ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのレビュー・感想・評価
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人生捨てたもんじゃない!
名門バートン校の寄宿舎でそれぞれ苦悩を抱えながら生きている3人が、クリスマス休暇中に置いてきぼりで一緒に過ごす事になり、いつしか相手を思いやり絆が生まれて行く。3人ともとても個性的でいい味出している。仲間に入れてもらって、ソフアーに腰掛け、TV見ながら一緒にお酒飲みたいなーなんて気分になる。アンガスは見た目も良いけど、性格も良いな。いろいろあって、やんちゃで生意気だけど、心根はとても優しい。おねしょのシーツもそうだし、ハナム先生が困らない様に庇うところも‥今は辛くても、幼い頃に父親と母親?の愛情をたっぷり受けて育ったんだと思う。そうじゃないと、あの若さであんなに人の気持ちを思いやる人間には中々なれないよ。久しぶりに、素敵な映画を観る喜びと幸せ感じたわ❣️。いい一日だった。
会話劇のバッググランドを理解して観たい映画
またまた高評価の嵐であったため、前知識なく挑戦。
序盤の展開がパッと見はスゴい地味なんですよね。70年代の男子校の中での、人間のやりとり。こっちから積極的に理解をしにいかないと、「面白い」と感じにくいんですよね。前半は(観る側の問題なのですが)ウトウトしながら鑑賞してしまい、人物の人間性なりバックボーンなりを理解せずすぎてしまいました。
中盤以降、分かりやすい場面展開で物語が進むのですが、それぞれの「事情」が段々と分かってくることで、映画の厚みを、理解できます。
ラストの先生と彼との握手のシーンは名シーンですね。目頭が熱くなります。
70年代のアメリカの黒歴史(主にベトナム戦争)という背景をちゃんと理解して観るべき映画でした。
口コミでロングランになりそうな良作
受賞歴も知らずストーリーも地味だけど個人的に縁がある部分があったので見に行ったら平日なのに結構埋まっていてびっくり
ミニシアター系の佳作はたまに出会うけど、この作品はクスッと笑えるところが多く(実際声を出して笑っていた人も何人かいた)最後ほっこり終わるかと思いきや斜め上のエンディングも良かった
日本に配給してくれた会社あっぱれ!と思ったらオッペンハイマーやPERFECT DAY S、パラサイトも配給している会社でなるほどね
通り一遍ではない良い映画が見たい方におすすめです
Bon voyage
ダヴァイン・ジョイ・ランドルフさんがアカデミー賞で最優秀助演女優賞を受賞した事だけを頭に入れての鑑賞。
どんな作品かはあらすじでフワッと触れたレベルで、そういえば予告とか全く観なかったなーと思っていたり。
これはダークホースだ…!想像以上に面白く、自然に感動できる作品になっており、観終わったあとにとってもほっこりできる理想的なクリスマス&年末映画でした。
斜視の症状を持つ教師のハナム先生と、ママが新しい夫とバカンスに行くがために学校に残れと言われたアンガスと、息子を亡くしている学校の料理担当のメアリーの3人で繰り広げられるなんて事ない休暇に色を付けていく物語で、最初はソリの合わない感じだったのに、互いの心情や行動について理解を含めていくと、どんどん相手を大切に思うようになっていく構成が本当素晴らしくずーっとトキメキながら観ていました。
最初こそ5人の居残り生徒がいたものの、途中でヘリで迎えにきてくれて4人は戻れるのに、アンガスのママは連絡がつかないというなんたる奔放っぷりに憤りを感じましたが、結果的に3人の距離を近づけるきっかけになっていく展開はエモかったです。
アンガスが年相応にハナムを振り回す中で、体育館のジャンプ台から思いっきり飛んでからの脱臼で大慌てのハナムが病院へと連れていく過程でグッと関係性が近くなって、痛々しいところですがフフッと笑える構図になっていたのも良かったです。
メアリーとお酒を飲んだり、恋愛ショーを見てキャッキャッウフフしていたのも微笑ましく、その中で体臭について指摘されて、ウッとなっていたのも良かったです。
ボストンに行ってからはガラッと流れが動き出して、親子のようにキャッキャッするハナムとアンガスがとても良いですし、メアリーが妹宅でまったりしてるのも良いですし、旧友と出会った時に嘘をついたハナムをアンガスがフォローしてくれたり、ジムビームを買う時に武勇伝をワッハッハと語っていたら店主に殺人犯と蔑まれたりと、笑いどころも多く含まれていて最高でした。
アンガスの真の目的は父親に会いにいく事で、最初こそ事情を説明しないアンガスを引き留めたハナムだったけれど、事情が分かってからは二つ返事で介護施設にいる父親への元へ向かい、再会を見届けるというのもわだかまりの解消ができていてとても沁みました。
この災害により、父親が元の家へと戻れる希望を持ってしまったがために不安定になってしまい、元嫁に違う施設に送られるという事情は分からんでもないけれど…もう少し責任持とうぜ…と元嫁に憤りを感じるくらいには感情移入していました。
クリスマスのレストランでは、お酒の入ってるスイーツは提供できない、いやしてくれの押し問答が面白く、ならばアイスとチェリーを持ち帰って、ジムビールをかけてなんちゃってスイーツに火をつけて燃えまくって友達のように笑い合っていて微笑ましかったです(はよ消化しないとヤバいことにはなりますが笑)。
ラストシーンもこれまた良くて、結果的には学校を追い出されてしまうハナム先生の元に全力疾走でやってくるアンガスが軽口を叩いて、熱い握手をしての別れが物悲しいはずなのに、どこか前向きになれる感じで良く、THE・恩人なハナム先生と自分も握手したくなりました。
空気を重くしないためにこっちの目を見て話してくれよと呟いたりしてほぐしてくれるのも良かったです。
役者陣もこれまた素晴らしく、特にアンガス役のドミニク・サッセ君は学校で行われたオーディションで選ばれたとのことなので、ほんまに良い子連れてきたわ〜と拍手したくなりました。
音楽も70年代の緩やかな感じが素敵で、背景のインテリアも部屋に飾りたくなるくらいオシャレでとても好みでしたし、街並みもこれまた美しいもんですから、どのシーンを切り取っても良いな〜という感動がありました。
夏場だけどクリスマス映画ってのも良いな〜となりました。
きっと今年のクリスマスのお供になる作品だと思います。上半期滑り込みで傑作キター!
鑑賞日 6/26
鑑賞時間 16:05〜18:25
座席 E-10
「新たな金字塔が誕生」という大袈裟なフレコミはウソじゃなかった!
取り残された人たち
結局
最初は全然タイプの違う2人な感じですが、結局、よく似てるのかあ?って言う感じでしたね。気持ち的に互いをかばいあう関係にまでなったのは、やはり置いてけぼりになった短くも濃厚な期間があり、互いを理解できたからですね。
堅物教師が変わっていくのはいいけど
寄宿学校という空間
アントルヌー《我々だけの話》
楽しみにしていた作品だったのですが、そのぶん拍子抜けしてしまったかも。
まず、居残り組を二段階に分けた意味が分からない。
もちろん、それによりアンガスの孤独感がより強まる側面はある。
でも、300人が一気にいなくなる方が画面的な印象は強いし、テンポもよかったと思う。
残りの4人が後半に効いてるとも思えないし。
また、派手なイベントが必要とも思わないが、地味すぎる上に繋がりを感じなかった。
リディアの姪とのキスとか、一体なんだったのか。
ってか、ボーリング場とかでもアンガス、やたらとモテてないですか?(クソゥ
それより何より、アンガスが父に会いに行く場面ではちゃんとポールに相談してほしかった。
あの段階に到ってもまだ信頼築けてないのか、と。
事前情報では3人の話っぽいが、メアリー成分は薄め。
言ってみればひたすらルート弾きしてるベースのような立ち位置で、それはそれでいいのだけど…
パーティでやさぐれたり、妹の家に行ったり、変なとこで強めに主張してくるのでバランスが悪い。
最初からポールとアンガスに絞った方がよかった。
最後にアンガスを庇ってクビになるのは定番だが、イマイチ響かなかった。
途中で無駄打ちせずに、ここで初めてポールがウソを吐く流れにするべきだったのでは。
クソ親は何も変わらないし、なんだかスッキリせず。
アンガスが脱臼するシーンなんかは面白かったし、チェリージュビリーの一連の流れは好き。
陰茎癌
学級崩壊から始まる人情噺
まずは題名から。ホールドオーバー=holdoverとは、”留任者”とか”残留者”、”残っている人”という意味だそうです。落語に「居残り佐平治」という古典の演目がありますが、英訳すると「The Holdover "Saheiji"」というところになるのでしょうか。「居残り佐平治」で言うところの”居残り”とは、遊郭で金を払えずにそのまま拘束されてしまうという意味であり、計画的に”居残り”をして廓に拘束された佐平治が、幇間の真似をして客から祝儀を貰うという、滑稽で面白おかしい”廓話”でした。
一方本作は、時はベトナム戦争当時、1970年末のクリスマス前後の時期の半月ばかりのお話で、場所はボストン郊外にある全寮制の寄宿学校・バートン校を舞台に、クリスマス休暇で殆どの生徒が家に帰ったり旅行に行ったりする中、家庭の事情で”居残り”をする羽目になったタリーと、彼の監督をするためにやはり”居残り”となった嫌われ者の教師ハナム、そして彼らに食事を給仕する給食担当メアリーの3人の、実にハートウォーミングな”人情噺”でした。
三者三様に複雑な家庭の事情や暗い過去を抱えた彼らでしたが、タリーは手が付けられないような悪ガキだし、ハナムもアカハラ要素たっぷりの教師で、通常の授業が行われている時も全くソリは合っていない感じでした。特に”居残り”になってからはその対立関係がより先鋭に。でも最愛の息子(彼もバートン校の卒業生だった)をベトナム戦争で亡くしたばかりのメアリーの不思議な求心力により、徐々に相互理解が生まれてくる展開に。
一番良かったのが、お互いに包み隠さない本音をぶつけ合うことで、ショックを受けつつも徐々にお互いを人間として認めていく過程でした。特にハナムの強情とも言える生徒に対する厳しい態度が、実は彼自身の学生時代の出来事に由来したものであり、それを聞くとこちらも納得すると同時に、彼への共感が生まれました。たまたま出会った学生時代の友人に嘘を吐く虚栄心も、彼の人間らしさを十二分に表現したエピソードだったと思います。そして既に信頼関係が生まれていたタリーも、調子を合わせてハナムをサポートするあたり、もはや擬似的な親子関係になっていたように見えました。
最後は退学寸前の擬似息子・タリーを、自分の人生にとって最も大切な教職を投げうって助ける擬似父・ハナムのカッコ良さは、実に清々しくかつ感動的なものでした。
今年の米国アカデミー賞作品賞のノミネート作品であり、メアリー役のダバイン・ジョイ・ランドルフは助演女優賞を受賞しただけあって、すこぶる前評判も高かった本作でしたが、期待を遥かに上回る良作でした。
そんな訳で、本作の評価は★4.5とします。
孤独を抱えた者たちの温かなholiday。
寄宿学校に通う子どもたちはクリスマスを家族と過ごすために各々家族の元に帰っていく。そんな中家族と過ごせない事情を持つ数人の生徒と、寄宿学校で最も嫌われ者の教師が寄宿舎に残ることに……。
それぞれの持つ課題や過去の確執、トラウマを乗り越えながら成長していく姿を温かく描いている。
生真面目で皮肉屋、学生や同僚からも嫌われている教師ポール、息子をベトナム戦争で亡くしたメアリー、精神病の父との別れと母の再婚に振り回される生徒……。悩みや問題を抱えた3人が2週間、家族のように支え合い寄り添うことで、新たな希望と変化が起こる。
メアリー演じる女優さんの演技が素晴らしかった。
日本では季節外れな時に上映されているけれど、クリスマス前後に大切な人と観たい映画の一つです。
さようならが温かい
これまでにアカデミー賞脚本賞を2回受賞しているアレクサンダー・ペイン監督の新作。
ポール・ジアマッティ演じる超地味なハナム先生の下手くそ人生に涙。
長期休暇はひとり者には結構ツラい。
1971年の設定。
全寮制の名門男子校のバートン校。
ベトナム戦争でバートン校卒の一人息子を亡くした黒人の学食の料理長メアリー·ラム。
母親が息子との休暇旅行をドタキャンして、再婚相手との新婚旅行をとったため、居残ることになったひねくれものの優等生アンガス·タリー。
糞まじめで、生徒の成績評価も超厳しく、教師仲間からも嫌われている斜視の考古学が専門の歴史教師ポール·ハナム。
トリメチルアミン尿症による体臭も嫌われる要因らしい。
映像の作りも挿入される音楽もレトロ。日本人にはわかりにくいけど、トム・ハンクスのフォレスト・ガンプよりいいと思う。地味たけど。
優しいカントリーフォーク調の主題歌。
オールマン・ブラザーズ・バンドのメモリー·オブ·エリザベスリードもちょっと流れたけど、メインストリームではない。
ボストン美術館に行ったことあり。
すっかり忘れてたけど。
ハーバード大学構内にも行きました。
リスがいっぱいいました。
ボストンといえば食べ物はクラムチャウダー。
アイスクリームにチェリーを載せて、ラム酒をかけ、火を付けてアルコールを飛ばすデザート(名前は忘れた)で意気投合する3人のシーンがよかった。
Penile Cancer in human form「ヒトの形をした陰茎癌」はちょっと何言ってんだかわからない😎
残念だったのはauマンデーのTOHOシネマズ池袋にコメディーポップコーンデート映画と勘違いしてか、はじめからたいして面白くないギャグで声出して笑ったり、喋ったりのバカカップルが同じ列(H)にいた事。エンドロール始まるや
いなや退散しおった。ザマミ。
もう一回日を変えていかなきゃね。名作だもん。
熱中症になりそうな夜に観たけど
自分を除き、この映画を観る人は本物の映画通だと、数々のレビューを読んで思う。重なってしまうが、私が好きなのはアルコールの入ったデザートを出さない融通の利かない店員に悪態をつくポールの姿。自分も生徒たちにそうだったくせに。嘘をつかないはずなのに嘘をついたり、数々の悪態にクスクス笑えるシーンがたくさん。それでいて、少ししんみりさせる場面もある。父親のようになってしまうのではないかと不安を抱えるアンガスに、君は大丈夫と励ますところが、ベタではあるが名優の演技で、すんなりと心に沁みる。笑わせたい、泣かせたいが強過ぎなくて脚本が絶妙。熱中症になりそうな夜ではなく、一人寂しいクリスマスにもう一度観たい映画。
できればクリスマスシーズンに観たかったけど、仕方ないか… オープニ...
こういう映画が好きって人が多いと嬉しい
こういう映画を久しく観てなかった、こういうのが観たかったんだよ。
派手さはないけど、絆が芽生えて、壁を乗り越えて、一歩前進する姿はストレートに感動する。
変に泣かせるような感じもなく、ユーモアも多くて楽しかった。
ラストのほろ苦さも、先生も変わったからこれからも大丈夫と思わせる明るさを残してくれたので全然自分は嫌じゃなかった。
未来ある若者のためにこんな風に動ける先生はかっこよかった。
序盤の先生じゃとてとじゃないけどそんな行動とらなかったろうね。
俳優については申し訳ないくらい知らないのだが、みんなよかった。
特にアンガス役の彼はすごい。
手足がヒョロ長くてもう充分大きいけど、家族や友人のことで傷つき悩みを抱える年頃の若者にはまっていた。
メアリーにもう少しだけフォーカス当たるといいなと思ってしまったが、2人の橋渡しとしてちょうどよい距離感が出てるのもよかった。
あと最後に音楽。よかった。
70年代、みんなオシャレでいいな。
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