ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのレビュー・感想・評価
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堅物教師 VS 傷心生徒
単なる教師と寮母と生徒という関係を越えて、まるで家族のような関係になっていく。じんわりと心が暖まる良作でした。
この2週間のホリデーで成長したのは生徒のアンガスはもちろんてすが、それ以上に教師のポニーだったのかもしれませんね。
まさにどっしりと構えた寮母のメアリーがとても魅力的でした。
古き良き反骨の精神
感想
1970年、東部マサチューセッツ州バードンスクール。クリスマスからニューイヤーのホリデイシーズンに、帰省により誰も居なくなった寄宿舎に寮監代行として残る事になった、訳アリの堅物歴史学教師ポールと別な意味で訳ありまくりで居残る事になった学生アンガス。そして、在学中にベトナムへ出征し戦死した息子の母親で寮に調理主任として住込みで働くメアリー。この立場も人生の環境も違う3人が織りなす、複雑で、心の傷みを弄りあう笑いあり、涙ありのペーソスが溢れる人間ドラマ。人は見た目では何を考えているか判らない。また、話をしてみないと人柄はわからない。『だから人生は面白い!」を地で行っている話が展開していく。
教育一筋40年にして堅物、融通のきかない頑固な性格が災いして軽蔑の視線を学生や同僚からも向けられているポール。この学校に入ってくる勉強嫌いの金持ちの子弟達。プレップスクールに入れて一定額以上の高額寄付金を納めれば名門大学への推薦枠を優先的に獲得出来るという事実。金で全てを解決していこうとする父兄と学校運営を良好にする目的の元、拝金主義に偏る学校側に疑念や不信を募らせ、年々頑固さが頑なになり、彼の授業は特に採点が厳しく修了年限内に単位が取得出来ず、大学推薦が決まっているにも関わらず、進学を棒に振る学生もいる。ポールにしてみれば学生本人の学問見識が低いだけだと思っており、何の責任も感じていない。
アンガスは学内でも反骨精神が強い学生。転校を繰り返しており、このバードン校を辞めさせられると後は州兵養成の為に設置されている陸軍学校に行くしかない。学内の成績は上位だが憎まれ口を叩くので教師からも一目置かれ、友人と呼べる者は一人もいなかった。
12月の試験が終わる頃、両親は離婚、母親が親権を獲ったが、母親は間髪を入れずに再婚してしまい、ハネムーンに行くという事でホリデイシーズンは一緒には過ごせない話になる。大好きな父親とも別れる事になりアンガス本人にとっては人生で最悪のホリデイシーズンとなったかに見えたが...。
この学校内の寮で学生達の食事を担当する食事主任のメアリーは最近、最愛の息子をベトナム戦争で失った。息子のベトナムへの従軍は計画的であり、一年間の従軍の後、退役軍人としての免責事項として大学進学の学費が全額国から支給される事を見込んでの行動であったが、帰らぬ人になってしまった。息子を失って最初のホリデイシーズンだったのだ。表面上は明るく振る舞うメアリー。休暇期間になり悲しみが再び彼女の想いに大きく広がっていく。
演出・脚本・俳優◎
人はそれぞれ。性格的にも得て不得手がある。休みの日の寮内に残された三者三様の考え方、感じ方など足りないものをお互い補いながら、そこにある本音と建前、生きる上での苦しみや悩みを互いに理解していく事で絆が生まれてくる。その経験がそれぞれの人生の糧となる様を描いた淡々とした演出が素晴しい。学生の真の人間性を認めていく変わり者教師ポールと黒人女性メアリー、悩み多き青春時代の学生アンガスの姿を歴史ある東部の学園風景と共に1970年の年の瀬のベトナム戦争が深刻化していくアメリカ世相を織り込み構成された見事な脚本。小品ながら味わい深い作品に仕上がっていた。ポール役のポール・ジアマッティは個性際立ついつも記憶に残る俳優。アンガス役のドミニク・セッサ。内向的性格と要領の良さを上手く表現していた。今後の活躍に期待。メアリー役のダバイン・ジョイ・ランドルフは本作で第96回アカデミー最優秀助演女優賞を受賞している。
⭐️4
本作で描かれている学校は普通のアメリカ国内にある公立高校(パブリックスクール)や私立普通科高校ではなく中西部湖水周辺、東部に比較的多く所在している東部名門大学に入学するための専門的教育を行っているPreparatory-School 所謂、プレップスクールである。そこに就学する学生をPrepie(プレッピー)と呼ぶこともあるが、尊敬の意味はあまりなくお金持ちのお坊ちゃんお嬢ちゃんを揶揄する蔑称の意味合いが強い
とされる。その点がイギリスのパブリックスクールとは権威的にも格が大きく異なる点である。学校形態としてはプロテスタント系キリスト教主義教育、男女別学、寄宿舎(ホールディング)生活が主流である。この特殊な環境を理解した上で、映画の中で描かれる情景や登場人物の会話を観ていくと話をより理解することが出来た。
⭐️4
人生の学びと他者への理解
#ホールドオーバーズ
心に沁みわたる温かい作品でした。
孤独を抱え反発し合いながらも少しずつ絆を深めていく3人。心情描写の過程が素晴らしい。
ユーモアな場面もありバランスが絶妙に良いです。ハナム先生が語る言葉にぐっとくるものがいくつもありました。
終盤の戦い方とそれぞれの歩む道に涙。
ほぼイギリス映画
日本人からするとニューイングランド寄宿舎内部にほぼ限定されているため殆どイギリス映画の雰囲気です。
変わり者の三人が自己中でありながら徐々に中心点に集まってゆくような不思議な味わいです。偽善的になりがちなストーリーをギリギリ寸止めでシニカルに、一方でホッとさせられるような絶妙なバランス感覚でした。
entre nous
前半がちょっと長いんですね。
もう少し早くアンガスにフォーカスしてもよかったのでは。
こういう家族の事情は友だちにも言えないからつらい。
メアリがあそこで泣いてしまうのも分かるんです。
皆は楽しそうでいいな、自分だって息子がいたら、とかつい考えてしまう。
ひとと過ごすクリスマスもいいけれど、時にはほっておいてほしいこともある。
ハナム先生は今までひとりでクリスマスを過ごしていたのかな。
ひとりでも全然いいと思います。
孤独な3人が“家庭”によって救われる ハートフルストーリー
のっけからレコードの針が盤を引っ掻く音と色褪せた画が出てきて、時代を感じさせる。上手く時代を作り出して引き込まれていく画と音の演出。いい感じに始まって映画に入っていくんですが、主演のポール・ジアマッティ扮する堅物先生が入った瞬間、
これは良き映画かもしれないと感じました。
時は1970年のクリスマスホリディ。ルールに厳格で融通が一切利かず、特異な体臭と古めかしい指導によって生徒から嫌われている独身の教師。成績良好だが、再婚した母がこの時期にハネムーンを予定したがために家に帰れず寮生活を強いられる青年。女手一つで育てた息子が戦死し、一人喪中の寮母。この3人が学校の寮でクリスマスを送るというストーリーの本作・・・
懐かしさと温かさを兼ね備えた名作であると感じました。
寮に残ることになった3人、誰しもが孤独と、それに付随する悩み、それも生い立ちという歴史からくる深い悩みを抱えているんです。それを隠すために、反動ともいえるような態度を取って、結局まわりから嫌われているのかなと。しかし、このホリディで3人はいつしか“家庭的”な生活を取っていくんです。自分の主張をぶつけ、時に深い傷をえぐってしまい、そのたび相手を理解していく。それが激しい論調ではなく静かに、しかし強く伝えるような感じなのがまたいい。観やすいし、なにより深く考えさせられる。相手を理解するとはこういうことなのかとも思ってしまう、大人のビターな感じがいいんです。しかしただぶつかるだけではない。そこには、ほんわかなコメディチックな緩さがあり、いいテイストになっているんです。そして、この“家庭的”な、“家族”のような雰囲気こそ、孤独を癒す最大の薬ではないかと、この映画は問いかけているように思うんです。そう、
“家庭”“家族”の存在の偉大さを、伝えようとしているのではないか。
また、堅物先生が「古代歴史」の先生であることも面白さを引き立てる。個人的に歴史が好きなんですが、彼が語る歴史の意義はとても心に残る。
歴史は過去を語り、そして今を説明する。
歴史によって自分の人生が決まることはない
なかなか深い!物事には過程があり、今の結果があるが、それが未来を縛ることもないということではないかと自分は思っています。
本作を監督したアレクサンダー・ペインは、ハートフルな作品を作るのが巧いと聞いていましたが、その噂通りであったと思います。また堅物教師のポール・ジアマッティ、寮母のディバイン・ジョイ・ランドルフの演技達者は見事ながら、残された青年役のドミニク・セッサの演技は魅力。若人ながらかなり魅力。この3人が魅せたことがより本作の評価を高くした理由です。
“孤独”を“家庭”が救う本作。この魅力、人付き合いが難しくなった現代にこそ、必要なんじゃないかと思います。そういう意味でも、本作は名作です。
青春に期限は無い
クリスマス休暇に沸く寄宿学校が舞台。
成績は優秀だが素行が悪く友達のいないタリー青年と、豊富な知識を持ちながらそれを嫌味たっぷりに披露するせいで生徒から嫌われる教師ハマンの物語。
派手な事件は起きない。
画面も古めかしい。
けれど、だからこそ、登場人物たちが少しずつ心を通わせる様が濃密に描かれていて心地いい。
再婚した母親から疎まれ、クリスマスすら帰ることを否定されるタリーの孤独と寂しさを、ハマンが不器用に埋めていく。
そしてハマンの孤独をタリーが乱暴な手段ではあるが解していく。
青春映画だ。
素晴らしかった。
心寄せ合う家族像…まだまだ未来はある!
誰もが帰省の喜びに浮き足立つクリスマス休暇
校長をはじめ同僚や生徒からも嫌われてる頑固者の非常勤講師ハナム
カリブ海でのバカンスにテンション上がりまくりだったのに母親の一方的な都合でキャンセルされた生徒アンガス
愛息子を戦争で亡くした料理長メアリー
それぞれの事情でボストンの全寮制男子校バートンに居残りになった年齢人種階級も違う3人の物語
派手さはないがいちいち心に沁み刺さる台詞がじんわり胸に響くのであります
シビアでチクリと世情を風刺している辛めのユーモアにアレクサンダー・ペイン監督の深隠い人間観察力の鋭さを感じました
3人で出掛けた学校関係者のクリスマスパーティ
いつも冷静で凛としているメアリーが取り乱し号泣してしまう
幸せに浸る参加者達の中で一気に哀しみが込み上げてしまったのかと見ている私まで胸が締め付けられる思いでした…
3人でテーブルを囲んだ際メアリーの手料理に
アンガスが感謝を述べる…とても純粋で愛らしい少年のままのシーンが一等のお気に入りです!
70年代の音楽やビンテージっぽい映像は抜群に冴えていましたしオスカー助演女優賞を獲得したダヴィン・ジョイ・ランドルフをはじめ俳優達の演技力アンサンブルの素晴らしさに目が離せませんでしたね
人生は辛い事もあれどそこそこ悪くもないかなぁ
映画の深さと力を得られ世代を超えて楽しめる
この作品をぜひ!皆さんのホリディにご鑑賞下さい⭐️
ファミリー・ツリーやサイド・ウェイ同様
定期的に観たくなる作品になりそうです!
良い映画を見たという満足感
[ホールドオーバー…残されたもの、残留者]
2週間のクリスマス休暇だが、帰る場がなく寄宿舎に残る男子高校生と、その監督者の歴史教師、賄の黒人女性の3人。彼らはそれぞれ、人生においても置いてけぼりになった人たちだった。
嫌われ者の3人が隔絶された環境下で心を通わせていく、と書くと、いかにもありきたりのストーリーに思えるかもしれないが、決してそんなことはない。心の機微を繊細に、情景描写も美しく、実に良い映画を見たという満足感で一杯になった。
名門高校の施設が、格調高く立派なのには驚いた。
自分以外の者に対する愛情の覚醒
偏屈な老教師と反抗期の男子高校生と息子を戦場で失って立ち直れない調理担当の女性。目の保養になるようなキャラクターはいない作品だったけど、見終わった時に穏やかな気持ちになった。
予想外だったが、いいストーリーだった。
自分以外の者への愛情の注ぎ方が苦手な3人が、日を追うごとに変化していく。
それにしても、アンガスって老けてないか。
ジアマッティ
ジアマッティを初めてみたのは「交渉人」だった
当然、脇役だが軽薄な密告者を見事に演じており、強く印象に残った
そんな彼が主演するとは!
(あのスパイダーマンのヴィランに決まっていたのに幻となった不運もあった)
必ず見なければと鑑賞してきた
人生はうまくいかないからこそ面白いと思わせられる作品だった
この映画が好きなかたには、私の大好きな映画「セント・オブ・ウーマン」も観ていただきたい
Why didn't you ask me?
丁寧に作られた物語で、衝突が融和して変化していく過程が緻密に描かれていた
2024.7.2 字幕 イオンシネマ京都桂川
2023年のアメリカ映画(133分、PG12)
クリスマス休暇で帰れなくなった生徒を世話する偏屈な教師を描いたヒューマンドラマ
監督はアレクサンダー・ベイン
脚本はデビッド・ヘミングストン
原題の『Holdovers』は「残留者たち」「囚われている人たち」という意味
物語の舞台は、1970年の12月のアメリカ・ニューイングランドの寄宿学校
その高校の出身者である教師のポール・ハナム(ポール・ジアマティ)は、数十年を母校に捧げ、今では教え子ハーディ(アンドリュー・ガーマン)が校長を務めるほどになっていた
彼は生徒に厳しく、富裕層で寄付者の子どもだろうと容赦はしない
その対応は校長にしわ寄せが来ていて、教師間でも距離を置く人間が多くなっていた
そんな中でも、校長の助手ミス・クレイン(キャリー・プレストン)は分け隔てなく接し、彼は密かな思いを抱いていた
その年の冬、クリスマス休暇であるにも関わらず家に帰れない子どもたちがいて、その管理者を誰にするかを押し付け合うことになった
当初はエンディコット先生(ビル・モートス)が受け持つはずだったが、彼は母の病気を理由にして、最終的にはポールに押し付けることになってしまう
残ることになったのは、素行が悪いクンツ(ブレイディ・ヘプナー)、遠くて帰れない韓国人留学生のイェジュン(ジム・カプラン)、両親の宗教が原因のオラーマン(イアン・ドリー)で、両親が旅行中のジェイソン(マイケル・プロヴォスト)は都合がつき次第帰ることになっていた
そんな中に、生徒の中でも嫌われ者のアンガス・タリー(ドミニク・セッサ)が加わることになる
彼は父トーマス(ステファン・トーン)が精神病院に入院していて、母ジュディ(ジリアン・カプラン)は離婚し、スタンリー(テイト・ドノヴァン)と再婚していた
スタンリーが多忙のために新婚旅行に行けておらず、この機会を使おうと考えていたのである
映画は、ポールが5人の生徒と、寮のコック長メアリー(ダバイン・ジョン・ランドルフ)、用務員のダニー(ナヒム・ガルシア)たちとクリスマス休暇を過ごす様子が描かれる
その後、ジェイソンの父(グレッグ・チョーポリアン)が迎えに来たことで、タリー以外の生徒が一緒にスキーへといってしまう
タリーは両親と連絡が取れずに許可が取れず、彼一人が取り残されることになってしまうのである
映画は、偏屈なポールと頑固で制御不能なタリーの交流を描いていて、メアリーとダニーは場を和ませる役割を担っている
ポールは課外学習との名目でタリーが行きたがっているボストンへといくのだが、そこでタリーの父の精神病院へ行ったことがバレて、事態はややこしくなってしまう
さらにボストンでは、ハーバート大学時代の同級生ヒュー(ケリー・オコイン)とその妻カレン(コレーン・クリントン)と再会することになる
ヒューはハーバードを中退した元凶でポールは自身が成功していると嘯きその場を取り繕うのだが、タリーはそれに加担する格好になってしまう
ポールはタリーに自分の過去を語り、それがタリー考え方を変えていくことにも繋がっていくのである
映画は、少し長めの上映時間だが、そこまで長さを感じさせない印象
青春期の危うさが全開になっているが、騒動の顛末をポールの決断で締めるのは良かったと思う
精神的な父親代わりになりそうなポールは、彼をこの時点で転校させることは人生に悪影響だと考えていた
過去を清算する意味合いも含めて退職を決意したと思うのだが、縛りがなくなったとは言え高齢なので、これから彼がどのように生活をしていくのかは気になってしまう
メアリーからもらったノートに執筆を始めるかもしれないが、隠居するにはまだ早いので、どこかで教師を続けてほしいなあと思ってしまった
いずれにせよ、問題を抱えた教師と、大人の問題に晒されている生徒の交流を描いているのだが、この擬似的な関係がうまく融和していく過程は綿密だったと思う
この二人だけだと空気が最悪なまま進んでしまうのだが、メアリーとダニーがいることが緩衝材になっていた
二人は自分が抱える問題に内向していく中で、メアリーの問題が浮上して物語が転換するし、ミス・クレインのパーティでの顛末もなかなか見応えがあった
最終的に校長室での一件が物語を締めるのだが、四面楚歌の状況で男を貫いたのは良かったと思うし、それをタリーが知ることがないというのも良いと思う
卒業して再会するときには、タリーは彼自身が臨む大人になっていると思うので、生理的な父、環境的な父、そして精神的な父がいることは彼の人生にとって幸運なことだったのではないだろうか
ウェルメイドな’70年代風のクリスマス映画。接点のない取り残された人々のぎこちない心の交流。
冒頭のユニバーサルのマークから、オープニングのクレジットの出方など、全編’70年代映画を思わせる懐かしい雰囲気の温かい映画。
年齢、性別、人種、立場も全く異なる人たちが集い、過ごすクリスマス休暇の日々。
おおよその展開が想像できても、期待していた通りの内容が良かったです。
数あるクリスマス映画の良作の1本となりました。
今では少なくなったこういう映画をもっと観たい!
おいてきぼり
1970年代の全寮制の寄宿学校で、嫌われ先生とクリスマスに家に帰れない生徒、息子を戦争で亡くした寄宿舎の食堂の料理長の話
それぞれ立場も異なり、問題を抱えているようだけど、
う〜ん?って感じでした。
僕的には共感する所もなかったしおいてけぼっちでした、
たった2週間の出来事なのに。
孤独を抱えて生きてきた先生の、皮肉だけど的を得ている言葉が、キラキラ散りばめられてて、なんとも心地の良い時間でした。
バートンが、彼のすべてだったのに、それを犠牲にしてもタリーを守ったなんて。
バートンマンを貫いた先生が、ホントに素敵。
頑なだったタリーが、2週間で得た擬似家族体験は、それまでの彼の人生になかったものなんだろうな。
そのことを素直に言えるまでになったのも、身近な大人たちのお陰。
アメリカ東部のトラディショナルな雰囲気も素敵。
う〜ん、ジンビームが飲みたくなる!
暑い日にクリスマスの映画見るの好き
スマホもSNSもない世界は優しかったんだな。
世代や立場を越えて分かり合えたりするんだな。
いいないいな人間っていいなって思いたい人は観て。
この映画を見ていると人間関係を疎遠にしてるのはデジタルガジェットなのかもって思えてきちゃいますね。村上春樹もケータイのある世界は書けないって言ってたし、デジタルガジェット出てくると絵の情緒が確かに崩れるから多分もう人情咄は過去を舞台にした映画でしか描けないのかもしれませんね。そもそも人情という言葉自体がノスタルジックだし。
あと70年代の雰囲気が完璧に出せるだけの小道具やクルマや洋服が残ってるところがアメリカの凄さよね。たぶん日本で傷だらけの天使とかあの年代の雰囲気そのままでリメイクするなんて不可能だもの。あと視聴者である私たちがそれを求めていないってこともあるのかも。
ファーストデーとauマンデーが重なった不幸な7/1日に映画コムをざざっと見て目についた本作をなんの情報も入れずに観たんだけど、あらゆる映画の先人達へのリスペクトが行き届いたプロの映画屋さんの仕事は心の底から信用できました。超絶オススメ。
途中まで置いてけぼりでした😅
なかなか入り込めず、誰にも感情移入できず、かといって俯瞰して観るタイプの作品にも思えず、ああ、どうしよう…評判が高いのに、自分には合わないのだろうか…と思っていたら、終盤でがっつり心を掴まれました。
なんでそれまで退屈に感じたんだろう❓
下ネタが多かったからかな❓
自分が嫌われ者だと指摘されるのは辛いもの。
けれども、多少、人から嫌われてもどうってことない、元気に生きていこうという気持ちにさせられる。
アンガスも、困った子ではなく、困っている子だった。
スマホが出てこないのもよかったな。
みんなに好かれたい気持ちが強すぎて疲れている人に観てもらいたいです✨✨
渋いブレックファーストクラブ
ポールジアマッディを主演に今風とは真逆のこんなとるにたらないささやかな話を映画にできるのならやはり応援したくもなるアレクサンダーペインの新作。
新作と言っても本当に地味な話だ。地味過ぎるブレックファーストクラブというか、のっけから今どきあるはずのないフィルムノイズサウンドノイズを、まるでタランティーノやリンクレイターの懐古主義のいたずらのようにゆる〜くかませてはじまり、全寮制のおぼっちゃま校のクリスマス休みがはじまり、ひとりひとりと皆が待ってる人の元に去っていき、待ってる人のいない寂しい3人が広い高校にポツンと残らざる得なくなる休暇物語。70年辺りが舞台なのでクルマや食べ物様々な小物もハルアシュビーやアルトマンやパクラやニコルズやイーストウッドやアーサーペンとかの時代と企画を思い出したりすると『小さな巨人』を観に行くシーンがあって「面白いうえに歴史考証がしっかりしてる」と映画館で話したりしていて笑う。
体臭が匂うと劇中でも言われる嫌われ者の歴史の先生の設定が、本当に匂いそうなほどなのが、だんだんだんだん匂わなくなる、というか、最後はイーストウッドの映画ばりにかっこよくなるまでに魅せる映画というか。正直フィルムノイズなど入れなくていいと思うし、偶然なんかの二本立てで観たりするほうが(今どき二本立てがないけど)最も威力のある出会い方の気もするけど、こういうのこそ、ポップコーン片手に観たい気がする。
こっちの目だ、世界を見てるのはこっちの目だ、は相当痺れた
帰りの電車で思い出して泣くほど
アレクサンダー・ペイン監督最高傑作の呼声も高く、宇多丸師匠も激推しだったので観てみたら傑作で、帰りの電車で思い出して泣くほどでした。
70年代風の温かみのある映像と音楽も素晴らしく、シニカルなギャグも冴えわたってました(99%の摩擦と1%の愛情は笑った)し、リピート確定です。
ペイン監督の「大切なことは、他人に対する思いやりや敬意なんだ。それがない人はちんこの癌じゃないか」というメッセージは、これからも僕の心を暖めてくれるでしょう。
全231件中、101~120件目を表示