「人間は最低だぞノア」猿の惑星 キングダム 僧ヶ鍬崎さんの映画レビュー(感想・評価)
人間は最低だぞノア
原始部族社会を営む猿たちが、人間の歴史の知識を得たことで古代の王国へ発展した!
王国の力を結集し、開けられない鉄扉を無理やり開けようとして何度も失敗する猿たちは、どこまで行っても人間に届けずしかし人間の所業を繰り返す未来の暗喩だろうか。
猿たちが人間に及ばない中で、恐らく最も足りないのは悪意であろう。基本的に同族であれば集団の首長しか猿は殺さない(少なくとも、防衛以外で意図的な殺猿シーンは作中にはない)。
それに対し、人間のメイは目的のためであれば人間だろうと猿だろうと殺す。何も知らない猿たちを騙すし、恩猿を前にしても決して銃を手放さない。
人間の目的さえあれば徹底して害をなそうとする意志の固さは、敵対的であってもなお群れの維持のために緩い信頼関係を保つ日和見的な猿とは対照的だ。
とはいえ、猿たちがある意味で無垢なのは文明が発展途上だからであろう。次回作以降どのように猿が汚れる、ないし人間になっていくかが見物なシリーズだ。
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かばこさんのコメント
2024年5月16日
ノアが「悪意」を認知してよりクレバーなリーダーとなり、進化の重要性を意識して知識を追い求める、民主的な政治を引く、とかに繋がらないかな、と思います。でもって、実は生きていたラカが現れてノアの補佐につくとか、あると良いなと思います