コット、はじまりの夏のレビュー・感想・評価
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淡々としているのが面白いのかな?
■結論
つまらないとは言わない。
しかし、私の好みではなかったから寝てしまった。
■感想
ありふれたストーリでひねりや衝撃の展開が無く、ただただ退屈。
マイルドな不幸と幸せが私にはインパクトが薄すぎて面白さが理解できなかった。
このマイルドさが現実的で世間ではありそうな事案だから共感を得られるのだろうか?
と推測される。
なぜなら隣に座っている高齢女性は最後に泣いていたから。
カレーで例えるなら私は辛口、いや激辛が好きなわけで、カレーは辛くあるべき。と考える者ですが、辛口が苦手で甘口が好きな人のほうがたくさんいて、甘口にはその良さがある。
「ほっとする味」ということなんでしょう。
子どもが感じること
少女の未来に幸あれ!
物語の背景となるアイルランドの暮らしぶりやこの一家の状況が判らず、冒頭戸惑う。学校でも家族の中でもうまくやれない少女コットが、夏休みに1人預けられた親戚夫婦との生活の中で、人生の宝物のような時間を手にする物語。
もう、あれです。アイルランド版「アルプスの少女ハイジ」です。「カルピスまんが劇場」のです。厄介者の如く1人だけ預けられた親戚夫婦の許で、彼女が手にしたかけがえのない時間が、その成長と共に綴られる。
着の身着のまま1人置き去りにされたコットに、最初から愛情を注ぐ妻アイリン。無口だが徐々にコットを受け入れる彼女の夫ショーンの姿は、おんじそのもの。コットの一番の理解者となった彼が、彼女を肯定し海辺で優しく語り掛ける言葉が心に沁みる。
夏休みの終わりと共に訪れる、かつての現実への帰還。誠実で分別ある夫婦が彼女を送り届けるその背中に、涙が止まりません。まるでハイジがフランクフルトに連れていかれるシーンで終わりを迎えるような終焉に、観客も彼女の幸せを只々祈るしかありませんでした。
そのラスト、彼女が口にした言葉は果たしてどちらに向けられたものだったのか。
スタンダードサイズ(1.37:1)で撮影された本作。
「物語も彼女の視点を通して描かれるため、まだ自分の周囲の世界を理解していない、視野もまだ広がっていない少女の視点を提示したかった」からだそうです。
昨年(2023年)のアカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされていました。原作は英語でありながら、これが長編映画初監督となるコルム・バレード監督はアイルランド(語)への愛着とこだわりを見せている。その結果のノミネートとなり、日本での公開にも繋がってくれた。
公開が遅い!という気持ちと、公開してくれてありがとう!という気持ち半々です。観に行ってよかったと思える作品でした。
コット、透明で美しい!
私はこんな感動を求めて、何時も映画館に足を運んでいたのだと、こんな涙を流せる自分に出逢いたくていたのだと、気づかせてもらいました。コットへの愛おしさと共に、アイリンの慈愛に満ちた謙虚な豊かさに、我が身を省みて戒める思いです。
秘密があるのは恥ずかしい?
1980年代のアイルランドの田舎を舞台にした映画でした。アイルランドが舞台の映画と言うと、「ベルファスト」や「イニシェリン島の精霊」が頭に浮かびましたが、前者はアメリカ映画だし後者はアイルランド、イギリス、アメリカの合作であり、本作のように純然たるアイルランド映画は初めて観ることになりました。
そこでまず驚いたのが言葉。てっきり英語なのかと思ったら、登場人物たちは全然分からない言葉でしゃべっており、なるほどアイルランド語もあるのかと初めて知った次第。なんともお恥ずかしい限りです。1922年に独立するまで、長らくイギリスの支配下にあったため、英語は今でも公用語として使われているようですが、第一公用語はあくまでアイルランド語だそうです。
そんな本作の内容ですが、内気な性格の9歳の少女・コットが、夏休みに子供がいない親の従妹夫婦に預けられ、人間というもの、そして人間関係というものについて学ぶというお話でした。コット役を演じたキャサリン・クリンチは、本作が映画デビュー作にして主演を演じたそうですが、そうとは思えない自然な演技で、かつ中々の可愛らしさで非常に印象深かったです。
面白かったのは、預けられた先の奥さんであるアイリンが、コットに対して、「この家には秘密がない。秘密があるのは恥ずかしいこと」と言いながら、実は大きな秘密を抱えていたことが次第に分かって来るところ。でもコットはそのことを受け止め、とても優しく接してくれるアイリンのみならず、その夫であるショーンにも徐々に懐いて行くところは、非常に良い展開でした。はじめはぶっきらぼうなショーンでしたが、コットとの距離感を次第に掴んでからは本当の親子のように接することとなり、夏休みが終わってコットが実家に戻る時のお別れのシーンは、結構泣けました。この辺りの筋立ては、非常に良かったと思います。BGMは殆どなく、大自然の音がメインでしたが、この演出も登場人物の心の声を聴けるような感じがしました。
あと、40年以上前のアイルランドの田舎を舞台にしているため、出て来る車が中々カッコよく、旧車ファンだったらより満足が行ったのではないかと想像するところです。
そんな訳で本作の評価は、★4とします。
「言葉」を侮ってはいけない
雄大な時間と小さな変化
映画というメディアが持つひとつの特性に“時間の流れ”の描き方というのがある。故に映画は時に時間軸をずらして見せたり、前後の時間を入れ替えるなどの魔法を使って観客を翻弄し、魅了する。では、本作の時間の描き方はどうだろうか?複雑な時間のトリックはない。だが、木漏れ日溢れる美しい自然美を背景に映し出しながら、ゆったりと流れる時間を観客に堪能させる。これは実に贅沢な映画体験だ。
コットが走り出す、手を繋いで水を汲みに行く、農場の手伝いを行う、そんな些細なシーンの一つ一つにこそ彼女の心身の成長が垣間見られる。そして、それは同時にコットを預かる親戚夫婦の心の隙間を埋めていく。髪を梳かす、街に買い物に行く時に渡すお小遣い、洋服を試着したコットを見つめる表情。直接的な言葉は使わないものの、それら全てが偽りのない愛の形として描かれていく。
だが、その雄大な時間の流れもやがて終わりを迎えることとなる。実際、そこからの展開は早く、寒々しくも映る。しかし、親戚夫婦と過ごした時間の中で確実に起こった小さな変化の蓄積こそが最後に大きな感動を呼ぶ。一度見ただけで理解したとするには勿体ない作品であり、特に舞台となる夏の終わりにこそ繰り返し観たくなるであろう良作に出会えた。
自然な愛
さてどっち?
いい映画だけれど、寡黙すぎて‥‥。
空気感は好きだけど、きれいすぎる
アイルランド 少女の夏
おとなしいハイジ
題名から、性自認や、性的指向に目覚める少女の話かと思って警戒していましたが、違いました❣️
あやうく、佳作を観る機会を逃すところでした。
はっきりとした虐待はなさそうでも、冷たく乾いた雰囲気の家、明るくはないけれど、接し方には愛がある親戚。愛情の有無は子どもにもわかります。
ひと夏預けられたくらいでは、明るい子にはならないし、実家も変わらないし、実家に帰らないといけないのも変わらない。
それでもきっと、この夏の思い出が、これからのコットを支えてくれるはず…❣️
そう信じたい、余韻のありすぎる最後の場面でした🩷
都合のいい時間に上映されていたから、という消極的な理由で観ましたが、思わぬ拾い物でした。観てよかったです😊
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