「毒監督」毒娘 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
毒監督
不快な作品。
出演してる演者に同情する。
ご都合主義が酷すぎる。通常やるであろうリアクションを全く取らない。劇中の人物がとる行動に悉く共感できず…縛りやルールが存在しない。あると主人公の「毒娘」が活動できなくなるからだろう。
そんな世界観が受け入れられると思う方がどうかしている。人も世界も虚構の世界でどんな物語を語ろうと言うのだ?
どこにもリアリズムを感じないので、なぜコレを見続けなければいけないのかと苛立つ。
終盤になればなるほど、馬鹿馬鹿しくて嘲笑しか出てこない。
監督的には毒娘に投影したい何かがあるのだろうが知ったこっちゃない。
崇高なメッセージがあるんだとしても伝わらなければ無いのと同じ。どことなくピンク映画出身の監督のような匂いもするのだけれど、それにしてもお粗末過ぎて…作品に都合の悪い要素は全てオミット状態だ。
ちーちゃんが思念の形骸化ならば落とせる場所もあるのだけれど、彼女には家族があって現実に生きてる存在らしい。第三者にもちゃんと認識されてる。2階のベランダに現れるには、外壁をよじ登らなければいけない存在なのだ。この大前提があるキャラだから説明のつかない事が多すぎて…お前の頭ん中だけで成立させられても困るんだよと、匙を投げる。
ホラーでもなく、問題提起があるわけでもなく、なんかメッセージ性が強いというわけでもない。勿論エンターテイメントでもない。つまりは、この作品が存在する意義が理解できない。
後、途中の手持ちが酷すぎて…いくらなんでも下手過ぎるわ。アレが監督からのオーダーなのだとしたら、やっぱり感性を疑う。
エンディングで新たな家族があの家に住まい、2階からちーちゃんがベランダに出てくる。
ホラー映画の定番演出なれど、よく臆面もなくやってのけたな…彼女は人を殺してる。娘はそれらしき施設に収監はされているのに、なぜちーちゃんだけが野放しなんだ?
日本の警察はそこまで無能で無責任なのか?10代半ばくらいの少女を逮捕できないってどうなん?
警察がまともに機能してたら、この作品は成り立たないんだよね…たぶん。
スクリーンを燃やしたいくらい腹立たしい作品。