「ノアの方舟のようなお話でした!」猿の惑星 キングダム 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
ノアの方舟のようなお話でした!
ヒーローの名前はノアだったので、「ノアの方舟」を思い出しました。この世で繰り返される争いごとに嫌気がさした神が、この世を大掃除しようと大洪水を引き起こします。そんな時たった一人(ここでは猿です)の正義感のあるノアを救うために、「方舟を作り、その家族と動物たちを乗せる」という筋書きは、まるでこの作品のヒーローの活躍にダブりました。設定では人類300年後の世界で、ウィルスにやられても密かに生き延びた人間の存在を見ていると、人間の愚かさを風刺しているようで、悲しい気持ちになります。ヒーローは良き猿のグループを支えようと奮闘します。その前に現れる悪い猿のボスとの戦いがこの作品のメインですが、その激しいアクションに、どんな眠気もすっ飛びそうでした。そして最後に、そのボスを懲らしめたワシの登場に、まさにVサインをしてしまいました。正義の味方であるノアが見事に部族を救った時涙腺は崩壊です。家族愛、同志愛に溢れる秀逸な作品と言えるでしょう。この戦いに絡む若き女性のメイのポジションはわかりにくいのですが、それでも最後には人間の復活のために使命を果たしたという功績は伝わってきました。彼女は猿のヒーローとなんとかやっと融和したのですが、それでも去っていかなければならない姿に、一抹の寂しさを感じました。思うに、宇宙なかんずく地球は、ワンネスだと思いますので、最終的には猿も人間も愛に溢れて幸せになって欲しいという願望が満ちている作品かもしれません。
追記 最初は猿にはあまり興味がなかったのですが、人間のような見事な表情に感服でした。
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