「人間という種目」エス tilleulさんの映画レビュー(感想・評価)
人間という種目
同監督の『園田という種目』のブラッシュアップ拡大版(或いは完結編)。
始まって10分くらいは、ああ、有りがちな「普通の人たちの、ありふれた日常の話か」と思いかかるのだが、そこから精妙な会話劇が展開していく。
自分の日常を守るために、人は利己的に振る舞い、残酷かつ慎重に異分子を排除する。それをことさらに脚色することなく、自然すぎるほど自然に見せてくれる。しかも、観終わったあとに、記憶に残るクライマックスもきちんと用意されている。とても上質のウェルメイド・プレイとでもいうべきだろうか。
この監督には「人間という種目」への尽きることのない興味があるのだと感じる作品だった。
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