毒娘のレビュー・感想・評価
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無敵キャラ、ちーちゃん!
真っ赤なちーちゃんが、怖すぎる。大きな鋏を振り立て、全てを容赦なく切り裂く。それでいて、時に見せる眼差しは無垢な小動物のよう。残酷すぎるトラブルメーカーでありながら「ちーちゃん」などと「ちゃん」付けで呼ばれていること自体、不可思議だ。主人公一家も、すぐさま「ちーちゃん」と当たり前のように呼び始めてしまう。あの子とかアイツではなく、ちーちゃん。ちーちゃんは、ちーちゃん以外の何者でもない。冒頭から「ちーちゃんがいる!来る!ヤバい!」とハラハラするのに、ちーちゃんの無敵っぷりに、すぐさま惹かれてしまった。
そんなちーちゃんに、おびえながらも立ち向かうヒロイン・萩乃。仕事を辞めて家に入り、夫の連れ子・萌花と穏やかな関係を結び、平凡でも穏やかな生活を手に入れた、はずだった。そんな彼女が、少しずつ感情を取り戻し、自分を解き放っていく様が清々しい。がまんや遠慮、気遣いだけは越えられない壁が、その家にはあったのだ。
血みどろなストーリーでありながら、白い羽毛や綿毛が画面いっぱいに舞い散るシーンの美しさが忘れ難い。ちーちゃんにやられる輩は、たいてい白い服、そして白い部屋。鮮血が、花びらのように飛び散る。破壊は、再生の前兆だ。前半の萌花は、写真の中の実母と同じ、黄系統の服を着ている。彼女の父・篤紘は、娘が提案した黄色ではなく、青のセーターをリクエストする。父親にふさわしく、自慢しやすいセーターを着るために。萌花や萩乃の服の色味が少しずつ変化していく一方で、変わらない篤紘のクズぶりが露呈していくのは、男性にはいたたまれないかもしれない。
ふと思い出したのは「ウーマン・トーキング」。性加害が当たり前のコミュニティから、出ていくのか闘うのか、女性たちがひと夜をかけて対話を重ねる。一方萩乃たちは、交わす言葉さえ持っていない。共に行動し、時を過ごし、ぶつかり合うことで、少しずつ繋がり、言葉を手に入れていく。
ラスト、萩乃と萌花は初めて互いを名前で呼び合う。そのとき、かすかに風が吹く。萩乃の背後で揺れる濃い紫のカーテンは、家のベランダで揺れていた白いシーツを対比的に連想させ、さらには、黒沢清監督の「トウキョウ・ソナタ」のラストで揺れる、白いカーテンをも思い起こさせた。
家族をぶっ壊しながらも家に執着する、ちーちゃん。周りを大きく揺り動かし、解き放つほどに、ちーちゃんの闇は深くなっていくのだろうか。一方で、出来合いの家を手放した、萩乃と萌花。それぞれに歩む道は険しいが、これまでよりはずっとよくなる、はずだ。
豊かな素材・人材を活かせず、登場人物が記号的
元ネタがネットの投稿だそうで、検索すると割とすぐ見つかる。「扉を開けるとうつぶせの娘の上に馬乗りになったKちゃんが笑ってました」という見出しで、2011年1月下旬から2月上旬にかけて複数回の投稿があり、これがなかなかに興味をそそる恐い展開だった。
内藤瑛亮監督の「ミスミソウ」は山田杏奈が映画初主演という点を含め良かったし、ちーちゃん役の伊礼姫奈は「推しが武道館いってくれたら死ぬ」でローカルアイドルグループの地味目なメンバー役が印象的だった。漫画家の押見修造といえば個人的には「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」が最高で、2018年の映画化作品は邦画史に残る青春音楽映画の大傑作だと思う。
これだけ素材、人材が揃っているのに、どれも十分に活かせておらず、かみ合っていないようなもどかしさ。人物描写も記号的で、家事育児に無関心のモラハラ夫、その再婚相手で仕事を続けたいが妊活のため諦めさせられる新妻、そんな父と継母に不満を抱く娘、この3人家族に恐怖と混乱と衝突をもたらす“異物”ちーちゃん、そのいずれも内面が深掘りされることはない。
たとえばちーちゃんの人物造形についても、神出鬼没の人間離れしたモンスターのような設定ではなく、過去にあの家で両親と暮らしていた頃を描くなどして、彼女があの家に執着する理由を観客が理解し共感できるようにすれば、ホラー作品の哀しきヴィランとしてより魅力的な存在になるし、娘がちーちゃんに感化される流れも説得力を持ったのではないか。伊礼姫奈も可憐な少女から怪物へと変貌するコントラストで強烈なインパクトを残せただろう。押見修造がちーちゃんのキャラクターデザインだけでなく、脚本作りにも参加していたなら格段に面白いストーリーになったはず。もっとよい映画になり得たのに、もったいないと感じた。
暴れっぷりに溜飲を下げる
1回目は15分でギブアップ、日常シーンが退屈すぎて。2回目はちーちゃん登場シーンだけ飛ばしながら視聴。それだけでも父に対しヘイト溜まってたので後半スッキリした。早送りでビデオ見る人の気持が初めてわかった作品だった。
毒を持って毒を制す
衣装デザイナーの萩乃はバツイチの篤紘と結婚。篤紘の連れ子である萌花と3人で中古の一軒家へ引っ越し、幸せな生活が始まるかと思われた。
しかし、ある日「ちーちゃん」という不気味な少女が現れ、萩乃たちの暮らしは崩壊していく。
監督は内藤瑛亮、主演は佐津川愛美、キャクターデザインは押見修造。という最強布陣で観るしかなかったので終映前に滑り込み鑑賞。
他の人のレビューをさらっと見てみるとかなり評価が綺麗に分かれているが、まさにそんな感じの映画だった。
ちーちゃんの怖さとか、ホラーとしての完成度とかだけ求める人には多分向いていない。
逆に、少女が覚醒する鮮血映画とか血ブッシャーな中二病映画とかこの手の映画を受け入れられる人ならハマる人も多いと思う。
正直自分は、今までの内藤監督作品からするとややパンチには欠けるかなと思った。
途中の物語の方向転換は面白かったし、衣装や小道具のビジュアルは良かったが毒とつく割には毒気が薄い。
前半はちーちゃんの不気味さ、後半は悪の共鳴が際立っていたけど、全体的に印象が薄くあまり記憶にも残らなかったのが残念。
本当、世界観とか映画自体は好きなんだけどね。もう少しなんか出来たような気がするんだ。
ポスタービジュアルよく見たら顔が半々になっていることに気がついた。
確かに劇中では似てる顔の2人だったなと思ったけど、後で調べてみたらちーちゃん役の人全然印象が違って、演技力もそうだけど顔が髪で隠れているか隠れていないかでかなり印象変わるんだなと思った。
恨みと執着そして復讐
とても見応えがあって新感覚のホラーでした。予告を観てからちーちゃんの存在が気になって気になって…。
違和感だらけの家族の前に現れたのは謎の少女ちーちゃん。ちーちゃんの親も毒親感満載でこの親にこの子あり。
一番の恐怖は竹財さん演じるモラハラ夫。
これは再度観たい作品✂️
毒監督
不快な作品。
出演してる演者に同情する。
ご都合主義が酷すぎる。通常やるであろうリアクションを全く取らない。劇中の人物がとる行動に悉く共感できず…縛りやルールが存在しない。あると主人公の「毒娘」が活動できなくなるからだろう。
そんな世界観が受け入れられると思う方がどうかしている。人も世界も虚構の世界でどんな物語を語ろうと言うのだ?
どこにもリアリズムを感じないので、なぜコレを見続けなければいけないのかと苛立つ。
終盤になればなるほど、馬鹿馬鹿しくて嘲笑しか出てこない。
監督的には毒娘に投影したい何かがあるのだろうが知ったこっちゃない。
崇高なメッセージがあるんだとしても伝わらなければ無いのと同じ。どことなくピンク映画出身の監督のような匂いもするのだけれど、それにしてもお粗末過ぎて…作品に都合の悪い要素は全てオミット状態だ。
ちーちゃんが思念の形骸化ならば落とせる場所もあるのだけれど、彼女には家族があって現実に生きてる存在らしい。第三者にもちゃんと認識されてる。2階のベランダに現れるには、外壁をよじ登らなければいけない存在なのだ。この大前提があるキャラだから説明のつかない事が多すぎて…お前の頭ん中だけで成立させられても困るんだよと、匙を投げる。
ホラーでもなく、問題提起があるわけでもなく、なんかメッセージ性が強いというわけでもない。勿論エンターテイメントでもない。つまりは、この作品が存在する意義が理解できない。
後、途中の手持ちが酷すぎて…いくらなんでも下手過ぎるわ。アレが監督からのオーダーなのだとしたら、やっぱり感性を疑う。
エンディングで新たな家族があの家に住まい、2階からちーちゃんがベランダに出てくる。
ホラー映画の定番演出なれど、よく臆面もなくやってのけたな…彼女は人を殺してる。娘はそれらしき施設に収監はされているのに、なぜちーちゃんだけが野放しなんだ?
日本の警察はそこまで無能で無責任なのか?10代半ばくらいの少女を逮捕できないってどうなん?
警察がまともに機能してたら、この作品は成り立たないんだよね…たぶん。
スクリーンを燃やしたいくらい腹立たしい作品。
毒娘?
この家で幸せになることはちーちゃんが許さない。
ちーちゃんの最大の思い出の一つである家で引っ越してきた家族に降り掛かる不幸がメインストーリーであるが、ちーちゃんの家に対する執着心も凄いのだが、不法侵入をするたびに謝りにくるちーちゃんの父親は何なんだレベルで愕然。
謝りに来ながらトイレが近いからトイレ借りたいですって謝りに来た人が言えるセリフかよ。
とにかく毒娘ってより毒親。
勝手に入り込んだちーちゃんと仲良くなる不登校の萌花も父親が再婚したことにより新しい母親とのわだかまりがうまく解消されないまま日々が流れていくのだが、萌花の父親もちーちゃんの父親もダメ親父という点では良い勝負だろうか(笑)
結果萌花のダメ親父がちーちゃんと実の娘により殺されるのだが、あれだけダメ親父ぶりを露呈しまうと可哀想より殺されて当然な人が殺されている。
表向きでは萌花のためにと言いながらの理想論を押し付ける、語る。それで家族二人を養えるからそこそこの収入がなかったら言えないセリフだろうけど理想論だけで非家庭的である。それで後妻の仕事復帰に反対し仕事ばかりで料理さえも作らず冷凍食品ばかりだったという前妻と比較するのは論外だ。
萌花は逮捕されて少年院に入るがちーちゃんは逃亡し思い出の家に新しく移り住んだ家族にも不幸を味わせるというところでエンドロール。
序盤にチラッと出ていたが不法侵入した10代の男女に対しちーちゃんが制裁をするのだが、流石にこれだけ事件が起きたら売物件にもならないね、解体するしか無いんじゃないかm(_ _;)m
良い意味で予想を裏切られたぜ👍
まず、コレはホラー映画ではないと言うことを言っておきたい。
もちろんディズニーのファンタジーとは違うから、多少の血🩸は覚悟して欲しいが、ダバダバと無意味に血の海になるような事は無いのでご安心を☺️
ちーちゃんに対するシンパシーが得られるかどうかで評価が分かれるような気がする。私はちーちゃんを是とは出来ないが非と決めつける事には躊躇してしまった。
他にムカつくヤツがたくさんいるので、そちらに怒り💢の矛先が向いてしまったからかも。
続編があるなら、間違いなく初日に観に行きます。
赤い女
2024年映画館鑑賞27作品目
4月21日(日)イオンシネマ新利府
通常料金1800円→dポイント−300円
監督と脚本は『先生を流産させる会』『許された子どもたち』『ホムンクルス』の内藤瑛亮
脚本は他に『ホムンクルス』の松久育紀
ホラーっぽいヒューマンサスペンス
ちーちゃんばかりに注目されがちかとしれないが彼女はあくまで端役というか所謂狂言回しで実際は萩乃と萌花を中心とした秀悦な人間ドラマ
事前情報殆どなし
佐津川愛美主演という情報のみで鑑賞
毒娘は佐津川愛美ではなかった
まあ彼女も早いものでアラフォーだしね
まさか毒娘役を依頼されるとは本人は思わないでしょ
おじさんから見たらまだまだ佐津川愛美は可愛いんだけど流石に10代の女の子と同い年には見えないもんね
でもさ植原星空にしたって中学生には見えないよ
高校生かと思ったら中学生の設定だった
典型的なヤフコメ民だと胸糞悪く発狂しそうな内容
さすが内藤瑛亮監督今回も超悪趣味
人間性疑っちゃう
やばい薬に手を出して警察沙汰にならなければいいがと心配しちゃう
これこそダークヒロインでありリボルバーリリーなんてダークヒロインではない
調子に乗ったかラストは完全に蛇足でキワモノ三流監督の域を脱していない
とりあえず某監督のようなことにならず良かった
佐津川愛美があまりにも可哀想だ
ちーちゃんと萌花が友達になる展開は流石に無理を感じた
確かにキン肉マンゼブラとマリキータマンがタッグを組むこともあるわけで全くありえない話ではないが多少の違和感はまだある
荒らされた部屋はまるで前衛的な現代美術作品のよう
アートはどこへ行くのだろう
別に敬虔なクリスチャンじゃないけど掻爬手術のシーンが1番抵抗感があった
いろいろとグロいシーンはあったけど
なぜか掻き出されせる嬰児の立場として考えてしまった
あのあと嬰児はどのように「処分」されるんだろうか
まあ高齢出産はいろいろとリスクが高いし愛してもいない亡くたった夫のために命懸けでやることもないわな
宇都宮まきもとても不安だったと語ってるし
流石にここまで警視庁が無能とは思えないけどね
とっくに逮捕されるでしょ
そういう世界観なら受け入れるけど
真犯人役として磯野貴理子とか上島竜太郎が抜擢されるような刑事ドラマじゃとてもじゃないけど扱えない内容
この作品に便乗し家族や夫婦や親子の関して論じてもセンシティブな内容だしここのユーザーやカカクコムの下っ端社員の共感を得る自信は全くないので遠慮します
配役
結婚前は衣装デザイナーだった専業主婦の深瀬萩乃に佐津川愛美
篤紘の連れ子で中学2年生の深瀬萌花に植原星空
萩乃の夫で萌花の父親の深瀬篤紘に竹財輝之助
かつて萩野の家に住んでいた家族の娘のちーちゃんに伊礼姫奈
深瀬家の近所に住むシングルマザーの川添皐月に馬渕英里何
皐月の娘で中学2年生の川添椿に凛美
萩野の元仕事仲間の磯部薫に内田慈
生活安全課の巡査部長の山脇秋子にクノ真季子
どう観て良いかは気になるが
過激な表現ばかりが話題になっている内藤瑛亮監督だが、「先生を流産させる会」「ミスミソウ」「許された子どもたち」等、実は一貫して子供の悪意と不気味さを描いている。今回も、それは引き継がれており、コンプライアンス的には完全にアウトな作品になっている。
ホラー映画の為、他の作品よりフィクション要素は強くなっている。取り敢えず、警察と児童相談所が無能すぎるのは気になる所。
また、ちーちゃんが子供の為、ホラーキャラとしては悪く思えない。彼女は自分に正直に行動してるだけで、特に後半は、大人の暴力も気になり、けど、ちーちゃんもやり過ぎだし、バランスが気になった。そして、ちーちゃん、不死身すぎ!どう見て良いか分からなくなる!
しかし、やはりこの時代に、この作品を世に出した事を称賛したい!
キャラクターデザインをした押見修造先生が描く前日譚と共に、楽しみたい。
#毒娘
#内藤瑛亮 監督
#押見修造 先生
観客に問題意識を持たせるな カッコつけないで雑念をすてて純粋にホラーに集中しましょう
元ネタは10年以上前のネットの掲示板で実話なのか、フィクションなのかは分からない話だそうですね
まあ、そんな事はどうでもいい
監督が”ミスミソウ”の監督なんですね
”ミスミソウ”
昔、観に行ったんですが、なんと寝てしまって内容がサッパリわからなかったんですよ
評価の高い作品なので、ちょっと内容を調べてみると、ホラーだったんだ
けっこう、恐ろしい話だったんですね
でも寝てしまった
これが、この監督の実力じゃないでしょうか
今回も内容はけっこうエグいのに、実は全然怖くない
今回は寝なかったから、少しは進歩したんじゃないかな
ポスターを見てください
血まみれの女の子の顔のように見えますが
、赤いペンキです
同じようにストーリーは怖いけれど、映画はあくまで作り物でリアリティーが無い
ホラー監督としての力不足じゃないですか
今回は、2人の少女の背景を問題視して誰が悪いとかは興味本位の範疇にとどめて、純粋にホラーとして観るべきだと思うんですよ
そりゃあ、ヒロインの中絶にはあまりいい気がしませんでしたけど
”ミスミソウ”もなんか問題提起するような話しやったんちゃうんちゃう?
寝てたから知らんけど
そんなのがよく高評価になるんですよ
設定、ストーリー、アイデアはいいのに怖くないのは
演出がダメなんです
もちろん、2人の少女の力不足もあるし、
ちょっと酷かもしれないけれど、ちーちゃん役の女の子は容姿が幼すぎるのも原因です
その幼すぎる容姿を逆に恐ろしく見せるのが演出なんですが、それが出来てない
監督が何を見せたかったのか?ホラー以外を意識していなかったのか?
ホラーとしてみれば、イメージが貧困すぎる
ホラーはやめた方がいいかも
ホラーは恐怖、グロ、そして観客を驚かせないといけない
若い頃、”タイタニック”を観た
凍死した死体が浮き輪の上から上半身突き出した状態でたくさん浮いていた
若い僕はそれがイメージできなかったというか、考えもしなかったのでビックリしたし、背筋が凍った
今なら多分平気だろうけど、その頃は衝撃だった
そんなシーンが皆無
女の子は年齢からいって当たり前だが、なんのオーラも出ていないし、ただ言われたことをしているだけ
こんな時は、照明を暗くしたり、怖い音楽を鳴らすなり、サポートしないとね
刺したハサミを開くくらいがグロいと思っているようじゃダメなんです
だいたい、刺したハサミが女の子の力で開くわけないし
開いたまま刺して閉じるならできるかもだけど、もうひとつだなあ
R15やめてR18までやって
目玉引きずり出すとか、舌や唇ちょん切るとか
耳削ぎは定番かなあ、いっそパンツいっちょうにさして、下半身もいい
後ろでも前でも、穴も突起物もある
このようにハサミならやりようがあるでしょうに
実際のリンチなんか、口に折れた鉛筆をいっぱい詰めたり、カミソリを口に入れられて殴られるんだから
顔もペンキ塗りたくったり、バツ書いたりするのは、文化祭の仮装のイタズラ書きみたいじゃないですか
アレが血ならまた違うけど、ペンキなら顔全部を真っ白に塗ってしまう方がシンプルに怖いと思うんです
例えば、”呪怨”の男の子を思い出してください
夜道を1人で運転している時、ダッシュボードの下から、あの顔がのぞくんじゃないかとヒヤヒヤしました
顔を赤くするのは、血まみれスプラッターを想像させる
そんな期待を外したらダメ
監督は安直に、戦士が戦闘開始する戦いをイメージさせたかったんでしょうが、ピントがズレまくってます
なんというか、この監督さん、プロデューサーの方が向いてるかもね
ちーちゃん自体のキャラクター設定はとてもいい
ラストの進化するホラーキャラクターはとても斬新ですから
主演の佐津川愛美は好きな女優さんな一人です
同年代にはきらびやかなスター女優がたくさんいる
それは仕方がない
持って生まれた容姿、才能は特別なギフトです
そんなオーラは無いですが
地味ながら堅実に他方面で活躍されています
まだ新人の頃、映画”電人ザボーガー”で巨人になった彼女は、シン・ウルトラマンの巨大化した長澤まさみにも勝るとも劣らないビジュアルでした
2年前には
セクハラを告発した主演作の監督自身が性加害者だったという笑えない話でお蔵入りになった
不運でしたが、その後もコンスタントに活躍されているのでよかった
こんな殺され方はしたくない 映画「毒娘」
・毒娘とは?
ネーミング的には、毒親を反対に娘にしてみた語感。
世の中には色々なホラー作品があるだろうが、ほとんどは屈強な大人とか怪物とかゾンビが敵なんじゃないだろうか。
人間の小さな女の子が危険人物というのは珍しい気がする。
だからこそこの小さな子がどうやって周りの人間たちを狂わせて行くのかが見どころになる。そんな映画。
ちなみにしっかり物理的な毒も使う。ハチをたくさん集めてその毒を煎じて抽出して、毒武器を作り出したりするのだ。あとはどうやって作ったのか分からないが人を即死させるような毒ガス兵器も使う。
・こんな死に方はしたくない
独娘によって毒を刺され、ハサミで滅多刺しにされ、さらに胸にハサミを深く突き刺され押し広げられて殺される男。
思わず目を覆ってしまった。こんな死に方はしたくない。
・主体性のない女
とある一家の妻。なんとなくぼーっとしているというか主体性がない。
子供みたいな幼い声でしゃべる。中身が空っぽなのではないかと思える。
ただ夫の言葉や状況に流されるままに生きているのだ。
彼女は意思を持った言葉をほとんど発さない。彼女の内面を示す描写がないので何を考えているか分からない。
ホラー映画に出て来る人物は悪人ではなくてもどこか変だ。
・モラハラ男
一家の夫。
一見優しそうだが実は丁重に人をコントロールして自分の思い通りにしていくタイプ。その毒がじわじわと家族に周り始める。
「強制するわけじゃないけれど」と言いながら相手が断れない提案をしたり「責めてるわけじゃないけれど」と言いながら相手を責める。そんな男。
・ちいちゃん
一家が住む家に突如出没する女の子。ハサミを持って切りつける。ゲーム「クロックタワー」のシザーマンみたいだ。
この町では人に危機感というものが欠如しており、警察も大人たちも全く役に立たないので、このハサミの少女を誰も止めることが出来ない。大人たち無力すぎ。
・たまにオシャレ
何故かたまににちょっとアートでオシャレな場面が挟まれる。
単にホラーではなくて「ホラー」「家庭問題」「オシャレなアート」のテイストが混じっている。
・ホラー映画を観た後は疲れる
緊張感のせいか疲れを感じた。だが怖い映画を観てちゃんと怖い思いをしたというのはホラー映画としては成功なのだ。
・PG12 / PG15 の違いはよく分からない
本作はPG15だ。
最近観た「オーメン・ザ・ファースト」はPG12だったけど残酷さのインパクトは本作以上だった。
同じくPG12の「キラーズオブフラワームーン」は残酷すぎて途中でシアターの席を立ってしまった。
おそらく細かな規定があるのだろうけれど、観客が受ける残酷さのレベルは必ずしもレーティングでは測れないようだ。
赤くすれば怖いとでも?
冒頭、土足で不法侵入するカップルや管理の杜撰すぎる不動産屋にイライラ。
彼氏さんにはまったく同情できません。
メインに話が移っても、漏れなく無自覚にダメだったりクズだったりする人間ばかりで好きになれない。
「助かってほしい」と思うキャラがゼロなのは致命的。
おまけに行動が一時が万事「そうはならんやろ」なので、感情移入できず、現実味もありません。
(本当に“全部”なので、具体例を挙げきれない)
ちーちゃんの動機や萩乃の生い立ちは描かれず、萌花の過去も薄い。
こういった方向性のホラーで一番大切なのは、何より“情念”だと思うのだが…
塀の向こうに現れて、振り向くと引っ込むちーちゃんはバラエティのドッキリのよう。
ざんばら髪と妙な赤コートに対し、綺麗な顔と新品の赤ジャージがバランス悪すぎて、怖いどころか滑稽。
親まで出てきてご近所さんにも知れ渡ってるのに、生身では有り得ないこともチラホラ。
既に亡くなって怨霊化してるけど、両親は狂っていて受け入れられておらず、ってところだろうか。
(じゃなきゃサスガに警察がヒドすぎる)
無闇に蝋燭を使う作品もよく見るが、一個一個並べて火を点ける作業を想像すると笑っちゃうのよ。
『ミスミソウ』や『許された子どもたち』は良かったのに、まさかここまでヒドいとは…
予告は最高でしたが
予告でこれは・・・と思ってウキウキしながら映画館へ♪
冒頭からいいぞ、と思いきや1回目の襲撃の後に警察を呼ばずに、旦那さんに相談しても、警察を呼ばない(苦笑)、この時点で興ざめして、「ダメだこの家族は」となりました。
娘がちーちゃんに影響されていく理由も薄いし、全然怖くないし、久しぶりに「お金勿体ないことした」と落ち込みました。主演の佐津川さんの演技も全然恐怖や不安を感じずにダメでした(・ω・)
モンスターペアレント
山田杏奈の出世作かつ、Jスプラッターの金字塔「ミスミソウ」の内藤瑛亮監督最新作。
ストーリーには全く期待していなかったけど、R15+だし、どんなグロ・ゴア描写とスプラッターが見れるかそこそこ楽しみにしていた。ストーリーが退屈なのは想定内だから置いといて、期待していた血しぶき等の要素がかなり控えめで、しかも終盤にならないとR指定である故が見えてこないのにはガッカリだった。あまりに大人しすぎるって...。でも、シリアルキラーの新生《ちーちゃん》の見た目とキャラクター性は最高だったし、ラストの追い上げもあって想像とは違ったものの、そこそこ満足のいく作品だった。
本作はミスミソウのように人体が損傷していく課程ではなく、「Mr.ノーバディ」のように人体を損傷する方法に重きを置いている。裁ち鋏から始まり、虫や煙を自由自在に使いこなすちーちゃん。ブーストがかかるのはこれまた終盤からだから、もっと早い段階からこの路線でじゃんじゃん人を殺って欲しかった✂️ こういう映画は脳死で見たいし、深いメッセージ性とか物語をそれほど求めていないから、これまでの内藤監督らしく、大量の血で画面が真っ赤に染まっているのが見たかった。
全体的に間が多く結構ダラっとした作りになっているため、かなり退屈してしまう。その上音楽もフリーBGMみたいで安っぽいし、緊張感がまるでない。この家に執着し、幸せになることを許さない動機がもっと深堀されていたらいい作品になったろうに。でも子役の2人とも、目がキラキラ輝いていて良かったな〜☺️
ブラックコメディとしてはありだが、ポーズ乱用は映画自体を軽くし過ぎている気がした
2024.4.9 T・JOY京都
2023年の日本映画(105分、R15+)
訳あり新居に引っ越してきた家族が、奇妙な元住人の少女に襲われる様子を描いたスリラー映画
監督は内藤瑛亮
脚本は内藤瑛亮&松久育紀
物語の舞台は日本のとある地方都市
閑静な住宅街にて、空き家に侵入した高校生のカップル(八田大翔&成宮しずく)は、そこで奇妙な少女(伊礼姫奈)に襲われてしまう
それから数週間後、その家に深瀬一家が引っ越してきた
結婚を機に服飾デザイナーを辞めた妻・萩乃(佐津川愛美)は、マーケターの篤紘(竹財輝之助)と結婚し、彼の連れ子である萌花(槇原星空、幼少期:奈良部心紅)と一緒に住むことになった
萌花は、幼少期に母親・春花(美馬アンナ)との間で何かがあり、右手に酷い火傷を負っていた
彼女は不登校だったが、家ではきちんと勉強し、篤紘も一緒になって、その環境を保っていた
ある日、近隣住民の川添(馬渕英里何)が訪ねてきて、娘・椿(凛香)のダンス衣装を作ってくれないかと頼まれる
萩乃は萌花がこっそりと服のデザイン画を描いていることを知っていて、「デザインして見ないか?」と切り出す
そして、萩乃のサポートで服を完成させ、二人の仲は少し縮まっていくのである
物語は、そんな幸せそうな家族のもとに、元住人と言われる少女が乱入するところから動き出す
萩乃の留守の間に家に侵入した少女は、萌花を脅し、「母親にケーキを買ってこさせろ」と迫る
その連絡を受けた萩乃は急いで家に戻ると、そこには萌花に馬乗りになって、衣装バサミを握りしめる異様な少女がいたのである
彼女は「ちーちゃん」と呼ばれていて、被害を相談した萩乃のもとに、彼女の両親(地曳豪&まひろ玲希)が謝罪に現れる
同行した刑事・山脇(クノ真季子)も少女の犯行が今回だけではないことを知っていて、未成年ゆえに対処に苦慮しているというのである
映画は、その家に執着するちーちゃんが萌花の心をくすぐる展開になっていき、萌花も同じように悪さをする様子が描かれていく
義母との距離感、父親との過去などをちーちゃんが刺激し、それによって闇落ちしていくのだが、それをどのように救うのかというのが物語の命題になっている
とは言え「バツポーズ」などのように、かなりポップなノリを用いているので、映画自体はブラックコメディのような様相を呈している
部屋に落書きをするとかまではありそうだが、彼女の性格だと「ちーちゃんとの関わりを隠す」と思うので、それを放置しているのは違和感があった
あくまでも表層では変化を見せず、その裏でちーちゃんと繋がり、同化することで平静を保つというのが彼女のキャラのように思えた
いずれにせよ、バツポーズが出るくらいまでは楽しく見れたが、ポーズが乱用される後半はかなり退屈な流れになってしまったように思う
ちーちゃんが実在する元住人という設定も微妙で、幸せそうな家庭の内情を暴く存在というぐらいで濁しても良かったと思う
結局のところ、ちーちゃんが何をしたいのかは分かりづらく、おそらくはあの家に住む人を追放して住みたいということだと思うのだが、ほぼ犯人とバレているのに全く捕まらないのは無茶な設定であると思う
ラストでも次の家族が襲われていたが、あそこまで大ごとになると、隠して賃貸するというのは不可能だと思うので、最後は本当に訳あり空き家になって、怖いもの見たさの若者が「冒頭のように被害に遭う」というのでも良かったのではないだろうか
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