「エイプ同士の戦争映画」猿の惑星 キングダム hiroさんの映画レビュー(感想・評価)
エイプ同士の戦争映画
新章の1本目という出来。エイプを人間に置き換えると分かりやすいが、父を殺された息子が敵国を倒し部族を救う、どこかで聞いたようなストーリーだ。
新しい要素も少なく、盛り上がりに欠けワクワク感は感じられない。
猿の惑星には展開を変えることが出来る「人間」と「シーザー」という要素があるが、上手く使うことが出来なかった印象。
表情などグラフィックで魅せる部分はあるが、可もなく不可もなくといった仕上がり。
「人間」は、エイプから見て悪役の立ち位置で描かれており、行動としてもエイプに寄り添う展開は描かれない。助け合いや慈悲を持つエイプと正反対の存在として描いているのは面白い。
「シーザー」はノアがラカと共に冒険し成長する様子が描かれるが、シーザーの教えを深く掘り下げていない。あの短い旅でそんなに理解出来るのか?しかも、捕らえられてからはシーザーの教えはラストまで放りっぱなしである。
「エイプ 一緒なら 強い」を体現して、一族でプロキシマスを倒すが、シーザーの教えを掘り下げていないのでそこに感情が乗ってこない。そして「エイプ エイプ 殺さない 」はどこへ?
一族の崖登りや鷹を使った攻撃、ママと話す人形など、オマージュや伏線、メッセージを散りばめるのは良いが、淡々と物語が流れてしまったのは感情移入のしにくさから来ていると感じる。
シーザーの教えを説いて、他の部族も救う展開なら…。
とはいえ、新章に入り説明や次作への繋がりを優先してる感じもするので、次に期待か。
まったく同感の感想です。
他の作品を全く知らずに、これだけを見たらスケールの大きい作品と思うかもしれませんが、過去作を見ている人間からすると物足りないですね。
次回作に期待でしょうかね・・・