「本当は★7を付けたい❗」コット、はじまりの夏 まーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
本当は★7を付けたい❗
コットは9歳の少女。
アイルランドの田舎町で、酒とギャンブルに溺れ家庭を顧みない父親、大家族の中で子育てに埋没している母親と暮らしているが、家でも学校でも居場所がなく孤独に苛まれている。
家庭の事情は異なれど、似たような少年時代を送っていた自分にはこの時点で心に刺さってしまった。
1981年の夏休み、母が出産するまでの間、コットは親戚夫婦(ショーンとアイリン)の農場へ預けられることになった。
ここでの生活により、他人から愛されることを知り、他人の痛みや苦しみに触れることで、内気なコットは自分の気持ちを表せる人間に変わっていく。
夏休みが終わって、両親がいる家に送り届け、農場に戻っていくショーンとアイリンが乗った車を、コットが追いかけるラストシーンで胸がつまってしまった。
ショーンに抱きつき「パパ」とつぶやくコットの姿は感動を通り越した一服の画となる。
追ってきた父親の怒りの表情から、次の展開はこちらに委ねられるのだろう。
幸せなコットの日常を願うところである。
キャサリン・クリンチのみずみずしい透明感のあるコットの演技が冴えわたった。
画面がスタンダードサイズで、先日観た「PERFECT DAYS」と一緒であり、ともに“木漏れ日“が表現され、小津作品にも通じるものを感じた。
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まーさんさんのコメント
2024年3月4日
コメントありがとうございます。
時間が経つにつれ、この映画の良さが心に染みてきます。
コットを演じたキャサリン・クリンチの素晴らしさが納得できます。
予告で「これは観たい」と思った直感を信じてこれからも映画に親しんでいきたいきたいですね。