ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのレビュー・感想・評価
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エリザベス・リードの追憶
立場や背景の異なる三人が様々な行き違いをきっかけにお互いの痛みを知って一皮ずつ剥ける、という良い話でハッピー過ぎない余韻もナイスなんだが、所々で出てくるクリスマスに因んだキリスト教的「おやくそく」がちょっと煩わしいかな。
自省録は割と面白いと思う。
「吊り橋効果」ではないのだけれど
あり得ない状況下に置かれると人は相手の事を実際よりも高く評価してしまい、その結果燃え上がるが、その先は……、或いはスキー場や登山中に出逢った相手が物凄く美形に見えたが下野してみるとなんてことない。
それとは違うけれど、ある意味逃げ場のないシチュエーションに閉じ込められた面々が時間を掛けながら心を溶かし合い、深く関わっていくようになる。
1970年という通信手段が限られた時代だからこそできた年齢を超えた交流だったのかもしれませんね、かといって「あぁ、あの時代は良かったよ」なんてノスタルジックになることもなく、現代を否定している訳でもありません。
きっと今は今で他人と深いところで繋がる手段はあるはずですから。
話しを本作に戻すと、登場する主要3人が心根の優しい人であるのが素晴らしい!物語に彩を与えてくれています。
そして本音と建て前、嘘とまことを上手に使い分け、どんどん善き方へ回転して行く様が心地好かったです。
アメリカは大戦の後もベトナム戦争もあり、心に傷を負った人々が多くて、平静を保つことが難しかったのでしょうが、それでも凍てついた心を溶かすのは優しさなんだと気づかされてくれる作品でした。
冒頭の古いユニバーサルのロゴの時点で5億点だけど、雪景色や空気感、...
冒頭の古いユニバーサルのロゴの時点で5億点だけど、雪景色や空気感、ボストンというのが『さらば冬のかもめ』を思い出すなと思ったけど実際ハル・アシュビーをリファレンスにしたとか。キャット・スティーヴンスは『ハロルドとモード』からかな。
キリアン・マーフィーに文句言うわけではないけど、このポール・ジアマッティにアカデミー賞あげないのはどうかと思う。
最高だったので、語りすぎました
これは…本当に素敵な作品でした。
嫌われ者の他人同士のクリスマス休暇、ですが、ここに理想の親子の関わり方を感じて、とても勉強になりました。
ポール・ジアマッティさんが素晴らしいのは言わずもがなですが、アンガス役の新人のドミニク・セッサさんがとても良かったです。
見た目は大人っぽい高校生ながら、やんちゃで繊細で、まなざしが少し寂しげで、親の年代の私から見ると、本当にかわいらしいのです。
台詞も多いし、ベテランのポール・ジアマッティと対等にやり合って遜色なく、逸材っているのだなぁと驚きました。
こんな息子がいたら、めっちゃ可愛がるのに〜。しかも頭が良くて優秀なんですよ、最高。
しかし彼は、心に満たされないものを抱えていて、教師のポールもまた複雑さを抱えています。
そこに息子をベトナム戦争で亡くしたメアリーも加わり、凸凹で不思議なクリスマス休暇を過ごすわけです。
一見、ありがちなハートウォーミングな物語かと思いきや、人間関係、信頼関係の構築を丹念に描いていて、人生の機微やほろ苦さも秘めているお話。
アンガスはまだ心の中に幼さを抱えていて、父親がいるものの、頼れる、導いてくれる存在ではないために、不安定な状態。
ポールは持ち前の真面目さ、厳しさでアンガスに接して、当然反発を受けるわけですが、素晴らしいと思うのは、どんなに彼が荒れても、一切見捨てないところにあります。
これが愛のある厳しさです。皆から嫌われている? すごくいい先生じゃないかと思いました。
くだらないことでもたくさん会話する、ダメなものはダメと言う、秘密の共有もする、時に多少のルール違反も目をつぶってやる。
こんな普通のやりとりをして、同じ時間を過ごすことで(なんと寝る場所も一緒!)、子どもは自分が認められていると感じるようになるのでしょうね。
ポールに器用さが全くないところが微笑ましく、かえってそれも彼の一生懸命さが伝わって良かったのかもしれません。
アンガスの求めていた父性が、ポールによって少しずつ満たされ、信頼関係ができていく様子が、とても巧みに自然に描かれていて、これは上手いなぁ〜と感心しました。
なんか完璧で、うますぎないか!? と思うほどよくできています。
文句のつけようがない、美しく丸められた映画で、今年は今のところ80本くらい見ていますが、お気に入りの上位数本に入る作品となりました。
しいて言えば、台詞でみっちり埋められていて、あれこれ想像する余白が少なく、見たままで完結してしまっているところでしょうか。
気に入った割には、余韻があまりないのは、そのせいかもしれませんが、とにかく良かったので余韻とかどうでもいいや!と思いました!
良い映画を観た。
アメリカの寄宿学校が舞台の品の良い洒落た物語でした。各々傷を抱えた三人が偶然にクリスマス休暇を学校の寮で過ごさざる負えなくなることで、奇跡のように互いを癒して行く。そして最後は最も自身を守る事が出来ない子供の為に人生の先輩が誠実な嘘で身体を張って守る。大人は子供を守る事で自分も癒される。ほろ苦いラストではありますが、大人だしユーモアで乗りきります、大人ですから。
待ちに待っていた映画
待ちに待っていた映画
生真面目・堅物な先生と家庭環境に問題がある生徒そして
息子を戦争で失った寄宿舎の料理長の3人が
クリスマス休暇を学校に残って過ごすという物語。
この3人が最初は反発しながらもいつのまにか家族のような
そんな関係になっていく。
先生は生徒の父親のように人生を教えていく。
それぞれ3人にはいろんな過去があり
その過去を打ち明けて心開いていく。
いい映画でした。
自分の痛みを共有することは成長につながる
クリスマスホリデーという短い期間の共同生活で、それぞれが抱える問題に対して優しく向き合っていくストーリー。全体を通じてゆったりとしたリズムで展開するが飽きることはない。それぞれの抱える問題、痛みを共同生活をすることで、オープンにせざるを得ない瞬間が訪れる。
お互いの痛みを理解することでそれぞれが変化していく。成長していくことを美しく、熱っぽくなく、そして優しく描かれていく。
上映しばらくはこの作品は昔の映画の再上映なのかと疑うほどに、当時を再現した、映像の質感、スタイリング、美術に感服した。
チェリージュビリー
クリスマス休暇に学校に残ることになった問題児な生徒と嫌われ者のカタブツ先生の話
1970年12月、2週間のクリスマス休暇でみんなが家に帰る中、マサチューセッツの寄宿学校に残ることになった生徒4人と、監督をすることになった斜視の教師、そして食堂料理長という面子に、更に1人追加になって巻き起こっていくストーリー。
曲がったことが大嫌いという訳ではないけれど、妙に堅くて融通の利かない先生と、いうほどの問題児か?な勇者タリーが残されてベリー・メリー・クリスマスになっていく流れはまあよくある感じではあるけれどなかなか。
と思っていたら、終盤一気にイメージが変わり、シチュエーションこそ違うけれどセント・オブ・ウーマンを思い起こさせる感じで面白かった。
過去から現在・未来を見よと教えている
定評のあるアレクサンダー・ペインの作品。
背景は1970年、米国東海岸の全寮制プレップ・スクール(進学予備学校)。日本で言う中学生と高校生が含まれているようだ。一クラスは15人程度で、大学進学を目標にしており、レベルは高そう。さぞかし莫大な学費を要し、学校も大型の寄付金でもなければ、とてもやっていけないだろう。全寮制の学校に入る生徒たちには、家庭あるいは本人に問題が多いことも容易に想像がつく。男子校とするためには、時代をさかのぼるしかなく、冒頭からスクラッチノイズが聞こえるなど、年代を暗示していた。
学校で、ギリシャ、ローマ以前の古代史を教えている教師ポールは、真面目で融通がきかず、生徒達からも、同僚からも疎まれている。一年中で、誰もが一番楽しみにしているクリスマス休暇の間、輪番制を無視して、学校を管理するよう依頼される。こうした背景を説明するのに時間が費やされ、やや退屈。始まって30分を過ぎた頃、学校に残るのは、生徒の一人アンガスと食事を作ってくれるチーフのメアリー、ポールの3人と判り、ようやく物語が動き出す。
三人になっても、ギクシャクした関係が続くが、あることをきっかけに、ポールとアンガスが接近する。似たもの同士であることがわかったようだ。明晰で怖いもの知らず、誰にでも自分の考えをはっきりと口にするメアリーのアドバイスもあり、三人でボストンに出かけることになる。もちろん、これは掟破り。そこでの出来事が二つあり、それがこの映画のメイン・トピックとなっていた。
ストーリーの上で気になったことが一つ、あとからアンガスの母親とその連れ合いが学校に乗り込んでくるが、ポールのハーバード時代の同級生であるべきだろうと思った。ただ、それだと全くポールの映画になってしまう。そこに脚本家の難しさがあったのだろう。この作品を書いた(製作にも名を連ねている)デビット・ヘミングソンは、第96回アカデミー賞にノミネートされている。
では、どこが見どころか、アンガスとの距離を縮めて行ったポールがentre nous (二人だけの秘密)と口にするところ。なんだか、旧制高校の学生と先生との会話のよう。彼の学校も授業内容も、とても高校とは思えず、大学の前期課程(以前の教養部)を思わせた。
当時のポップスや、メアリー(本当はメアリーの息子)の好きなアーティ・ショウのスウィング・ジャズも良かったが、アンガスが講堂の舞台のピアノで弾いたエリック・サティも耳に残る。
キリアンもよかったですがポールにとってほしかった
アカデミー賞。
元教え子で○茎○な校長からくすねたレミーマルタン、飲み下さないとこに
しびれました。
ジムビームじゃないから、だけじゃないんですよね。
おもねず、ヤケにもなってない、通常運行でこれからも自身をつらぬいてくんだろーな
と安心したラストでした。
アンガスの俳優さんの別の演技が早く観たくなりました。
音もよかったです。
舞台や時代背景に合わせたような選曲とクリスマスアルバムな楽曲の数々。
古いレコードアルバムを棚からひっぱりだして、プレーヤーにかけるように始まる
クレジットのデザインも秀逸
そんな冒頭からエンドクレジットが終わったあともちょっと余韻を残してくれるように
レコードのノイズが響きます。
いい映画です♪
オープニングから魅了された
1970年の設定なので、オープニングからその時代の映画的な雰囲気が満載で、数分でこの映画の感じに心が飲み込まれてしまう。
個人的には、この映画冒頭、古い「UNIVERSAL」からの5分くらいが、すごく感傷的な「エモい」時間だった。
さて、内容。
誰でも、人生に「陰」や「孤独の悲しみ」を抱えている。でも人はそれを見せない様に無理に我慢したり、隠したり、嘘をついたり見栄を張ったりして、繕いながら生きている。
登場人物全員がそんな孤独を抱えながらも、特に周囲と折り合いをつけることなく、皆自分の力で生きていくだけの「したたかさ」は持っている。
でも、お互いがそれを理解して支えることで、よりその人生が深みや輝きを増していく。
現状を否定せず、ちょっとだけ前に一歩進める様に背中を押す。
そんな、いろんなことを受け止める器の広さのある映画。
オープニングを始め、他にも好きなシーンがいくつもあった。
同部屋でオネショしちゃったアジア人をフォローしてあげるシーン。
アンガスがお父さんに会うシーン。
3人でボストンのレストランに入り、アルコールの入ったデザートを店員に
出せないと言われたシーン。
ラストでメアリーが、主人公が旅立つ直前に無地のノートをプレゼントするシーン。
大げさな演出はないのに、すごく心にグッとくる。
役者たちがみんな良い。
登場人物たちの表情、演技、言葉、もちろん物語全体に溢れる「優しさ」。
特に音楽がすごく良かった。
映画として「何が」「どう」良いのかは、私の力では文字化できなそうなので、そういう解説を生業にされている方に託すことにする。
私はとにかく作品全体を包む優しい眼差しに、「ああ、良い映画観たな」という満足感で劇場を出た。
家に帰って来て、レビューのために思い出せば思い出すほど、味が出てくるね。
クラシック感満載の作品、ストーリー
素晴らしい作品だった。アカデミー賞作品賞候補も納得。
映像も場面もクラシック感満載で、映像然り。
ストーリーもよくある話だが、前半は退屈だが、後半はジワっとくる。
頑固な古代史の先生も最後は父親の面を見せて
いい作品観たなと肌で感じる。
ただ、残念だったのが副題。置いてけぼりのホリデーはいらないのでは。むしろ、置いてけぼりのホリデーを題にしても良い。
内容はともかく非常に丁寧な作りでした
時代背景に合わせたような映像は、実に味わい深く、導入からエンドまで非常に丁寧に作り込まれた作品でした。故に、新作なのに往年の名作をリバイバルで見たような感覚です。
内容に関しては、70年代の名作を超えるようなものではなかったので、レトロな雰囲気を何となく味わったような─結構笑ったし多少ぐっと来たけど、意外とあっさりと見切ったという印象です。
大好きなクリスマスムービーが増えました
原題は「holdovers」、居残りって感じでしょうか
クリスマス休暇に学校に留まる事になった偏屈な先生ポール、反抗的な生徒アンガス、食堂の料理長メアリー
孤独を抱えた3人が軸になるストーリー
そりゃ皆に嫌われるわっていうくらい偏屈なポールだけど、忖度しない先生で私は好き
最初はポールとアンガスは衝突ばかりで、その中和剤のメアリー
衝突を繰り返す度にみんなの抱えている孤独を知り、理解していき、思いやる関係になっていく
その流れが自然で、ジーンときたりクスッと何回も笑わされたり
その辺のバランスがちょうど良い
そしてラストは涙ポロポロ
日本みたいにただのイベントじゃないアメリカの雪景色の中のクリスマス
そばにいてくれる人の優しさに心があったかくなれるステキな作品でした
観て優しい気持ちになれる作品にまた出会えて良かったです
ハナム先生、さようなら
親指をたてながら映画館のエレベーターに乗り込んできた川平慈英氏は、映画を見終わった後至極上機嫌だった。70年代のハリウッドで盛んに作られた“ニューシネマ”独特のほんわかとした優しい雰囲気に包まれたのは本当に久し振りな気がする。私とほぼ同年代の川平氏も、おそらく同じ気持ちにひたっていたにちがいない。
修復映画の収集家としても知られている監督のアレクサンダー・ペインは、アイデアの源泉として30年代に作られたフランス映画の名前を上げていたが、本映画の基本的構成は英国パブリックスクールを舞台にした古典ドラマ『チップス先生さようなら』にとてもよく似ている。生徒に嫌われていた堅物教師が、新妻の死によって生き方を見直し、悪戯ずきな生徒たちに心を開いていくストーリー。
主人公のハナムは、ギリシャローマ史を専門とする全寮制高等学校の歴史教師。出自に関わらず情け容赦なく生徒を落第させるハナムは、その斜視を生徒たちにバカにされ、ひどい体臭のせいか女性とも縁のない学校中の鼻つまみものだ。実際寮生活の経験がおありになるというポール・ジアマッティの、まさにはまり役といってもよいだろう。はじめからジアマッティを宛がきにしたシナリオだけのことはある。
クリスマス休暇でも帰る場所がないハナム、そしてベトナム戦争で一人息子をうしなったばかりの給仕長のメアリー(ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ)、勉強はできるけど母親からは問題児あつかされているアンガスの3人が、誰もいなくなった学校で寂しいクリスマスを祝うことになる。これだけならば物語の設定をわざわざ70年にする必要もないし、そしてなによりも現代のアメリカに通じるメッセージ性がいまいち伝わりにくいのである。
当時のベトナム戦争によって間接的に傷ついた3人の物語として本映画を観たらどうだろう。ハナムは戦争に志願したものの身体的理由で入隊試験に落第、メアリーの息子カーティスは戦争で帰らぬ人に、そしてアンガスはこの学校で今度問題をおこせば陸軍士官学校送りとなり、将来的にはベトナム送りにもなりかねない身なのである、つまりこの3人、(ベトナム戦争時期の)過去、現在、未来において、いつのまにか“スクルージ”化させられ、PTSDを背負わされたアメリカ人の象徴でもあるのだ。
そんな心の“残留物”を取り除く処方箋として提示された心優しき物語は、他国の戦争(ウクライナ、ガザ)への武器供与のため多大な負担を強いられている現代のアメリカ人の心にやはり響くものがあるのではないだろうか。普仏戦争直前のイギリスで反愛国教育にこだわったMr.チップスのように、あるいは『自省録』を記したローマ帝国衰退期の皇帝マルクス・アウレリウスのごとく、コスモポリタズムに基づいた寛容の精神を、分断が叫ばれているアメリカ人に今一度思い出させようと試みた1本だったのではないだろうか。「歴史とは過去を学ぶだけでなく、今を説明すること」なのだから。
何層もエピソードが重り味がある作品
「サイドウェイ」の監督の作品なので、早速鑑賞。
オープニングから70年代の香り。
男学生寮の匂いプンプン。
それぞれの人に、それぞれの事情があり、うまく重なりながら進んで行く。
監督らしい作品で、味わいがありました。
なんらかのリブート?
70年代(のちに70年だと判明)を舞台に、オープニングから70年代の映画っぽい意匠で描く、あらゆるバックグラウンドが異なる3人の不器用な疑似家族の話。
きっとなにか参照されるべき過去作があって描き方の意味があるのだと思うんだけど、70年代映画はあまり知らないので…
嫌われ者の教師ハナム、ひねくれものの生徒アンガス、息子を亡くしたメアリーそれぞれの過去と事情が紐解かれてゆき、それに連れて相互理解と絆が深まってゆく…
本作が目新しいのは、70年代風の意匠ながら、ストーリーとしてはとてもポリティカリー・コレクトなこと。
いっぽうで、「良い話」風に『何を』描きたかったのかはピンとこないままだった…
「こういう後味の映画ってあったよね」とは思うので、その現代的なリブート、ってことなら分からんではないのだけど…
クリスマスシーズンにもう一度観たい一本
第96回アカデミー賞では作品賞、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞、編集賞の5部門にノミネートされ、ダバイン・ジョイ・ランドルフが助演女優賞を受賞した評価の高い一本。公開したら観に行こうと楽しみにしていたが、県内での上映館が2館のみということで、車で片道30分掛かる映画館のレイトショーで鑑賞。客層は映画好きそうな人がパラパラということで、良い映画なのに少し勿体ないなと思いました。
ストーリーは王道で最初は反発しあう人達が助け、助けられという経験をするうちに心を通わせていくというもの。王道であるためストーリに入りやすく、最初は嫌な人に見えていた登場人物に徐々に共感し、どんどん好きになっていく。脚本も素晴らしいんでしょうね。
クリスマスシーズン独特の寂寥感がストーリーの背景にあるため、シーズンにもう一度じっくりと観たい。ウィットに富む会話が主体であるため、一語一語じっくりと噛みしめながらシーズンに観るとさらに味わい深い作品なんだと思う。
私だけかもしれませんが、居残り高校生アンガスの雰囲気やしぐさが、最近先輩に噛みついている芸人と被ってしまい、あの人もいろいろあるのかもなぁと勝手に思ってしまいました(笑)
映画の余韻としては、苦みのある清涼感といいますか複雑な後味でした。人生は時に不条理で、不合理でままならぬものだという諦めの反面、みんないろいろあるんだから自分も日々できることを頑張らなきゃなと少し前向きな気持ちで映画館を後にしました。鑑賞者の人生経験によって後味は少し変わってくるかもしれません。(映画ってそんなものですけど)
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