ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのレビュー・感想・評価
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世代や立場を超えた魂の触れ合いから生まれる希望
70年代当時のミラマックスのロゴで始まる、あたたかい音楽と、人の不器用さを包み込むように描き出すストーリー。誰もが心の底にそっと隠している弱さや悲しみに優しく触れて、慰め励ましてくれるような作品だ。
キリスト教圏では、基本的にクリスマスは家族と過ごすものだ。人の生き方が多様化した現代はいざ知らず、1970年のクリスマス休暇に家族の元に帰れないというのは、現代の日本人の私が想像する以上に疎外感や孤独感を覚える状況だったのではないだろうか。
しかもアンガスは、帰れるつもりでいたのに終業日当日に母から帰ってこないよう連絡があったのだからかなりきつい。資産家と再婚した母親は、毎年クリスマスディナーは取り寄せで(他の場面で愛情を伝えていればそれでもいいのだが)、クリスマスグリーティングには現金を送りつけるのみ(これはいけない)。
嫌われ者の教師ハナムは、学校に大口の寄付をしている議員の息子に対しても成績に色をつけない信念の持ち主だが、クリスマス休暇の過ごし方にさえ揺らがない信念を持ち込む堅物でもある。
序盤、2人の相性は見るからに最悪だ。ハナムは休暇中なのに規律を強要し、アンガスは勝手にホテルに予約の電話をしたり、体育館で暴れて肩を脱臼したりする。だが、事務員のクレインのホームパーティーに行ったりメアリー手作りの料理でクリスマスを過ごすなど、小さな出来事を共にするうちに相手の本音や弱さを知り、心の距離が近づいてゆく。
本作が銀幕デビューのドミニク・セッサが、あの年頃の危なっかしさや不安をリアルに伸びやかに演じて、経験豊富なジアマッティやランドルフに負けない存在感を示していたのが印象的だった。
彼らが互いに少しずつ心を許してゆく過程がとても自然で、微笑ましかったり切なかったりして魅了される。それに伴ってそれぞれの悲しく重い背景も明らかになってゆくのだが、不思議と物語自体の印象がヘビーなものになったりはしない。堅苦しさや意地を張った態度の内側が見えてくると、表面的な印象とは違うその素直さや人間臭さ、ぬくもりに目が潤んだ。
息子を亡くしたメアリーは、アンガスとハナムを繋ぐ存在でもあった。クレインのホームパーティーで、息子の死を嘆き心を乱したメアリー。アンガスはハナムを呼びに行って2人で彼女のそばにいた。翌日のクリスマスにメアリーは料理の腕を振るう。食卓を囲む3人にはどこか気の置けない、擬似家族のような雰囲気がうっすらと漂い始めていた。
このかすかな絆が芽生えたからこそ、最初は亡くなった息子を思って学校にとどまっていたメアリーは、新しい命を宿す妹の元を訪れる決心がついたのではないだろうか。
一方、「バートン・マン」の精神として嘘をつかないことを重んじていた堅物のハナムは、アンガスに振り回されるうち、次第に言動が柔軟になってゆく。アンガスが自分と同じ向精神薬を服用していることや実父の真実などを知るにつれ、ハナムの心の殻が剥がれていった。
そして最後に、アンガスを迎えに来た両親の前でハナムは信条を曲げ大きくて正しい嘘をつき、アンガスの前途を身を挺して守った。この短くて濃いクリスマス休暇で、彼は鶏小屋のはしごのようだった人生に形式的な信念よりも大切なものを見出し、変わったのだ。
心和むあたたかさと、メインの3人それぞれに違う色合いで滲むペーソスが胸に沁み入る本作。ラストシーンを迎える頃、私はある作品を思い出していた。マーティン・ブレスト監督作品「セント・オブ・ウーマン」(1992年)。珠玉の名作という表現がよく似合う作品だ。
2作には共通点がある。アメリカの寄宿学校の生徒が、クリスマス休暇に帰省せず過ごす間に体験するエピソードであること。青年と老年期を迎えた男性が、孤独な環境にあって邂逅し、互いの人生観に影響を与え合う物語であること。学校の同級生が金持ちのクズであること(笑)。年長男性が青年の未来を守るクライマックス。車が遠くへ走り去るラストシーン。
だが本作は、メインキャストのキャラクターや関係性の違いによって、違うテイストの物語になっている。「セント・オブ・ウーマン」で、スレード中佐とチャーリーは親子のような関係になったが、ハナムとアンガスの間に醸成された関係性は友情に近いものに見えた。
根底で共通するのは、人が世代を超えて人生の苦楽の一片を共有し相手を認め合う時、そこに見えるのは純度の高い魂の触れ合いであり、その絆が生む希望は心に響くということ。その過程を丁寧に紡げば、必然的に見る者を癒す名作になるのだ。
タイトルなし(ネタバレ)
アマプラにて。
誰もが家族と過ごすクリスマスシーズンに
行き場のない 問題児の男子高校生 嫌われ者の教師
孤独な料理長 が高校の寮で2週間生活をする。
反発し合う生徒と教師だが
ちょっとしたきっかけで相手の背景にある孤独や諦めや絶望を知ると互いに相手を受け入れるようになる。
そして、嫌いだった他者を理解する事で自分を理解して自分のことも許せるようになってゆく
きっと3人ともこれから大丈夫だと思えるラストが秀逸
タイトルなし(ネタバレ)
ハナムは根はいいやつだけど過去の出来事もあり劇的に不器用
アンガスも根はいいやつだけど環境のせいで不器用かつ生きにくそう
どっちも人間関係下手くそだけど、ぶつかり合ってお互いの理解者になっていてよかったな
あんなに嫌なハナムが、人と関わって少しずつほぐれていって、最後は身を挺してアンガスを守っていた変化にぐっときた
最後チクショウの親のせいで解雇になったのは納得いかない。親チクショウすぎる
感想メモ
クリスマス休暇に学校の寮に置いていかれたアンガス、お堅い歴史教師のハナム、息子を亡くした料理長のメアリー
2週間を共に過ごす内に互いに心を通わせていく
割と序盤で生徒1人だけになってかわいそう
賽は投げられた、でカッコつけてジムで宙返りして即脱臼は笑う
賢くて気取ってるけどまだ子供なんだから、誰か大人が寄り添ってあげないとね
自分から見えている部分だけで他人を判断できない、それぞれが生きた人間でもっと深みがある、クソガキにもクソガキなりの葛藤がある
アントルヌー、ここだけの話
君は父親とは違う、君という1人の男だ、とアンガスに諭すシーンは感動
自分のために怒ってくれる大人がいるってすごく嬉しいことなんだろうな
トリメチルアミン尿症、魚が腐ったような臭い
配慮と思いやりを持って人に接することの難しさと大切さ
大人と子供…
子供は大人から教えられ、大人もまた子供から教えられる。こんな師に会いたかった。教師と生徒の関係で当初は反目し合うハナムとアンガスだったが、料理長メアリーも加わり、立場も境遇も異なる3人が共に時間を過ごすことで、互いを知り、自分を見つめ直す契機に。ゆったりしながらも、無駄のないテンポと心地よい音楽も相まって、昔の映画ではないかと思えるほど、衣装や小物なども本当にその時代にタイムスリップしたかのような展開が心地良かった。その後の2人の人生も見てみたい。
かっこいい
なんだかんだ三人とも純粋で素敵だった
まさに年末年始の、地元で久しぶりに飲んで、いつの間にかみんな歳とっちゃって、家族できたり色々あったり、なんて話をしてた時期だったから?ノックアウトされてしまった
自意識過剰だった(この点で叱られたわけではない)大学時代
よく叱られた必修科目の教授を思い出した
我々、同じ国の人間ですよね?ってくらい
価値観とか言い回しのクセが合わなくて
お互いめちゃくちゃ嫌ってたけど
ラスト4年目で大人しくして黒板消し頑張ったら
ギリ単位くれた
本質的には全く本作とリンクしてないけど
そんな懐かしい思い出もよみがえった
息子たちの物語
本当は映画館で観たかったけれど行きそびれて…。でもクリスマスの時期にVODで鑑賞できてむしろ良かった、心に残る逸品です。
何組もの親子が出てきますが、親に対して複雑な思いを抱く息子たちのイニシエーションとなる冬休みの物語、と自分の中ではまとめてみました。
主要な3人が背負う数々の苦難、そりゃキツすぎでしよ、と突っ込みたくなるほど。特にハナム先生は、学位のこと、病気のこと、外見のことなど、性格ひねくれても仕方ないです。それでも好きなことへの思いが人生を支えてくれている、実はとても誠実な先生だな、と。
印象的なシーンは幾つもありますが、私が一番良かったと思うのはラストシーン。学校の敷地を出る丁字路で一旦停止する車が、母校というある種のサンクチュアリから飛び立とうとする先生の、飛び立つ直前の深呼吸のように見えました。
サントラが気になったのも久し振り。新年に向けて、頑張ろう!と背中を押してもらえる映画でした。
他者理解
数日〜数週間の時間軸で、異なる他者との理解を深めていく
ロードムービー と相性の良いテーマだが、今回は逆に年末年始の置いてけぼり
ロードムービー は主人公たちが場所を離れて、主人公たちだけの環境に身を置く
今回は周りのみんながいなくなって、主人公たちだけになる
仲の良くない家族が理解し合うロードムービー もある
クリスマスムービーでもあるグリーンブックは黒人と白人が理解し合う
今回は3人
学生と、教師と、食堂のおばちゃん
年齢・性別・人種もばらばら
共通項としては、家族の欠如
だからこそ擬似家族のようになっていく
こういうのは大抵、仲良くなる最初が肝心
いかに視聴者側に納得できるような自然なアイスブレイクがなされるか
今回は、まさに調子に乗った学生が怪我をするシーン
学生も肩を脱臼させてカッコ悪い姿を曝け出し、助けてもらわざるを得ない
教師もそれまで怒る立場だったのに、責任問題でクビになる可能性がある
ここでの共犯関係・共助関係こそが、良い
ユーモアもあり、実際ありそうな身近な焦りなのも良い
そして教師が、学生時代の同級生に会い、見栄を張って経歴の嘘をつく
ここでも共犯となる
そして秘密を共有し、教師の過去を知る
エピソードが素朴ながらも説得力があり、何より温かい
クリスマスパーティで教師が学生に、父親のことをなじる
学生から父は死んだと(実際は統合失調症)
相手を傷つけてしまった罪悪感が、情けに変わり、最終的に愛へと変わる
それはまるで父の代わりをするかのような
ものすごい人間愛に深い物語
血縁関係にないもの同士が孤独を埋め合い、それでいて血縁関係を軽視もしない
絶妙なバランス感覚がある
でめきん
身体的な情報をネタに揶揄うのはよくない。
生徒だけでなく教師までハナムを蔑む。
そんな陰口を無視し、厳格に生真面目に生徒を教える古文教師。
威嚇するように相手が分からないような例えをだし、マウントを取っていくスタイル。
クリスマスホリデイ
別の教師に騙されて居残りになったハナム。
一人息子を亡くし、料理長として残るメアリー。
母親が新たな男とハネムーンに行くことで楽しみにしていた休暇が急にキャンセルになったアンガス。彼の悲しみは一際大きい。
あとはあまり出番はないけど、用務員ダニー。
序盤で、料理を作る最中ふと外を見た雪降る光景を寂しげに見るメアリーや、教師の食事テーブルに一人分だけ空いてる席なども合わせてみると彼らのクリスマスの寂しさが分かる。
最初は居残りは6人だったが「ヘリで来た」なメンバーの家族により居残りはアンガスのみに。
嫌われ物のハナムなんかと過ごすのはまっぴらなアンガス。
ストレスフルな生活で爆発してしまい、ハナムをからかっている内に怪我をし急遽病院へ。
そこでアンガスの家庭の不和を感じそこでアンガスとハナムの秘密の共有ができる。
秘密というのは何故か急激に人との距離を近づかせる。
クリスマスイブは同僚のリディアのパーティーへ参加するも散々なクリスマスに。
バートン校出身のメアリーの息子は大学費用も出せず徴兵先で死亡していた。
このパーティーでのダニーのメアリーへのプレゼントの渡し方がスマートでうまくいくかな?って思ってたけど、やはり息子への悲しみが上回ったよう。
ハナムはリディアに期待をしていたが夢破れ様々な事柄に苛ついた彼はアンガスに酷い言葉を投げつける。
そして迎えたクリスマス。
ハナムはクリスマスツリーを購入し、その下に2人へのプレゼント。
雑な包装が彼らしいと感じた。
メアリーの暖かな料理に暖かな家庭を思い出し笑顔になるアンガス。
その期待に応えてハナムは3人をボストンへ「遠足」の名の下に連れていく。
そこでメアリーは身重な妹家族と再開し、笑顔を取り戻す。
ハナムとアンガスはスケートしたり、ボウリングしたりと遊びまくる。美術館でも、性的な絵柄の古代作品で笑ったりと男同士は下ネタで仲良くなるのよ。
2人きりで話し合い、秘密を打ち明けあい2人は師弟として絆が深まる。柔らかくなり楽しく笑い合う。
友人や親子のようではなく、教師と生徒の域を出ていないところが好ましい。
年越しのカウントダウン。
4人はテレビの前で新しい年を迎える。
キッチンで爆竹を鳴らし、一際大きな音をバックにハナムとアンガスはがっちりと握手をする。
ボストンでのアンガスの精神科に入院していた父との再会の件でアンガスが退学になるのを止めるためにハナムは罪を被る。
学園を去るハナムはアンガスに多くを語らず教師としての言葉をかける。
そして固い握手を。
もう教師ではなくなったハナムとアンガスの握手はきっと親友の握手。
学園を出る際に学長のお高いレミーマルタンで口をゆすぎ学園に向けてぺっと吐く。くそ学園に。
正しく物事を見る右目。
このクリスマスホリデイで1番成長したのはハナムだった。
カルタゴを楽しんでくれ。
そして、2人の精神安定剤の量が減ればいいな。
メアリーの妹の子供が男の子ならメアリーの子供の名前をミドルネームにつける予定って未来も素敵。
ミドルネームって文化いいよね。
クリスマスにありがちな奇跡とかなんとかは全くない。
ただただ、それぞれの心がお互いで少し癒され前に進むことができたという話。
これだから、人間と親しくなりたくないんだよ・・byハナム先生
心を揺さぶるエモーショナルな人間ドラマでした。
アメリカ映画で久々に良い映画を観ました。
1970年。
ボストン郊外の全寮制の男子高「バートン校」
そこの偏屈な古代史の教師ハナム先生と、札付きの問題児のアンガス。
ハナム先生はある事件のペナルティーとして校長から、
クリスマス休暇に置いてけぼりにされた5人の学生の、
留守番と世話をする事になる。
中でも1番の問題児のアンガスのお守りは熾烈を極める。
留守番の11日目。
一人の生徒の親がヘリコプターで迎えに来る。
フランス・アルプスのスキー旅行に他の3人も連れて行ったのだ。
アンガスだけは親に連絡が付かずに、了承が得られず居残りになる。
残ったのはアンガスとハナム先生と料理担当のメアリーの3人。
メアリーは黒人で19歳の息子をベトナム戦争で亡くしたばかりだ。
反抗したり鍵を盗んだり、アイスを食べて酒を飲み、、
やり放題のアンガスは、
「行くな‼️」との叫びを無視して体育館で飛び跳ねて脱臼する。
しかしそんな軋轢の中で、ハナム先生とアンガスは絆を深めて行く。
孤独な3人(ハナム、アンガス、メアリー)は校則を破って、
ボストンへ小旅行行く事になる。
メアリーは妹の家。
アンガスの真の目的は、精神を患い若年性認知症も併発している
実の父親に会う事だった。
しかしこれが裏目に出る。
父親は「帰りたい」と駄々をこね、更に入居者にアンガスのお土産の
スノーボールで殴りかかったのだ。
アンガスの両親が学校に押しかけて、苦情を言う。
アンガスをかばったハナム先生はクビになり、
アンガスはハナム先生のお陰で退学を免れる。
掃除係の男性を含めて4人でカウントダウンで迎えたニューイヤー。
その前にはメアリーの手料理で迎えたアンガスはじめての
心のこもったXmasディナー。
トレーラーをくっ付けて「ハートン校」を去るハナム先生の古い車。
ウイスキーを口に含んで、窓から吐き捨てる。
「又な!!」
「うん、又な!!」
アンガス君よ!!
ハナム先生の恩を忘れるなよ!!
人生は至る所に「陥穽有り」
ハナム先生の座右の本「自省録」
あまり効き目が、無かったですね。
ラストは苦かったけれど、感動した。
🍒チェリージュビレ🍒
凄い雪☃️、
教師たるもの、
困り果てて震えている生徒がいたら、
身代わりとなり犠牲になってやるのだ。
これが教師たるものだ⁉️
というお話。
数ある教師の中でも、
エリート街道まっしぐらな者には無理だ、
できない。
せっかくハーバードに入ったのに、
濡れ衣着せられ
相手の挑発に乗ったのか殴ってしまい、
退学という、
腹立つやら情けない羽目に陥った、
それでもなお、
教壇に立ち若い者たちを
導こうと気概のある教師。
それは時には生徒に厳しいかもしれない。
融通きかず嫌われているよ、と言われるかもしれない。
だが、
ここぞと言う時、
臆せず怯まず躊躇なく
正しいと考え行動に移すのだ。
アンガス•タリー、君は幸せ者だ。
このことを忘れず
学業に励み立派な人物になってくれることを
第一に望む。
学生時代の苦い思い出を持つバートン校卒業生の
ハナム教師。
父は精神を病み、
母は違う男と再婚しハネムーンの為に息子に
Xmas休暇を一緒に過ごせないと
休暇直前電話して来る
身勝手な母親を持つアンガス•タリー。
初め規則を守り
クンツ、スミス、オーラマン、パク、たちと保健室で
寝起きしていたのだけど、
金持ち息子のスミスの父ちゃんが、
息子可愛さに折れてスキー場に行くことに。
家族と連絡とれた子たちも便乗。
連絡取れなかったアンガス、居残り。
妹の家に行くメアリーを乗せて行くハナム先生に
アンガスもついていく。
ボストン美術館を見てまわる。
スケートもしていたら、
ハナム教師のハーバード時代の学友ヒューに出会う。
自分を落とし入れ退学させたヒューに
現在の様子をだいぶ盛って話すハナム教師。
人に言いふらすヤツだからいい風に言っておかないと。
ハナム教師、校長の配慮で大学卒業していないのに、
講師として赴任していたのだ。
(職名で判断してはいけません❗️
正教員であっても一流大学卒業しても、ロクな教員で
ないことはままあります。)
突然、アンガス脱走。一人でタクシー乗る。
父のところに行きたい、と⁉️
アンガスのお父さんは施設にいた。
数年前迄しっかりした父だったのに、とアンガス。
Xmas🌲だから会いに来た❤️
父思いのアンガス❗️
新学期が始まる。
アンガスの母と義理父が学校に乗り込んで来た。
ハナム教師が呼ばれる、
アンガスが勝手に父の元を訪れた為に、
何が気づいた父が大人しくなく施設を変わる
必要性が。
息子をほっておきながら怒りまくる母たち。
アンガスは退学させられ大嫌いな士官学校に
入れられるかと、顔面蒼白❗️
ハナム教師退職して行く。
私がアンガスをお父さんの元に連れて行きました。
と言ってしまったのだ。
見送るアンガスの心❤️のうちは❓
ぼくと先生の秘密と嘘と親愛
アレクサンダー・ペイン監督の作品を見ていると、日本の人情映画が思い浮かぶ。
家族や友人、他人同士の交流。ユーモアとペーソスを交えて。
ハリウッド古き良き時代の作品も思い起こさせ、ペインが愛される由縁。
前作『ダウンサイズ』が異色作だっただけ。本来の持ち味を取り戻し、ペインがまたまた秀作を届けてくれる。
1970年の冬。ボストン近郊の全寮制の学校。
クリスマス休暇で多くの生徒や教員が帰る中、問題児のアンガスは学校に残る事に。母親と旅行に行く予定が、再婚したばかりの母親が相手と新婚旅行を優先してまい…。
他にも居残り組は“訳あり”面々。
そんな彼らの監視役になったのは、古代史の先生ポール。生徒や同僚からも嫌われ者。学校に多額の寄付をした有力者の息子に落第点を付けた為、校長から罰として。
もう一人。ベトナム戦争で息子を亡くした学食のおばさん・メアリーも。
程なくして、居残り組のボンボンが親の力で脱出。他の面々も便乗するが、アンガスだけは…。
最終的に学校に残ったのは、アンガスとメアリーとポールだけ…。
日本で言ったら冬休み。クリスマスに年明け…年末年始の行事続く楽しい筈の大型連休が、最悪の連休に。
学校に残り、嫌われ者の先生と一緒。
しかも、寒い外をランニングさせられたり学習したりと普段と変わらず。
勘弁してくれよ。マジ最悪…。
自分が学生時代、同じ状況だったらやっぱり思うだろう。勘弁してくれよ。マジ最悪…。
ずっと言いなりにはならないアンガス。何かと反発。
厳しくするも、問題児に手を焼くポール。
これが爆笑学園コメディだったら、嫌われ先生vs問題児の仁義なき戦い!
アンガスが現在立ち入り禁止の体育館に入って怪我を。
監督不届きでクビになる…と嘆くポール。
病院でアンガスが機転を利かし、何事も無く。
意外と頭が切れるアンガス。意外と人間味があるポール。
こういう特異な状況でもないと知らなかった事。初めての二人だけの秘密と嘘。
毒舌ながらもクッション役のメアリーの存在もあって、休みの過ごし方は少しずつ改善。
ちょっと変わり始めたクリスマス休暇と居残り面々の関係。
学校の女性職員の自宅パーティーにお呼ばれ。
ポールはその女性職員と話が弾み、いい雰囲気になるが…。
アンガスはその姪とお互い意識し合うが…。
メアリーは学校の掃除夫といい感じになるが、お酒を飲み過ぎてしまい、感情不安定で泣き出してしまい…。
ちょっぴり切ない恋路の結末。
抱える悩み、悲しみ、孤独…。
不思議とそれらが3人の距離を縮めていく。
そんなある日、アンガスがボストンに行きたいと言い出し…。
アカデミー賞ではダヴァイン・ジョイ・ランドルフが前哨戦から圧倒的な強さで助演女優賞受賞。肝っ玉な学食のおばさんを、ユーモアと息子を失った母の悲しみを滲ませ、印象的に。
だけどやはり、ポール・ジアマッティのさすがの巧さが際立つ!
真面目で相手が誰の子供であろうと成績に忖度しない。教師の鑑。
その一方、堅物で不器用で融通利かず皮肉屋。序盤はまさにそんな感じ。
しかし、次第に情が移っていく。序盤と終盤ではがらりと違う印象。誰もがこの先生を好きになっている筈。
嫌われ者を愛され者に。ドラマとコメディの絶妙過ぎるバランス。これも全てジアマッティの巧さの賜物。
映画ファンや業界からも愛されるジアマッティ。そもそも嫌われの要因など無かった…?
ジアマッティの代表名演と言えば同じペイン監督の『サイドウェイ』。またまたペイン監督作で新たな代表名演を。『オッペンハイマー』のキリアン・マーフィーのアカデミー主演男優賞に異論は無いが、ジアマッティにも獲って欲しかったなぁ…。
名演がアカデミー賞で話題になった二人だが、もう一人。ドミニク・セッサ。
本作がデビュー。デビュー作がいきなりペイン監督作で名優ジアマッティと共演のラッキーボーイ。にしても、本当に新人ですか…?
問題児ならではのひねくれ感、嫌いだった先生と次第に交流を深めていく演技力、複雑な家庭環境でその苦悩を繊細に。終盤である人へ思いを語るシーンの表情と演技は絶品。本当に新人とは思えない…!
イケメンでもあるし、こりゃこれから売れるね。
ペインにしては珍しく、脚本は担当せず。
しかし、他人の脚本をしっかり読み取り、それを演出で表現するのも監督の才。ほとんど脚本を書かないスピルバーグやイーストウッド然り。
脚本家も本作が映画デビュー。この脚本とウマが合ったのか、純度100%のペイン作品に。
1970年代の雰囲気。会社のロゴも当時風に。これらがいい。
クリスマスの雰囲気。楽曲もいい。願わくば、クリスマス・シーズンに見たかった…。
アンガスのボストン行きは、やはりクリスマスらしい休暇をしたいからと言うが…。
学校の規則でも決まっており、ポールは反対。が、“社会見学”という名目で…。
メアリーは妹の家へ。ポールとアンガスの二人旅。
ボストン巡り。美術館ではポールがうんちく垂れるが、この時ばかりはアンガスも聞く耳立てる。いつもの講義もこうだったらいいのに…。
途中、ポールは学生時代の同級生と再会。何か訳ありで、見栄を張る。
実は意外や“問題児”であったポール。またまた二人に秘密と嘘。もう一つ。
良好な旅に思えたが、アンガスがこっそり抜け駆けしようとする。
結局これが目的だったのか。叱責し、がっかりするポール。
そうではなかった。アンガスの本当の目的は、父親の見舞い。
アンガスの両親は離婚。母親は再婚。アンガスは父親を慕っていたが、精神を病み、ボストンの精神病院に入院。
一目、会いたかっただけ。真意を知り、ポールも否定する理由は無い。寧ろ、言ってくれれば…。
久し振りの父との対面。嬉々として今の自分の事や学校の事を話すが…。
この直後のアンガスの表情と心情が悲しくも絶品。
落ち込むアンガスをポールはディナーに。メアリーも合流して。
ルール厳しいレストランに嫌気が差して、3人で駐車場で“ファイヤー・クリスマスケーキ”。
先生や生徒、思いがけない友人や交流を超えて、擬似家族のような…。
息子を失ったメアリーにとっても。
複雑な家庭環境のアンガスにとっても。
独りが好きだと言うポールにとっても。
一人で居るのも悪くないが、人は独りでは生きていけない。
人の温もりが恋しくなる時期、誰かと寄り添いたい、一緒にいたい、孤独を感じた時こそ…。
メリークリスマス。そしてハッピーニューイヤー!
年明けて、学校に普段が戻ってきた。
ポールもアンガスもメアリーも、普段通りに。
“居残り組”と冷やかされるけど、その実は…。
ところが、問題発生。原因はあのボストン行き。
アンガスが父親に会った事、それが発端で父親がまた家族と暮らしたいと暴れた事。母親と再婚相手が猛抗議。
ポールもアンガスも呼び出し。順々に話を聞く。
アンガスは退学になって母親が推し進める軍学校に行く可能性が…。父親も別の病院へ。
浅はかな事だったかもしれないが、言うまでもなくこの母親(と再婚相手)は毒親。自分の事しか考えていない。
軍学校に行きたくないアンガス。彼の事を思ってくれる大人はいないのか…?
いた。ポール。
学校の伝統に反してある嘘を付く。
そしてアンガスがどんなに素晴らしい青年か力説する。
彼の人生を滅茶苦茶にするな!
このシーン、響いたなぁ…。
嫌われ者の先生なんかじゃない。素敵な先生だ!
アンガスは退学を免れる事に。
が、ポールは退職。色々噂が飛び交う…。
あの休暇以来、二人で話すポールとアンガス。こんな形で…。
「君なら大丈夫」。これからの人生へ心強いエールと、固い握手。
人生を変えてくれた出会いや恩師ってよくあるけど、アンガスにとってはこのクリスマス休暇が。
ポールにとっても。「君なら大丈夫」は自分へのエールでも。再出発。
余韻たっぷり。心もほっこり。ちょっぴり切なくも、いっぱいいっぱいの優しい気持ちになれる。
ありがとう、と言いたくなる。
作中全体を包むアナログの温度
雰囲気が、ずっと好きだったなあ。
1970年代のボストンかあ〜。
1970年代っていうと自分の両親が幼少期、って感じだな。
改めて思うけど、この時代がもしかしたら一番楽しそう?
どの時代が一番、なんて決めれることじゃないし
当時渦中を生きてる人は「この時代最高〜!!」なんて思ってないだろうし。
だけど、客観的に見てこの時代ってほどよく便利でほどよく発展して。
見てて本当ちょうどいいなあ〜〜って思う。
自分はずっと夏が好きで冬が苦手だったのに、近頃冬の魅力に気づき始めてからこういう冬・クリスマス・年末年始、みたいな作品を見るのが好きになった。
寒さで頭がシャンッとする感じ、冷たい空気を吸った時のスンっとした感じ、部屋にこもりたくなる感じ...ああいうのが、とても好きになった。
だから今作の「ボストン近郊」という寒いエリアのクリスマス・年末年始のお話はとても好物だった。
まだ9月で暑さが続くけど、もうそろそろ寒さが訪れて来てくれても良いよって思う気持ちが、今作を見て倍増した。
青年アンガス役の子は、今作でデビューらしい。演技経験もないというのが信じられないくらい、すごくリアルで絶妙な演技をしていた。演技経験がないとうのが逆に良かったんだろうか。いや、そんなことないな、「初めてです」感出る人もいるもんな。だからこの子は上手なんだろう。コツを掴むのが。憎たらしさもありながら、まだ純粋さ、幼さももっていたり。そんな演技が絶妙に上手だった。
冬の屋内、1970年代の雰囲気、アナログのものたち、
すべてのものがなんか温かみ?温度?をもってる感じというか
包まれてる感覚、ほっとするような感覚があって。
ギザギザしてない、鋭利ではない、
全体的に角がなく、まるみを帯びている。そんな雰囲気。んー言葉で表すのは難しい。でもそんな感覚が心地よくて、この映画を見てる最中ずっと癒されていた、包まれていたと思う。
街の雰囲気も好きだったな。
ボストンに出かける、パーティーに出かける。
あの先生の車も格好いいし。屋外の本を売ってるところもよかったなあ。飲み屋の雰囲気も好きだった。ジムビーム、飲みたくなる。笑
店で断られたチェリーのお酒を使ったデザートを、3人で外で作っちゃおうぜってなってるシーンも好きだったな。
3人の距離の縮まり方が不自然ではないのも良かったな。
近づきすぎるわけでもなく、ほどほどにまだ距離はある、でも確実に前よりお互い愛着が湧いた感じ。
先生の部屋も好きだったなあ。物に囲まれてる感じ。
クリスマス当日の紙袋に入れたプレゼントの渡し方も好きだったな。
あの紙の感じ...そしてそれに入った本....
最後はどうなる?先生クビになっちゃったけどもしかしたら救済ある?と思ったけど、そういう全てを完璧にハッピーエンドにするみたいな演出はなく、至って現実的なエンディングではあったけどそれでも良かったんだろうな、と思えたのは最後の方のシーン、
学校を車で去る先生。途中おもむろに停車し、あの憎き校長からくすねた?高い酒を口に含んで「ぺェッ」と外に吐き出したシーン。
あれを見て、ああこの先生はきっと大丈夫。図太い。クビになってしまったけどきっと、なんとかして生きていく人だ。
そう視聴者がニタッと笑いながら安心できたシーンだったと思う。
ずっと、全体的に好きな雰囲気だった
こんなペースで、まずは自分の半径5-10mくらいの世界を一生懸命生きる気持ちで、しっかり生きたいなって思ったりした
超新星ドミニク・セッサに刮目!
アレクサンダー・ペイン監督作品、初鑑賞。
ヒューマンドラマ映画はほとんど観ないが、これは間違いなくいい映画。
とにかく全編にわたり演出の塩梅が絶妙。
クリスマス休暇で居残りになった、問題高校生と教師、カフェテリアのおばちゃんの2週間のハートフルドラマ。
これだけだと全く面白くなさそうなストーリーだが、小気味いいセリフと演技で飽きさせない。
教師ポール役のポール・ジアマッティ、メアリー役のダバイン・ジョイ・ランドルフ、
アンガス役のドミニク・セッサ(新人!?)、三人とも役に嵌っていて、誰かか欠けると映画が成立しない。
話が進むにつれ、三人ともそれぞれ深い悲しみを抱えていることが明らかになるが、過剰に泣かせたり罵倒させたりさせないのがとても良い。
印象的なシーン
・劇中の時代に合わせて、冒頭のユニバーサルのクレジットも昔のやつ、フィルムのノイズも再現しているのがニクい。
・ラストでポールとアンガスが分かれるシーン。ポールは解雇されるバッドエンドにもなりそうな展開だが、がっちり握手して別れる、という終わらせ方がとっても良かった。
人は自分のためだけに生まれてきたのではない
こないだ鑑賞してきました🎬
堅物教師ハナムを演じたポール・ジアマッティは味のある俳優さんですね。
初老と言える年代ですが、それだけにいぶし銀ともいえる演技を見せてくれます🙂
終盤でアンガスを庇ったシーンは、ぐっときます🫡
料理人メアリーを演じたダバイン・ジョイ・ランドルフも、アカデミー助演女優賞を受賞しただけありますね。
カーティスという一人息子を早くに亡くし心に傷を負いながらも、しっかりと前を向く女性を体現しています🙂
アンガスを演じたドミニク・セッサも、なかなか良いですね。
新人さんらしいですが、ハナムやメアリーと徐々に打ち解けていく過程は違和感なく観れました👍
見終わったとき、ほっこりする気持ちになれるヒューマンドラマですね😀
このジャンルが好きな方にはおすすめです❗
心境の変化と成長
メインの3人の関わりによる
心境の変化と、成長が
映像やすこしのセリフと共にしっかり伝わってくる
とても、入り込みやすく良い作品だった。
全体的にちょっとしたユーモアもちりばめられ
クスッと笑えるところもありつつ
本筋はしっかり筋が通り
心に響くストーリー。
個人的にはラストシーンの
先生が車で長年勤めた学校から出て行くシーンが好き。
ハングオーバーみたいなタイトル
堅物教師とやさぐれ生徒がクリスマスシーズンを共に過ごすことによって互いの良さを見出し、それぞれに変化が訪れるという非常にクラシカルでトラディショナルな物語。
決して自分の信念を曲げない先生が彼の為に自己犠牲を選んだ瞬間に、涙したよね…。
彼の生き甲斐である職を手放す覚悟で生徒の未来を選んだ。考えを押し付けるだけではなく、自己犠牲の精神も経験した彼はより良い教師になっただろうに…。
展開は誰にでも読めるものだけれど、やっぱり感動しちゃう。
でもちょっと物足りなかったかな。
予想外のことが起こらないし、少し長い。
あと、序盤に出てきた他の生徒たちの物語も見たかったかな。
まあでもクリスマスシーズンに観るにはピッタリの佳作。「ハングオーバー」と対をなす作品としてどうぞ。
忘れ得ぬクリスマス休暇
1970年の暮れ、マサチューセッツ州の寄宿学校で共にクリスマス休暇を過ごすことになった教師と生徒、給食係の心の触れ合いを描いた作品。おりしもこの年の夏、韓国クンチョンでは金塊を巡って海女さんとヤクザ、国税局が入り乱れての争奪戦が行われた(「密輸1970」現在絶賛公開中)。
学園は年末のクリスマス休暇を控え生徒たちは浮足立っていた。しかし家庭の事情から休暇を寄宿舎で過ごす生徒もいて、その管理を歴史教師のポールが任される。堅物で融通の利かない彼は他の教師からも生徒からも嫌われていたが人情には厚い部分があった。
最終的に母親と連絡が取れなかった問題児のアンガスだけが残り、アンガス、ポール、給食係のメアリーの三人で過ごすこととなる。休暇を奪われ再婚した母に不満を抱くアンガス、ただ彼にはそれだけではないもう一つ大きな悩みがあった。
メアリーはあえて休暇を取らず今回の仕事を引き受けた。ベトナムで戦死した息子の遺影が飾られてるこの学園で過ごすために。
成績優秀ながらも貧困ゆえに従軍を余儀なくされ戦死した一人息子。富裕層の能天気な落ちこぼれ生徒たちがいかに憎らしかったことか。食事の味が悪いのは彼女なりの富裕層への抵抗だったのかもしれない。
事務員の女性のクリスマスパーティーで羽目を外したメアリーは息子を失った悲しみに耐えられなくなって号泣する。そんな彼女を見て気の毒に思うポール。
アンガスは生真面目でルールにうるさいポールとはことあるごとにぶつかるが、うまく彼を丸め込みボストンへの外出を勝ち取る。
そこで二人はある人物と再会を果たす、ポールは大学時代の同級生と、そしてアンガスは父親と。アンガスのボストン行きの目的は最初から精神病院に入院する父との対面だった。
誇りにしていた父の変わり果てた姿、もはや話も通じない。さみしさと不安を口にするそんなアンガスを慰めるポール。
そしてポールも学生時代のつらい体験を告白する。彼も出自は裕福ではなく富裕層の同級生にあらぬ疑いをかけられ退学となっていた。彼も天涯孤独であり、いままで心を閉ざして生きてきたのだ、まじめな堅物教師という仮面をかぶって。
立場の違う教師と生徒、普通に学園生活を送っていては到底過ごせない濃密な時間を共に過ごした二人。この時間が二人を少しだけ変えてゆく。
ポールから勇気を与えられたアンガスはもう問題児じゃあない。信頼できるポールとの出会いが彼を大きく成長させた。そして毛嫌いしていた問題児の生徒との心のふれあいを通して自分をさらけ出したポールもアンガスをかばい学校を辞職することとなる。あの堅物で融通の利かない男が一人の生徒のために自分の身をささげたのだ。彼はアンガスを救ったが、彼もまたアンガスから救われたのだ。もう今までの嫌われ者のポールではない。
けしてここまで深くかかわりあうことのなかった立場の違う人間たちが偶然のきっかけで人生を変えるほどの出会いを果たした。
アメリカ社会の貧困問題や格差問題も余すことなく描いた心温まるヒューマンドラマの傑作。
ちなみに宿舎に残されるのはヘイトしていた一番の問題児の彼だと思ってた。彼に比べればアンガスはむちゃくちゃ好青年に見えるけど。
誰しも、気軽に人に話せない葛藤がある
舞台は1970年代のアメリカマサチューセッツ州だけれども、フランス映画にも感じてしまう。それほど軽くなくしっかりと胸に残る映画。
全寮制の寄宿学校でクリスマス休暇に家へ帰れず残る生徒たちの監督役をすることになった教師のハナム。
皆と同じように家に帰るはずだったが、母親が再婚し新婚旅行に行くため帰れなくなり、突然寄宿学校に残ることになった生徒のアンガス。
ベトナム戦争で、まだ10代の息子を亡くした寄宿舎の料理長のメアリーもまた残って一緒にクリスマスを過ごすことに。
それぞれに葛藤を抱えてて、それぞれが望まない2週間を過ごすこととなる。
だけれどもそうすることでだんだんとお互いの本質が見えてきて、家族のように思いやることができるようになる。
アンガスは思ったことがそのまま口に出て、人を傷つけることもしばしばで、生意気で憎たらしいが、見た目は大きくても子供なのだ。嬉しかった時の表情が何とも可愛らしい。
そのアンガスを見事にハナムが教育するように思ったが、2人の関係はそうではなくて、お互いを知り尊重し合う事でお互いを家族のように大切に思うというものだったのだと思う。
最後アンガスは退学せずに済んだが、ハナムはクビに。
アンガスの将来を思ってのハナムの選択だったのだと思う。きっと多分、アンガスはそれを忘れることなく、クリスマス休暇にハナムに教えられたことを糧に立派な大人になれるだろう。
最後の終わりもフランス映画っぼかった
劇中の音楽がとても良くて、たくさんのクリスマスソングが流れ、とても綺麗なコーラスが流れたり、ブルースっぽい曲も流れたり。クリスマスにもう一度観たくなるかもね。
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