WILLのレビュー・感想・評価
全19件を表示
愛する我が子への「WILL=遺書」
俳優・東出昌大が狩猟をする姿を追ったドキュメンタリー映画。公開前から楽しみにしていたのですが、なんとも凄いものをみせられた気がしました。
東出昌大さんといえば、誰もが知っている朝ドラ俳優で女優の杏ちゃんと結婚、3人の父となり順風満帆にみえた人生を一瞬にして崩壊させたひと、やっぱり懲りないひと。世間の認識は多かれ少なかれそんな感じではないだろうか。では、実際の彼はどうだろう?映像から垣間見えるでっくん(東出昌大)は、純粋で人を疑うことを知らない、気さくでオープンな人柄だ。純粋であるがゆえに危うさも感じるが、その人間的弱さが垣間見れるところが彼の良さだとも思う。どんなに都会を離れて山に籠ったとしても、彼が世俗を捨てることはなさそうだということ。周囲の狩猟仲間もそれを理解している。「狩猟は趣味で、役者が本業だと」いつかはまた、華々しい世界へ戻っていく彼が、束の間に心を癒す場所ーそれが山であり、狩猟である。映画全般にわたって、彼は悩んでもがいている。登場する狩猟の師匠たちの「命」を頂くことに対する思いもまた深い。このドキュメンタリー映画に登場する全ての人が、「命とは?」「生きるとは?」という答えのでない問いに、逃げずに、真摯に向き合っている。また、特筆すべきはラップグループ「MOROHA」の音楽かもしれない。魂を揺さぶる言葉と音は、映像が私たちに問いかけてくる意味をよりいっそう深化させ、なくてはならない演出となっている。
でっくんが、この映画の出演を決めたのは子どもたちの為だという。「WILL=遺書」を残すことで、生きる意味を再確認していく彼の姿がリアルに映し出されていて、何かしらの重い衝撃(感動)を持ち帰ることになる映画です。数ある映画のラインナップの中から、本作品を1番にチョイスすることは、まずないと思いますが、観ておいて損はない良作ドキュメンタリーだと思います。殺生や生々しい映像が苦手な方にはおすすめしません。
生きるために
食う。食うのに狩をする。
って、そんな御託並べてるけどさぁ。
狩をしなくても食えるように人間が色々発見開発してきたのは
どう思うんだよ。
って突っ込みたい。
プリミティブな疑問や問に行き着いたら尊い奴
みたいな空気感で
ひたすら、自己肯定しかしない輩のドキュメンタリー。
こう奴ばかりの世の中になったら
世の中荒れまくるよね。って
僕は思ってる◎
配信で観れた方ちゃんと観てみたけど
これは金払って観たいとは思わねぇ。
なぜその生き方に至ったか
個人評価:4.2
いいドキュメンタリーだと感じた。
以前、森達也の『FAKE』をみた時と同じように、作り手から対象者への愛を感じ、どのように解釈してほしいかの示唆がわかりやすく、またそこに好感が持てた。
本作は東出昌大のファンか、またその逆の人しか見ないだろう。しかしいずれの鑑賞者も、なぜ東出昌大が、その生き方に至ったかが分かる作りになっている。
東出昌大氏の素顔
生きることは,他の命の上に成り立っていることを思わされた。
私には東出氏のドキュメントと音楽、歌が合わなくて、イライラしてしまいました。淡々と東出氏を追いかけるだけで、またはギターの演奏だけでよかったように感じました。
7月6日監督ご本人の舞台挨拶で再鑑賞。
ご本人曰く全編通して、見れてないとのこと。出てくる歌い手さんはご友人であることを知りました。
誠実に作られている印象。
狩猟する人は私の身近にもいるが、嘘や誇張は特に感じなかった。誠実に作られているように思う。
狩猟に縁がない人にも伝わるよう、鮮烈な映像で見せてくれている。また、殺生とは?東出さんはじめ狩猟をする人が何を感じているのか?それらについても深めようと試みている。難しいことなのに、なかなか頑張っている。
東出さんの心の窮地は狩猟が支えた。そして今、狩猟がある生活により、前よりもっとバランスが良く充実した生き方ができているようだ。
彼のように野山を駆け回ることなど、私にはできない。でも、彼のように視点を変えることが必要な時もあるのかもしれない。また、自然の摂理の中で自分は何?と考える必要がある…。ということを気に留めておきたいと思った。
場面がよく飛び、時系列も行ったり来たりなので実は観ていて少し疲れた。
また、流されたラップ音楽は、決してきらいじゃないがクセはあるので、気分のノリを選び、突然わーと流されて少し疲れた。もう少し短めにするとかなるべくバックで流すとかのほうが私的には助かった。
また、インタビューなどで言葉を引き出そうとしているようだけれど、無理して理屈でまとめなくてもよいのかな…と感じた。
しかし好感は持てて、かなり印象に残る映画だったと思う。
狩猟と釣りはちがうのか
信頼している映画評論家のひとり、MT氏(町山さんじゃないほう)が推薦されていたため鑑賞。
本ドキュメンタリーの仕事をうけたのは子供への遺言、と作品内で東出が語っていたが、このようなかたちで自分の生き様を残せる役者という職業にはややうらやましい。
TVをあまり見ないし、週刊誌も読まないのでこのヒトの不倫騒動というのは全然知らないが、映画のなかでの彼はとても真摯な生き方をしているようにみえた。
劇中、害獣駆除狩猟の問題点とか小学生相手の食育のはなしなども扱われていて興味深い。
ただこの類のドキュメンタリーだと、すぐ哲学的な「いきものの命を奪って云々」の問いがでてくるがあれは日本人特有なのかね。狩猟民族起源の欧米ではどうなんだろう。日本でも釣りの分野はそんな問いはせずドライにやってるような。(松方弘樹がマグロを釣って自問自答しているとは思えん)
ところで、劇中説明される東出の狩猟歴からするとおそらく使用している猟銃はライフルではなく(ライフル所持許可は散弾銃を10年以上所持が条件)、ボルトアクションのハーフライフル銃(散弾銃の親戚)をスラッグ弾で使用していると推察する。作品内で2度ほど排莢不良シーンがはさみこまれていたが、あんなにジャムるものなのか?
鹿可哀想 でも美味しいので食べます
福田村事件の東出さんにやられて実物が見れる!と思いトークショーに行きました。狩猟に関しては実家でよく鹿が罠にかかり自治体から派遣された決まった猟師さんにさばいた肉のお裾分けを頂いてます。鹿は本当に美味しい。山の恵みに感謝です。
映画本編ですが親鹿打った後に子鹿を打つのが悲しかったです。つぶらな瞳のままの解体作業と。肉くれる猟師のおじさんこういう事やってるんだ、自分は無理だなと思いました。イノシシ猟友会のグループにも実家で出くわした事ありましたが、温厚で人当たりいい印象はなかったです。内輪のグループで排他的なオーラありました。映画の猟師の方々も皆さん親切ですが温厚でとっつき易いたぐいの人々ではないですよね。強くて厳しそうな。そうでないと狩猟はできないのでしょうね。猟友会の方も信頼できないと仲間に入れないと言ってたので東出さんも然ることながら撮影に協力してもらえたのは監督のエリザベスさんの人柄も大きかったような気がしました。 サイン会で監督さんなのに驕ったとこがなくものすごく優しい方だなと思いました。
小説 葉真中彰さんの凍てつく太陽でアイヌ民族の儀式イオマンテで大切に育ててきた小熊を男全員で矢で仕留めて生贄にする儀式がありましたがこの映画に通じるものがありました。儀式を通じて生き物は何ものにも抗えない力を受け入れなければならないと感じたと主人公は言ってました。鹿鍋食べてるシーンで服部さんが同じ事言ってたような。
服部さんは映画で自死は一つの選択と言ってました。トークショーでは子供は生んで生物のサイクルで循環させるべきだと。昨今引きこもりや精神障害や子供の自殺などもあり産めばいいという気持ちに疑問はあります。ただ生死の近くで生活すると命の価値をもっと身に沁みて感じられるのかなと。服部さんのおっしゃることは正しいとも思います。服部さんだから説得力をもって言える事です。しかし都市型でしか暮らせない弱い人間だと悩みが多くて単純には考えられません。自然に身を置けば小さな悩みなのかもしれません。でも健康な身体を持つ事が前提なのであって。。。アメリカの共和党の哲学に近いものを感じました。どう感じるかは人それぞれ。
子供たちに赦しを乞う遺言
体毛に覆われた獣たちの死骸を見るのだって辛いのに、それを猟銃で撃って殺す。そして鮮血滴る温もりの残る獣たちの身体を自らのナイフで捌いて食らう。時には殺された母鹿を見つめる小鹿の姿を映像がとらえることもある。はっきり言って残酷この上ない。獲物を求め猟銃を手に山道を歩く彼の姿は自らを貶めているかのようにも見える。
4年前に、不倫(不倫報道)→世間からの袋叩き→離婚→事務所からの解雇。人間失格の烙印。
一方でハンサムで背が高くて気さく(人たらし、女たらし)な有名人だから、結局どこへ行っても人気者。黙っていても皆が寄ってくる。助けてくれる。(な~んだ。これもまたこの映画を通して、ずっと思い続けた僕の感想でもあります)
「どうしてあなたはいつだって怒らないんですか」という質問に「そんなことにエネルギーを使いたくない」という返答。この言葉に今の彼の立場、考え方が凝縮されている。世間に自分を晒して生きる仕事をしている。そしてこれからもそれを生業として生きていく。だから下らない世間の下らない評価にも晒されてしまうことも仕方がない、という彼の考え、覚悟を感じた。
最後にこの映画を作った意味を語る。会えなくなってしまった我が子への思いを言葉少なに語る。そういうことか。僕にはすべてが腑に落ちた。
汚い存在の自分を許して愛してほしいという、東出ひいては人間への監督からのメッセージ
実は彼の映画やドラマを一本も見たことのない私。
彼に狩猟の手ほどきをした一人に、サバイバル登山家の服部文祥さんが関わってると知って、俄然興味がわきました。
干された芸能人のしがない生活を同情的に描く話ではない。
普段他人が殺した肉をのうのうと食べて命を頂く感謝が薄れている世の中で、あえて狩猟で命と対峙することの喜びと悩み、自然破壊した人間や増えすぎた鹿と無駄になる野生肉のこと、生き物の内蔵を撮る石川竜一、鋭いリリックで世の中の欺瞞を痛烈に叫び救いを探し続けるMOROHA、そして人間の存在が地球にとってどうあるべきなのか?まで問い続ける服部さん。ほか多彩なゲストや猟銃会のおっちゃんたちの話などに彩られて、深く重たいテーマに収斂。
WiLLの意味が最後明かされたとき、人間社会が一番残酷だよなと思いました。芸能人の色恋沙汰なんてこちらの人生には一ミリも関係ないのに社会的抹殺されるほどなのか?と。
最終的には監督から東出さんへのエールなのかなと。MOROHAの歌詞が、こんなに汚い自分でも自分を愛せるときがくるのかというような内容だったので、東出さんに自分を許して愛して人生を楽しんでほしいというメッセージと受け取れました。
生き続ける
生き物を猟銃で撃ちナイフで解体していく場面がけっこうありました。命を奪う自らの行為に心を痛めつつも自らが生きるために美味しくいただく。その矛盾に悩み考え続ける東出さんの、田舎暮らしを始めてからの記録。身から出た錆とはいえ、心傷つき痩せ細ってしまった東出さんが、田舎で出会った素敵な人生の先輩方とのふれあいの中で、逞しく再生されていく様が見れて良かったです。これからもしっかり生きていって欲しいと思いました。いつか、きっと子どもたちと会える!生き続けていれば! それから、MOROHAの音楽が良かったです。初めて聴きました。感動しました。
命を喰らう人たらし
東出昌大の映画はつい見てしまう
このドキュメンタリーは最高に刺激的で引き込まれてしまった
世間の女性からはきっと嫌われているんだろう
彼の正直に生きている所に男も女も惚れてしまうのか
そしてたまにそんな女に巻き込まれて世間を騒がしてしまう
きっと悪気はないのだろう
野生の動物を撃って、命をいただく
人間にとってはとても原始的な行為であるのでしょう
師匠である服部さんの言葉はとても哲学的で説得力があり
葛藤しながら狩猟をして生きているのを感じた
MOROHAの歌もこの映画にとてもよく合っていて感動でした
どっかで見たことあると思ったら、ほやマンだったのですね
140分という長かったが、引き込まれてしまいあっという間でしたね
ちょっとでも気になる人は絶対見てください
今年一番になるかも
圧倒的な臨場感!
平日の夜の部だが8割の入りですごい。序盤から圧倒的な臨場感で画面に釘付けとなる。生と死と命。ドキュメンタリー映画としては87年の「ゆきゆきて神軍」を初めて観た時以来の衝撃でした。そして人としての東出昌大の存在感がものすごい。この前の福田村事件の時の芝居も素晴らしかったですし、今回はご本人のドキュメンタリーということで過去にいろんな報道などありましたが個人的にはすごく大好きになりました。圧倒的な映像、大自然、地元の人達や週刊誌との付き合い方、俳優という仕事への向き合い、家族などの話など。MOROHAの音楽も作品にとても合っていて、とにかく素晴らしい作品です。
謙さんもお忍びで山小屋を訪れる気がする・・・・
上映してる劇場は大阪と神戸で、時間的に行けるのは神戸元町ですが・・・
事前にネットでチケット買えない座席確保も出来ない元町劇場は、行く道中のストレス半端ない(-。-;
俗に言う不貞行為で、大バッシングを受けた俳優・東出昌大狩猟生活ドキュメンタリー
同じような事をしてても彼のように叩かれない人もいる芸能界の不思議!?
私的には、時折見せる彼の憑依的な演技は嫌いじゃないだけに、スクリーンから消えないで欲しいと思ってました。
信用を失い苦境に立ちながらも生きる居場所を見つけて、懸命に生きようとする姿に引きつけられる人達がいるからこそ、世に出た映像の数々は、ショッキングな映像も多いので、簡単にオススメは出来ませんが・・・
日本以外でも評価されると思う想像以上のドキュメンタリー!!
彼と対峙する人々が、己の生き方を貫いて人達なので、台詞ではない会話がリアルで、ラップグループ「MOROHA」渾身の叫びが、心に響く
ココからは妄想ですが・・・
彼を決して責める事の出来ない元義理の父が、この作品観たら、あの山小屋に来るような気がするし・・・
お子さん達もいずれ自分の意思で、父を訪ねて来るでしょう。
そんなWILL 2と3は、映像にならなくてもきっとある。
東出の魅力が溢れる
週刊誌、テレビ、ネット記事を通して描かれる歪曲された印象とは異なる、東出の純粋さかつ自然な姿を見せてくれる。この自然さが漁師仲間や周りの人たちに気に入られ可愛がられるのだろう。
狩猟を通して自分自身、生きることの意味など答えの出ないことを考えながらも役者の仕事をする今の感じが合っていそうで良かった。
東出の好感度が上がって来てるのでこのスタイルで役者を続けてほしい!
"食うか食われるか”東出昌大にしか出来ない遺言作
2024年劇場鑑賞12本目 名作 90点
正直こんなにもいい意味で裏切られるとは思わなかったです
密着ドキュメンタリーは大概ハズレないですが、作品としてのテーマや細部まで凄まじく、説得力と力強さが本当に凄まじかった
2024年も1/6が経過しまだ15本ほどしか鑑賞していませんが、暫定1位で、恐らく年間ベスト5に残るんだろうなぁと思うし、是非人に勧めたい衝撃が走る作品になりました
3回ほど流れるMOROHAのアフロの熱唱シーンは、ラップがあまり好まない当方でものまれてしまったし、さよなら ほやマンから彼を認識しましたが少しファンになってしまった。。
内容としてはドキュメンタリーなので、実録を忠実に送り手に届ける土俵があるので、単に面白いと評価するのは野暮で、正しい言葉が見つからないけど、東出昌大はなるべくして猟師になったし、細部の人物的要素や行動によって生じた事柄に対しての回答が、山での生業に集約されるのが、そういった星に生まれたかのような、導かれるように山で生きていて納得でしかなかった
報道の時期、事務所退社の時期、自伝のような舞台の時期、福田村事件の時期、と全部が都から離れて、東出昌大個人として受け入れてくれる世界や空間で心を安らいでいく中で、芸能人東出昌大として失ったものを背負い、繋ぎ止めているものを大切にし都へと戻っていく様が過去よりも忠実に実直に噛み締めて生きているようで、もう残りの人生を数えている様に見えた
生に触れて、より食への有り難みを感じたことによって都での芸能人東出昌大としてそこにいる時に口にする食べ物の味がしなかったり、生き物は違えど動物の父母と娘息子の関係を自らの手で打ち殺し引き裂く行為と自らの境遇の対比の心境は、言わずもがな一番最初に掴まれた訴えでした
彼のファンは勿論、邦画ファンやメディア関係者、もっといったら現代を生きるすべての人の様々な価値観や印象が変わるなり新たな一面に出会える、もっとも映画らしい作品なのかもしれません
是非
東出さんだけじゃなく、 出てくる人みんなが良かった みんなと東出さ...
東出さんだけじゃなく、
出てくる人みんなが良かった
みんなと東出さんとの関係性も良かった
予想していたよりもてんこ盛りな作品でした
上映館も上映コマ数も少ないけど、見て良かった
男の生き様
東出昌大の想像以上にガチな狩猟生活に密着したドキュメンタリー。
猟銃の扱いからナイフ1本での獲物の解体まで見ていて惚れ惚れする。そして猟友会のオジさんたちから突撃してきた雑誌記者まで、スッと懐に飛び込む人たらしっぷりがまた素敵。これはモテるはずだ。
東出と交友のあるラップチーム「MOROHA」の音楽が全編を彩っている。アフロのやり場のない怒りや哀しみを叩きつけるようなリリックが、東出の人生とオーバーラップして堪らなくエモい。
事務所から独立後、東出昌大が初めて参加した映像作品「福田村事件」の撮影現場に密着した映像も興味深い。
東出が役作りの一環で和船の操船を学ぶシーンなどもあり「福田村事件」のメイキングとしても楽しめる。
この作品を通して東出は別れた子供たちに対して、父親としての生き様を残そうとしていることが終盤明らかにされる。
この映画のタイトル「WILL」とは「遺言」の意味であり、子供たちへのメッセージだったのだ。
全19件を表示