「"食うか食われるか”東出昌大にしか出来ない遺言作」WILL サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
"食うか食われるか”東出昌大にしか出来ない遺言作
2024年劇場鑑賞12本目 名作 90点
正直こんなにもいい意味で裏切られるとは思わなかったです
密着ドキュメンタリーは大概ハズレないですが、作品としてのテーマや細部まで凄まじく、説得力と力強さが本当に凄まじかった
2024年も1/6が経過しまだ15本ほどしか鑑賞していませんが、暫定1位で、恐らく年間ベスト5に残るんだろうなぁと思うし、是非人に勧めたい衝撃が走る作品になりました
3回ほど流れるMOROHAのアフロの熱唱シーンは、ラップがあまり好まない当方でものまれてしまったし、さよなら ほやマンから彼を認識しましたが少しファンになってしまった。。
内容としてはドキュメンタリーなので、実録を忠実に送り手に届ける土俵があるので、単に面白いと評価するのは野暮で、正しい言葉が見つからないけど、東出昌大はなるべくして猟師になったし、細部の人物的要素や行動によって生じた事柄に対しての回答が、山での生業に集約されるのが、そういった星に生まれたかのような、導かれるように山で生きていて納得でしかなかった
報道の時期、事務所退社の時期、自伝のような舞台の時期、福田村事件の時期、と全部が都から離れて、東出昌大個人として受け入れてくれる世界や空間で心を安らいでいく中で、芸能人東出昌大として失ったものを背負い、繋ぎ止めているものを大切にし都へと戻っていく様が過去よりも忠実に実直に噛み締めて生きているようで、もう残りの人生を数えている様に見えた
生に触れて、より食への有り難みを感じたことによって都での芸能人東出昌大としてそこにいる時に口にする食べ物の味がしなかったり、生き物は違えど動物の父母と娘息子の関係を自らの手で打ち殺し引き裂く行為と自らの境遇の対比の心境は、言わずもがな一番最初に掴まれた訴えでした
彼のファンは勿論、邦画ファンやメディア関係者、もっといったら現代を生きるすべての人の様々な価値観や印象が変わるなり新たな一面に出会える、もっとも映画らしい作品なのかもしれません
是非