「いささか説教臭い」猿の惑星 キングダム TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
いささか説教臭い
公開1週目の月曜日、109シネマズ木場は「ペアマンデイ」で二人組のお客さんが多かった気がしますが、お一人さまの私はU-NEXTのポイントで鑑賞です。午前回の客入りは空いていますがそれなりに。
前作から6年ぶりの新作となったこのシリーズですが、私、元々はこのジャンルにあまり興味が持てず、実は68年のオリジナル版は通して観た記憶がありません。(オチは何となく知っていますが、、)脱線しますが、兄の影響でTVドラマ『猿の軍団(74)』は再放送で観ていた記憶があります。と言うことで、リブートされた本作について『創世記』は『新世紀』公開に合わせて配信で初めて観て「これは素晴らしい」と目から鱗が落ち、続いて劇場で鑑賞した『新世紀』についてもまた感動したことを覚えております。この2作品は「遺伝子操作」と如何にもアメコミ的なギミックで「変異からの進化」が早い上に判りやすいこと。それに比べて3作品目の『聖戦記』は内向きな話となり、群れ全体が高い知能を持ち始めてより精神性についての話となっていったことに個人的には少々トーンダウン。現在ディズニープラス解約中のため、復習しないままこの曖昧な記憶のまま参戦です。
で、新作ですが、シーザーら第一世代から数世代後という設定。相変わらず内向きな話となっていますが、猿(モンキーではなくエイプ)達は子猿まで含め、皆一定以上の知識レベルを身に着けており生活にも斬新な工夫がみられます。ただ展開は既視感のあるようなきっかけとして「若猿の不用意な行動」と「人間の出現」が平穏な生活を一変させ争いが始まります。そこからは若猿に対して教訓のための師の出現と経験、そして反省の繰り返し。思いのほかトイレのための離席がチラホラ気になるレベルだったり、私自身も内容の説教臭さに思わずボーっとなったりでイマイチ集中力が高まりません。はっきり言ってしまうと退屈。精神面においては成熟も認められますが、初期に比べると進化は感じられませんし、何なら技術や科学については人間が支配していた第一世代に直接見て触れていたのに比べると少々後退している印象も感じます。
まぁ、この回は恐らく次作5へのつなぎなのでしょうね。ちなみに、ポストクレジットで何かあるのではと思わせぶりですが何もありません。むしろ全般VFXという作品性も相まってエンドクレジットはめっちゃ長いので、無理してトイレ我慢してまでは見続けなくてもいいかもしれません。(かく言う私は最後まで観る派ですが)
一般的には評価高めな印象ですし、決して駄作であると言いたいわけでなく、あくまで私の趣味と合わなかっただけだと思います。とは言え、猿だって怪我や骨折するだろうに兎に角打たれ強いノア(オーウェン・ティーグ)を見ていると、SF作品というよりアメコミ超人物と言う方が近いような気がします。続編は劇場でなくてもいいかな。。(ディズニープラス再契約は未定だけど)ちなみに本作は電気のない森の中のシーンが殆どで、特に夜のシーンは暗くてよく観えませんでした。液晶画面ではコントラスト的に無理もある気がするので、興味がある方はドルビーシネマがお勧めかと思います。