「子供たちに赦しを乞う遺言」WILL ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)
子供たちに赦しを乞う遺言
体毛に覆われた獣たちの死骸を見るのだって辛いのに、それを猟銃で撃って殺す。そして鮮血滴る温もりの残る獣たちの身体を自らのナイフで捌いて食らう。時には殺された母鹿を見つめる小鹿の姿を映像がとらえることもある。はっきり言って残酷この上ない。獲物を求め猟銃を手に山道を歩く彼の姿は自らを貶めているかのようにも見える。
4年前に、不倫(不倫報道)→世間からの袋叩き→離婚→事務所からの解雇。人間失格の烙印。
一方でハンサムで背が高くて気さく(人たらし、女たらし)な有名人だから、結局どこへ行っても人気者。黙っていても皆が寄ってくる。助けてくれる。(な~んだ。これもまたこの映画を通して、ずっと思い続けた僕の感想でもあります)
「どうしてあなたはいつだって怒らないんですか」という質問に「そんなことにエネルギーを使いたくない」という返答。この言葉に今の彼の立場、考え方が凝縮されている。世間に自分を晒して生きる仕事をしている。そしてこれからもそれを生業として生きていく。だから下らない世間の下らない評価にも晒されてしまうことも仕方がない、という彼の考え、覚悟を感じた。
最後にこの映画を作った意味を語る。会えなくなってしまった我が子への思いを言葉少なに語る。そういうことか。僕にはすべてが腑に落ちた。
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