は、皆魅力的な表情をしている。
見知らぬ似ても似つかない、女性を含んだ3人の幽霊。ああ、彼はスランプに陥ったことを理由にして、これからは幽霊の口述筆記をして漫画を作るのだと。そのやり方が、漫画家掘マモルなのだと、呆れさせられる。
しかし、その後のキャンドルナイトのシーンで、明確に自分の過去を、作品として昇華する態度が明かされる。
想い人には、思い出と作品の中でしか会えない。その一貫性を保ちながら、登場人物に、漫画家の表情が重なっていく。
結局のところ、「話せなくても良いから、顔だけでも良いから、ここに見せに来て欲しい」という言葉に結実している。これは紛れもなく、表情の映画だからだ。
マンガ家ファンタジー
幽霊だったのは春だけでしたね。
最初の幽霊3人が実は堀真守自身の妄想であり、
予告などがあえてのミスリードというのは
良かったと思います。
堀真守が過去から今までを見つめなおし、
想い人の春への気持ちに折り合いをつけ、
これからの未来を前を向いて歩んでいく話ですが、
予想していた作品と全然違い、
私は後半泣きっぱなしでした。
ストーリーの紡ぎ方も実に秀逸で、
見事に映画世界に引き込まれていきました。
堀真守と春の本音、
映画内表現では はらわたを抉り出す、
この軸で一貫して描いたからこそ、
心の琴線に触れたのだろうと思いました。
俳優人が素晴らしかったです。
坂井真紀と三浦貴大が良い味を出していましたね。
小さな世界線で丁寧に描かれていて
うまくファンタジーに仕立てていて、私は好きでした。
思うような漫画が描けなくなったマンガ家に、3人のユーレイたちが自分のことを語ります。話を聞き自分を見つめ直した先には、どんな世界が広がっているでしょうか。
公開中の作品リストを眺めていて、ある日突然その作品が目に
留まってしまうことが時折あるのですが、そのパターンです。
「マンガ家+ユーレイ」というキーワードのお話の内容が気に
なり鑑賞することに。
鑑賞中。
スランプのマンガ家が、部屋に出る子どものユーレイ達から
” 自分達の話を作品に描けば? ”
と言われる。
このままではマンガ家としての将来は行き詰まり
先に進めなくなる。そう意を決し、
3人の子どもたちの話を聞き取って漫画にしていく。
そんなお話です。
■一人目は小学生。
” 母親がスナックだから ” と同級生から避けられているようだ。
この頃、好きな漫画作品を通してハルと出会い親密になっていく。
ハル学校に持ち込んだ漫画の本を、同級生が見とがめ取り上げよ
うとするが、割って入り取り返す。 …が、水没。あら
この子の初めての仲間であり、共感者を得る。
■二人目は中学生。
ゴーイングマイウェイな中学生である。感性も変わったモノがあり
公園での写生のとき、木のコブが猿の頭に見え、観察したりする。
クラスメートが声をかけても耳に入っているのやら。
猿のことを調べようと図書館に行った際に、絵を褒めてくれた教師
と出会う。自分が描いた猿の絵をブレゼントしたのだが、その絵を
教師が無断で展覧会に出してしまい、入選する。 おお。
なのにこの少年、無断で出品されたことに納得がいかない。
自分の絵は、誰かに見せるために描いているのでは無い と
言う少年。
” 自分だけの世界に引きこもるな ”
” 広い世界に出て行かないと ”
そう諭してくれた教師は、その後すぐ学校を辞めた。あら。
何のために絵を描くのか。一つの答えらしきものを得る。
■三人目は高校生。
女子高生のユーレイだ。そしてもう一人女子高生が居る。
漫画を書く仲間のようだ。
友人が話を作り、ユーレイが絵を描くという合作スタイルだ。
その日もまた、友人とマンガの話。
友人が、新たに考えたストーリーを語りかけてくる。
” どう? 描けそう? ”
” 覚えられない。ノートにまとめて ”
そんなやり取りを交わす日が、この後も続くと思っていた。
卒業後の進路を決めなければ時期に差しかかる。
” 漫画を描き続けたい ” そう熱く語るユーレイに対し
” 私は就職するの ” と返すハル。 … ええー。
パートナーの喪失。
後に残るのは、それでもマンガ家になりたいという想いと、
手渡された「新しいお話」の書かれたノート。
◇
三人から話を聞いてそれをマンガにしながらも、
マンガの新人賞を取った時の、出版社の担当者と打合せを繰り返す。
” 新人賞を取った作品は面白かったんだがなぁ ”
暗に今の作品はダメだと言われているようなものだ。
何かが足りないんだよ とも再三言われて耳にタコ。
その担当者が、三人の話を元にした作品を読んでこう言う。
” 3つの話をつなぐ、もう一つのストーリーが必要だ ” と。
◇
ある家を尋ねる主人公。
三回忌に来れなくてすいませんでした と頭を下げる。
ハルは病気で亡くなっていて、二年が過ぎていた。
そのハル。実はユーレイとなって主人公の周りにいたりする。
主人公の外出後の部屋に現れては、原稿を覗き見している。∂_∂
マンガを書く理由・情熱・そして秘めた後悔の念。
それらを確認し、吐き出し、見つめなおすことが必要だ と
亡くなった今も、主人公のことが気になっているのだ。
◇
えーっと このお話。
鑑賞中はストーリーの展開にいまひとつ乗り切れない感じが
していました。・-・;
鑑賞後に思い出しながらまとめているのですが、途中までは、
3人のユーレイの話がバラバラで、まとまりに欠ける気がして
いたのです。
それがラストの10分くらいで、3人のエピソードとハルの想いと
が束ねられ、主人公がこれからもマンガを描き続けるための動機
付けになっていく過程がファンタジー混じりに描かれ、きちんと
収束しました。
そう、三人のユーレイは、過去の主人公たち。
そのユーレイたちを、今の主人公に引き合わせたのは、たぶんハル。
ユーレイとして登場する小中高の子たちは、それぞれが
「主人公が過去に残してしまった後悔」であり、
振り返りたいのに、怖くて直視出来ないでいる記憶たち。
それぞれと向き合って、死に別れてしまった盟友との想いを
この後も共有し続けていける場所が出来た、という事なのか。
そう考えれば納得もできるし、
そう考えないとあの結末も落ち着かない。そんな感じです。
粗いかも と感じた話でしたが、ちゃんと収束しました。
途中で寝なくて良かった。・_・; (…これも本音)
◇あれこれ
■ハルとの中学校時代
中学校では疎遠だったのでしょうか?
ひとりぼっちで「公園の猿に見える木」をスケッチしている姿が
印象的で、仲間が一人も居ないかのような描かれ方でした。
けれど、高校生ユーレイ(=ハル)との会話の中で
「将来も二人でマンガを描いていこう」
そんな約束を交わしていたことが会話の中で出てきていたので
中学時代もハルとの交流は続いていたと思うのです。 はて。
■ハルの遺した原作
それを使って応募した作品が新人賞受賞。…かと思われます。
そして、それを報告しにハルの家に行った日に、母親から
ハルの死を知らされる。うわ。一番キツい場面…。
ハルの原作を使ってマンガを描くことは、ハルとの間では了解
の事だったのだろうと思うのですが、主人公の頭の中ではその事
がず~っと引っかかってきたような感じでした。
新人賞に応募する際、作者を自分一人として出品してしまっていた
ということなのでしょうか?(そうなら確かに後ろめたい感あり)
けれど、新人賞を取った報告にハルの家に悪びれず来ていたし…
”ハルは気にしてないから ”
とハルの母親が言うのも違和感…でした。
◇最後に
3人目のユーレイだけが女性でした。
そのことに何か意味があったのかなぁ と考えています。
ユーレイを男にしてしまうと、ほぼ現在の主人公と同じ容貌にし
なければ辻褄が合わなくなるので、女性にしました …と単純に
そういうことなのでしょうか。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
再生の物語
新人賞を取って以来、描きたいモノが分からなくなっているマンガ家の前に現れた3人の子供の幽霊。
これは再生の物語。
観ていると、幽霊が過去の自分の分身だと言うのは読めるのだが、そこを重要視せずに、自分を分岐させて逃げていたところから、もう一度見つめ直す事の重要さを描いていた。
「ルックバック」程、切迫した話ではないが、ふんわりとした良い映画。
何となく「1/11」を思い出した。
#マンガ家堀マモル
#堀マモル
うるさくて愛おしいこの世界に
マンガ家としての活路を見出していく作品という事で気になったので鑑賞。
「バクマン。」でマンガ家の苦しみを知り、「タイムパラドクスゴーストライター」で色々大変なんだなぁと作品内外で思い知り、「ルックバック」で濃厚な作品作りを味わってとほぼジャンプで見知った世界とはまた違うものだなと今作を観て思いました。
序盤は幽霊が見えるマンガ家が幽霊を通して自分の作品を形成していくという感じのオムニバス形式で進んでいくのかなと思ってみていましたが、どうにも解決したのかしてないのか宙に浮いたような感じで首を傾げながら見ていましたが、物事をマンガにする途中で止められてからガラッと作風が変わったように思えました。
親との距離感だったり、先生との距離感だったり、友達との距離感だったり、よくよく考えたら伏線だったなぁと思うところを淡々と描いていたのが後半になって活きてくるという形の作品は珍しい気がします。
病気で亡くなった親友の作品を自分で手がけた真守が過去と向き合って、やり直せないであろう過去はマンガという形のコミュニケーションで乗り越えていくというのも「ルックバック」に通ずるものはあれど、幽霊との対話という面で描かれるのも個性があって良かったです。
幽霊たちのシーンと真守が重なってストーリーが地続きになって繋がっていき、あの時の判断や対応はどうだったのかとか自分自身の人生にも投影してしまうようなシーンが多かったのも心に突き刺さるものが多くありました。
母と子の信頼感が味わえるシーンがたまらなく大好きなので、実家に帰ってきておにぎり食べていくだけのシーンがたまらなく良かったです。
主人公の性格はそのままなのに序盤と終盤で全く違った印象を持てるという未知なる感覚を味わえてクセになる作品だなと思いました。
3人監督構成という不思議なスタイルだったからこそ撮れた作品だったと思いましたし、物作りをする人間に送る一つのエールのような作品でした。
鑑賞日 8/31
鑑賞時間 14:25〜16:30
座席 H-10
丁寧な作風で、すべてを描かない「余韻」が美しい
2024.9.2 イオンシネマ久御山
2024年の日本映画(111分、G)
原作はsetaの小説『幽霊ハイツ203号』
スランプ中の漫画家が幽霊と一緒に漫画を作る様子を描いた青春映画
監督は榊原有祐&武桜子&野田未麗
脚本は林青維
物語の舞台は、日本のどこかの街(ロケ地は千葉県松戸市)
新人賞を受賞した堀マモル(山下幸輝、幼少期:中村羽叶)は、かつて幼馴染の佐倉春(桃果、幼少期:秋元月椛)と一緒に漫画を描いていたが、今では一人で漫画と向き合っていた
新人賞を獲ったものの、その後の作品はイマイチな作品ばかりで、編集者の林(岡部たかし)からも最後通牒を受けるまでに落ちぶれていた
彼の部屋は特殊な事情があって、電気は通っているのに照明が消えてしまうことがあった
そんな時には必ず幽霊が現れて、マモルの執筆活動を妨げてしまう
小学生の幽霊(宇陽大輝)、中学生の幽霊(斎藤汰鷹)、女子高生の幽霊(竹原千代)たちは、各々勝手なことをし出すものの、マモルが一言声を掛ければ、おとなしく消えていく幽霊でもあった
ある夜、作品作りに悩んでいたマモルは、幽霊たちから「僕たちの漫画を描いてよ」と言われてしまう
仕方なく筆を進めるマモルは、小学生の幽霊から「母親のことでいじめられてきたこと」を聞かされ、体育祭のリレー選手に選ばれたのに母親を呼ばなかったことを後悔しているという話を聞かされる
マモルはその過去を改変し、振り向けば母親が見ていた、という漫画を完成させた
その原稿は編集者の目に留まり、次は中学生の幽霊の話を描くことになったのである
映画は、この三人の幽霊が実はという展開を迎え、その背景で「いなくなった幼馴染」のことが描かれていく
春は病気がちの女の子で、そのお見舞いに来るのが女子高生の幽霊だった
彼女は春が作った物語を漫画にしていて、この女子高生は卒業と同時に春から進路を変えることを突きつけられる
応援すると言われたものの、これまでは春の物語を描いてきたので話を作ることができない
だが、そのことを心にしまったまま、春の言葉を受け入れてしまい、それが後悔として残っていた
そして、この女子高生こそがマモル本人であることが暴露されるのである
映画は春がどのようにして去ってしまったかを映画の後半で描き、春自身がどう思っていたかを母親(坂井真紀)から渡された彼女の手記で知ることになる
春はマモルが作り上げた「潜水士と人魚姫」の物語の原作者にあたるのだが、そのことを隠してきたことにも罪悪感を感じていた
彼女に黙って出版社に送ったこと、それが評価されたことなどを心の中に残していて、それを告げようとした矢先に彼女が亡くなったことを知らされてしまう
そして、マモルはそのことが言えないまま、期待の漫画家としての重圧を受けることになっていた
物語はキレイな作風で、丁寧な伏線回収が行われている良作で、同じシーンが何度も登場するが、すべて別アングルの映像になっていた
編集者や、その他の大人たちとの掛け合いも面白く、胸熱な展開が待っている
キーとなる「ある漫画家とわたし」という手記は前半できちんと登場しているのだが、母親がそれを見せるタイミングを失っていたこともわかる
そうした先にある、これを伝えないことが後悔になると悟った先の告白は、坂井真紀の表情だけで描くという秀逸な演出がなされていた
絵作りにこだわりのある作品で、あまりメディアに登場しないのがもったいなくも感じる
もし、鑑賞可能地域に住んでいるのなら、今観ておいて損のない映画と言えるのではないだろうか
いずれにせよ、ボーイミーツガール的な作品の切なさも感じられる内容になっていて、マモルの高校時代が女子高生で再現されているというのが物語の骨格になっていると感じた
おそらく春にはマモルへの恋心があるのだが、マモルの方にはそれがないか、もしくはかなり薄くなっていると思う
それがマモルが空気を読めない性格につながっていて、最後まで春が言いたくて我慢していたことは伝わっていないのだろう
その心情を「バーカ」の一言で表現するのだが、劇中の漫画でも「母親を描かずに小学生の笑顔で表現」したり、人魚姫と航海士が抱き合うこともなく、その表情と言葉で描いている
この余韻の残し方が映画と劇中作品でリンクしているところが面白くて、ほぼ全ての心情をセリフにする陳腐なものとは一線を画している
この作風が一般受けするのかはわからないが、昨今の風潮に嫌気が差している人ならば、意外とハマるのではないだろうか
球切れかよっ!
新人章はとったが、その後描けないマンガ家が、3人の幽霊たちの経験談をマンガに描き再起を図る話。
スランプとはいうけれど、新人賞をとっただけでデビューもしていないんだよね?なんて疑問に感じる始まりから、幽霊?と思しき3人の子どもたちの話しをマンガに描いて行く流れだけれど、1人目の話しから、あれ?名前を呼ばないの?そして2人目になっても違和感を覚える程に名前を呼ばれず…そんなつくりだからまあわかってしまうし、なんだか浅い感動物語で全然響かず。
カミングアウトからの行もなんだかミエミエ侍で主人公をおバカな設定にしておかないと成り立たない感じ。
悪い話ではないけれど、いくらなんでもちょっと子供騙しに感じてしまった。
ハルちゃんかわいそう
娘を持つ親としては、高卒まもなくで娘が亡くなってしまう設定は心が痛いです、が、ストーリーはステキでした。数日前にサユリを観ていましたので、占部房子さんがそのままのお姿で現れたのが違和感満載で面白かったです。
【"ある漫画家と私。そして、”私”が去った後、漫画家は一人で漫画を描き始めた。”今作は、スランプの漫画家が幽霊たちと出会い、数々の”私”との過去と向き合い成長する姿を描いた物語である。】
■新人賞に輝いてからスランプだった漫画家、堀マモル(山下幸輝)の家にある晩、小さな幽霊3人が現れる。
そして、堀マモルは幽霊たちが語る夫々の過去の想い出を3篇の漫画に仕上げる。
堀マモルはその経験を経て、自身の哀しき過去に向きあうのである。
◆感想
<幽霊たちが語る夫々の過去の想い出>
1.小学生の時、スナックで働くで母に、”寂しい”のに、我慢していた事。
2.中学生の時、周囲に馴染めずにいた絵が好きな僕を、”外に出る”様に”励ましてくれた教師(三浦貴大)の事。
3.高校生の時、一緒に漫画家になる夢を叶えようと”友”に上手く告げられなかった事。
・今作では、幽霊たちが語る過去が、実は堀マモルと恋人だったハル(桃花)との関係だった事と言う設定が巧い。
又、時系列を少し弄る事で、その過去の出来事を堀マモルが抱えていた屈託と、恋人だったハルとの思い出に変換させ、マモルのハルに対する秘めた想いの扉を開けさせる過程を巧く描いている。
・即ち、今作は脚本が上手く(もしかしたら、観る人によっては分かりにくく感じるかもしれないが。)マモルのハルに対する秘めた想いを丁寧に描く演出が良いのである。
<そして、堀マモルは3篇の漫画を仕上げる過程でハルの存在が、如何に大きかったかに再び気付きながらハルが堀マモルの事を想い夢を自身の夢を託し遺した”ある漫画家と私。”というシナリオを読み、それを漫画に仕上げ漫画家としての再スタートを切るのである。
今作は、素敵なるファンタジックゴーストラヴストーリーでもあるのである。>
<2024年9月1日 刈谷日劇にて観賞>
これは鑑賞できてよかった
予定が中止になって突然「何か気になる」程度での劇場入りでしたがとても丁寧な作品との良い時間を共有できました。
喪失のキズとその後も容赦無く続く日常と、それぞれに向き合うテーマの作品は今年3本目ですがどれも力強くて素晴らしい作品でした。
これもこれから上映館が増えるといいな。
丁寧な良い映画です
新人賞をとって夢を叶えたはずの漫画家堀マモルはスランプになって担当に『腹を割っていない』とダメ出しを食らう日々。そんなマモルに3人の幽霊が現れ、自分の過去を語りマモルはそれを漫画にして行く。漫画に描かれていく3人それぞれのエピソードとアイテムは現在のマモルとリンクして終盤に近づくと意味が分かって行くように丁寧に作られています。
幼なじみのハルと一緒に漫画家になって生きたかった堀マモルが自分を見つめ直して、突然のハルの死という辛い過去を乗り越えて行こうとする姿はラストシーンで納得のオチがつきます。
クライマックスと言える進路相談後の河川敷でのマモルとハルの別れのシーンは二人の演技に切なさと悲しみを感じる素敵なシーンでした。
特に事前情報を入れずに鑑賞しましたが、良い映画に出会えたと自分的には今年のトップ5に入りました。
3人の幽霊はマモルを〜
よく原作と作画、原案と漫画など見ることがある。堀マモルは新人賞を受賞した時に原作を作ってくれて二人三脚でやっていこうと思っていた春さんにマモルが黙って一人で応募して受賞したことを報告に行ったら春さんは死んでいた。
原作者がいない(漫画編集者には黙っているがマモルの漫画にマモルの作るキャラがいないのがバレている)マモルはスランプとされていた。
ここで三人の幽霊が現れる(なぜ?)。二人の幽霊は自分の話を原作に漫画をマモルに描かせて三人目の幽霊はマモルに春に言えなかったことを言わせ、春はマモル一人でやっていけるよと言って別れる。そして半生記「マンガ家、堀マモル」を描き上げ一人の漫画家として生きてゆくという話。
幽霊がわからないけど、背中を後押しする為に現れたということですか。よい幽霊ですかね。もしかしたらそれぞれの幽霊の話を別々の監督で撮って繋いだ構成なんですかと思った。だからかなぜ3人幽霊がいるかとわからかった。
大丈夫。今は原作者を堀マモルみたいな漫画家に付けて売れたって例がたくさんあるから春さんがいなくても生きてゆくと言えますよ。
ちょっと素敵な佳作ですね。
2人で1冊。
新人賞を取り、人の言ってる事と人の気持ちを察せない漫画家堀マモルと、そのマモルの前に突如現れた3人の学生と作倉春の話。
ストーリーは春が考え、そのストーリーを漫画として描くのがマモル、そんなストーリーを考える春が亡くなり…。
ん~本作は時間に余裕があればもう一度観に行きたい!ってのも斜め後ろのオバサマがガラガラなのに斜め後ろ、咳うるさい、足音うるさい、ずっとアクビしてるであまり集中出来なかった…、けれど終盤の現れた3人の学生の正体が分かった辺りと春に想いを伝えようとする辺りから結構泣かされた。
ちゃんと観れてればもっと高評価作品なはず!春役の子可愛い~!可能であればもう一度観に行く!
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