あまろっくのレビュー・感想・評価
全197件中、61~80件目を表示
ちょっとだけ、いや、すごく響いてる
ありえそうでありえない、ありえなさそうでありえる、そんな、心に響くストーリーでした。
娘が、父親の再婚を容認したら、相手が年下の女性だった。そこから始まる心が揺り動く、涙が出てしまうお話し。
キャストがどハマリして、あっという間の2時間でした。上映館があまりない中、運良く地元で鑑賞できて、ラッキーでした。
良い映画とも思われましたが、現在性には疑問が‥
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
映画を通して良い映画だとは思われました。
特に、中条あやみさんが演じた実際の家族の愛情を知らないのに明るく常に振舞っている早希は魅力があり、主人公・近松優子(江口のりこさん・後野夏陽さん・別所美紀さん)の父の近松竜太郎(笑福亭鶴瓶さん・松尾諭さん)も魅力ある人物だっと思われます。
ただ一方で、描かれている内容は、古き良き(専業主婦的)家族へのノスタルージー暗喩と感じられ、果たして現在に耐えられる映画になっているのかは個人的には大いに疑問はありました。
(事実、主人公・近松優子の母(近松愛子(中村ゆりさん))は亡くなっていて、父の近松竜太郎も映画の早々に亡くなり、今は無きノスタルジー暗喩の表現になっています)
そして(魅力的な人物だとは感じながら)早希(中条あやみさん)の描写は親の愛情を知らないはずなのに、ちょっと理想的描写過ぎるのではとは思われました。
個人的には、この作品の良さは踏まえた上で、とても現在に耐ええる内容とは思えないと感じられ、シビアに今回の点数となりました。
ひっついてるものを剥がすと 何で痛いのやろ
尼崎にある閘門を
水害から守るシンボルとして、
家族の大黒柱に例えた
大阪の家族のお話しでした。
大黒柱はだれなのか。
それがオチにもなっていて
面白い。笑える。
というか、途中からずっと
薄く泣けて、泣けて‥‥
何気ない日常の根っこにある
心情にどっぷり。
結婚生活に失敗した人とか
年配の方とか、
人生経験積んだ人ほど、しみそう。
結局、
そんなに裕福でなくても
人生誰かのために楽しく
暮らした方が
いいなと思ってる人は
カモ。
家族でも知り合いでも
距離感をもって付き合うのは
難しいですが、
本作をみると
そんな事はどうでも良くて、
自分がこうしたいと思って
それに付き合ってもらえる人同士の
距離感が生まれるんだなーと。
ま、当たり前かもですが。
序盤の
優子が職場で失敗した場面も、
中盤での
親父が近所を徘徊して
職場を上手く回している場面も、
終盤の
早希の頑張りも、
ラストの優子の決断までの
長い長い前座。
「私が〜になる!!」
あぁ、
そうなって欲しいという
流れに全部乗っかっていくんだけど
それでいい。ワンピースっぽくて。
きつく聞こえる言い回しも
関係性があってこそが
ちゃんと表現されていて
心地よし。
イントネーションに違和感ないと
思ったら、
なんと全員が関西人。
知りませんでした。
食うて寝たら大概の事は何とかなる。
とはいったもので
うちの婆ちゃんも
寝るは豊楽金いらずって
言ってたし、
寝るって大事。
男前の江口さんと
素敵な中条さんとの
やり取りをいつまでも見ていたい‥‥
人と生きる素晴らしさがスクリーンから
溢れます。
おすすめ。
温かい気持ちになった。
最近、アクションとかミステリーばっかり観ていてのでこういう温かい気持ちになる映画は良いね。中条あやみと江口のりこが親子になるという、あり得ない内容だが、とても良い雰囲気でファンになった。鶴瓶の寅さんみたいな雰囲気がまたとても似合っている。良い映画だった。
ストーリー 6 演技 6.5 芸術 6 エンタ 6.5 総合 7 ...
ストーリー 6
演技 6.5
芸術 6
エンタ 6.5
総合 7
キャスディングが好き。悲しいこといっこも言うてへんのに泣けてくる、昭和やな〜尼崎こいーですな。
僕は刺さらなかったが評価は高いんだなと思った。
江口のりこさんということで期待したが、すね具合がまるで中学生。あの年齢で中学生がすねてるみたいなことやられると、それちょっと違うだろと思ってしまってはまらなかった。
評価が高いようなので刺さる人もいるんだなと思った。
結婚=幸せという価値観の押し付けがしんどい
主題歌であるユニコーンの「アルカセ」を映画館で聴きたくて見に行きました。
おでん屋店主役の駿河太郎さんは映画本編では主人公・優子の本音と愚痴をひたすら聞かされるだけで終わってしまいますが、「アルカセ」のMVでは駿河さんがフィーチャーされています。
映画本編について。
まず中条あやみさん演じる早希が、父親が不倫相手と家出したという過去を持ち、恵まれてるとは言い難い家庭環境で育ったのに、結婚して良い家庭を作ることに憧れ固執するあまり、前期高齢者に逆プロポーズして断られたら押し倒してモノにするという凶行の末に結婚……というちょっと狂気的なキャラでした。
他人の幸せを自分の物差しで測るタイプというか、人の幸せを否定して自分の価値観を押し付けるキャラだったので、見ててしんどかったです。
早希は家庭環境に恵まれなかったから結婚に憧れ(私だったらそんな家庭で育ったらむしろ結婚なんてしたくないと思いますが)、結婚=幸せという価値観を持っているようですが、価値観は人それぞれだし何を幸せと感じるかも人それぞれなので、早希が結婚することが幸せと思っているのは別に良い。けどそれを他人に押し付けるのは良くない。
特に変化のない日々を送る主人公の優子に「そんなの幸せじゃない。ごまかしてるだけ」と決めつけたり、頼んでもないのに「幸せになってほしいから」と勝手にお見合いさせようとしたり、結婚=幸せという固定観念に縛られすぎていて、そういうの、今の時代に合ってないよ……と思ってしまいました。
江口のりこさん演じる優子は外出できるタイプの引きこもりに該当すると思われますが、引きこもりに対する早希の対応がとにかくダメすぎて見てられない。腫れ物に触るように気を使いすぎるのもよくないが、いきなりお見合いをすすめるのは乱暴すぎる。現実であんなことしたら引きこもりが悪化するか狂暴化する恐れがある。真似する人が出ないことを祈ります(いないと思うけど)。
そもそも早希は家族団欒にこだわってるわりに余計な一言というか無神経な発言が多い。「裁縫したって結婚相手は見つからんよ」とか(優子は結婚相手を見つけるために裁縫してたわけじゃない)、執拗にお見合いや結婚を優子にすすめるところにやはり狂気を感じるし、家族団欒したいと言いつつ本当は優子を追い出したいのかなと思ってしまいました。
結局はそのお見合い相手がたまたま同じ大学卒で以前から優子に好意を持っていたのでなんだかんだありつつゴールインするのですが……これは果たしてハッピーエンドなのか?
優子は会社員時代、仕事が出来ても彼氏がいたことがないからと笑われ、仕事が出来るのに協調性がないからと社会からはじかれてしまい、それからずっと定職に就かず早希がやって来たあとも就職する気配はなく、降ってわいたようなお見合いの話がただただ都合よく進んでいくという展開……女性は理不尽な理由でリストラされて人生挫折しても結婚できればオールOKってこと?
優子は彼氏がいたことがないらしいと影で笑っていた人たちを結婚で見返すことは出来たのかもしれない。けど仕事が出来るのに優子を会社から追い出した人たちを見返したことにはならない気がして、なんかすっきりしない。
なぜ仕事しないの?と近所の小学生に聞かれても優子は答えず、その疑問は置き去りにされたまま、なぜか結婚の話がトントン拍子に進んでいく展開が個人的には不可解でした。
仕事を辞めさせられたことにくすぶってたなら仕事で這い上がってく展開のほうが個人的には見たかった。仕事出来るのに会社クビになったけど結婚したから解決!みたいな結末にモヤってしまった。
けどこの映画の本質はそこじゃない。
この映画は優子と早希が、鶴瓶さん演じる竜太郎を通して出会い、竜太郎を失ってから絆を深めていく物語だった。
リストラや地震や、人生には理不尽なことが度々起こるけど、いろんなことを受け入れて生きていかなきゃいけない。
それは仕事や結婚を急かすわけでもなく、黙って優子を守っていた近松家のあまろっくこと竜太郎の「人生で起こることはなんでも楽しまな」の精神で、楽しんで受け入れるくらいの気持ちで生きていくこと。
それがこの映画の本質なのかもしれない。
私は結婚したからって幸せになるとは限らないと思っているので、あれがハッピーエンドと言われてもなんだか違和感がありますが、ファンタジー映画として見たら楽しいと思います。
私がこの映画で感動できなかったのは、引きこもりの人に対する対応とかその辺の描き方が無神経すぎて、そこはこの映画の本質ではない部分でしょうけど、それがずっと引っかかって感動できなかったのかもしれません。
江口のりこさんや中条あやみさん、鶴瓶さんら、演者の皆さんはとても良かったです。
そして映画館で聴く「アルカセ」もとても良かった。
しつこいけど引きこもりの人の毎日を頭ごなしに否定して自分の価値観を押し付けるような真似をする人が現実に現れないことを祈ります。
けったいな話やけど、家族の繋がりや温とい人情に振り回され終いはごっつ涙する!
コイつわぁ オモロイ、めっちゃ感動したよ!
先日「あまろっく」を観に行きましたよ。
見る気全くゼロやったけども、どうせ”ロック”って付くし
流しの歌関係の話なんかと・・・。
それにミニオンパパ(鶴瓶さん)出てるしね。心の底から詰まらんと決めつけてた自分が有ったわ。
そういや 公開前の新聞に、佐川満男さんが体調不良で024年4月12日に亡くなられた記事が出ててね、この作品が遺作らしいのですわ。
ご冥福をお祈り致します。
と言う訳で今作の
出ている主な人達:
・近松竜太郎(工場経営者):笑福亭鶴瓶さん
・近松愛子(妻 故人):中村ゆりさん
・近松早希(後妻 優子の継母):中条あやみさん
・近松優子(娘 独身女性):江口のりこさん
・南雲広樹(優子の婚約者):中林大樹さん
(工場の社員、他)
昌子(庶務課):久保田磨希さん
高橋鉄蔵(ベテラン職人):佐川満男さん
大塚孝弘(若手):朝田淳弥さん
高校教師(優子の学校の先生):高畑淳子さん
兎に角、関西弁丸出しの尼崎の話。最初に”あまろっく”の説明がシッカリされている点も誤解を生まずOKです。私はそう言う地域なんだと知った次第。勉強になりますね。
役者陣も素晴らしい配役で設定されてます。
特に中村ゆりさんを応援してまして、日本生命CMの”笑顔が大好き篇”で感じた表情が凄く好き。そこから彼女へエールを。次回作も期待です。
そして久保田さんですね、今作もシッカリした良い味出てましたね。安定した名脇役感出てますね。
--------
この作品、妻を亡くした竜太郎(父)が娘より若い子(早希)を後妻に貰って、優子の年齢と逆転した継母存在が一つのネタですね。
或る日 ジョギングで父は急に亡くなり、社長亡き工場経営の危機と、娘優子の縁談話と、同時に起こる海外への転勤問題。トドメは継母の妊娠。つまり年下義理母に年の離れた兄弟が出来て。この難局を渡れって 優子にミニオンパパがあの世から指示出してるw きっとネ・・・それが遠目で見ててオモロイの極地。
こっち側から見てて、やっぱり 若い早希さんの存在は 亡くなった愛子さんがこの残された家族へ贈った使者だと思うんだよね。そこがとっても良い。
か弱そうに見えて一歩も引かない気質、早希さんの存在がそれを証明していると思う。
一時は工場売るとか、継母にアンタは他人やとか、言ってしまった優子だったが
総ては 早希の事を思っての出来事。それも凄っごく分る話ではある。
娘が父の事を思い出す・・・
父が言った オレは我が家の”あまろっくや” 、この思いね。
阪神大震災では無力を感じた父。それは誰もが同時に一緒に経験した事。
それでも皆を助けながら生きて来られた訳で。
その事を噛みしめる優子の脳裏にある 母が亡くなった時の記憶。
父が作ってくれた梅干し入り握り飯と、恵比寿さんのお面を付けて
”笑っていたらなんもカンも忘れるよ~”。この能天気な言葉を言いながら
娘を気遣ったけど、本当はお面の下では号泣していた父の姿を分かっていた訳で。
総ての涙を全部受け止めて、優子は我が家のあまろっくに成ろうと決めるのである。ここの場面が一番 涙しましたわ。
最後に近松家に訪れる幸福とは 果たして一体何か・・・
-------
江口さんをメインで、しかも結婚話を遣るんですからね、
そりゃ本は凄い力量があっての出来事と察しは致しました。
これは 中々行けるんじゃないでしょうかね。
心暖かく劇場を後にした次第です。有難う御座いました。(*^。^*)
心温まる本作にご興味御座います方は、
鑑賞出来る劇場がお近くに無いかも知れませんが、
是非、是非 今の内に劇場へお越し下さいませ!!
まさかの。
江口のりこさん、とても苦手な俳優さんです。
江口のりこさん主演なので、見る気がしなかったのに
この映画、江口さん(と中条あやみさん)でしか成立しないのよ😆
そしてそしてまさか江口のりこさんに泣かされる日が来るとはね…
泣いて笑って、最後はホッコリ…
とってもとっても素敵な作品でした。
あまろっくの守り そして 共に成長して行く
最初のシーンは家族三人であまろっくを見る。
オヤジはいつも自分はあまろっくって言った。正直その時あまろっくは一体何だろうかを考え、曖昧になった。結局、やっぱりあまろっくはオヤジだよね。隣りにいない時もちゃんと見守ることだろう。
そして 主人公たちの感情の変化、その成長も本作の面白い所だと思う。
何の映画を見るかを迷うなら、この映画を見てみよう。
掛け合いがおもしろい
................................................................................
製造業社長の鶴瓶。仕事は全然しないが、人から慕われてた。
「自分は尼ロック(尼崎閘門、町を災害から守る)と言ってた。
その娘のりこは優秀で京大を出たがリストラにあう。
行き詰ってプラプラしてたら、鶴瓶が20歳のあやみと結婚。
あやみは不幸な家庭に育ったので、家族団らんに憧れてた。
そんなあやみを馴れ馴れしく感じ、のりこは冷たくしてた。
そして結婚1か月、鶴瓶が突然死ぬ。
あやみは出て行くでもなく、苦しい工場を立て直そうとする。
のりこは家と工場を売ってあやみに金を渡す提案をする。
でもあやみは受け入れず、のりこを家族と言って居座る。
2人は全く違う性格ではあるが、どこか相手を認め始める。
のりこは、あやみが紹介した男からプロポーズされる。
結婚後は海外移住の見通しで、一旦は受諾したのりこだが、
あやみが妊娠しており、出産後も含めて心配してた。
のりこは工場の人から、鶴瓶がただのバカではなくて、
阪神淡路大震災で変わり、努めてそう振る舞ってたと知る。
そして今度は自分が尼ロックとしてあやみらを守ると決意。
こうしてプロポーズを断ったのりこだったが、
相手の男がよほどのりこを好きだったようで退職し、
のりこと共に工場で働くことになる。
................................................................................
尼崎の映画館で見て来た。
尼崎の話なので、全国より1週早く封切してた模様。
鶴瓶が主人公と思ってたら、早々に死んでビックリしたわ。
特に内容ある映画とは思わんかったが、何か良かったな。
鶴瓶・のりこ・あやみらの日常会話が何かおもしろい。
3人とも関西人なので、関西弁もノリも自然体なのがいい。
それにみんな本当に役柄に近い性格なんじゃないだろうか。
映画は平日に見に行く主義だが、都合で珍しくGWに行った。
そのためほぼ満席で、よくあちこちで笑い声が起きてたわ。
そういうのがあるから、客席にどこか一体感を感じたな。
ちょうど舞台を見に行った時みたいな感覚になった。
飾らない日常を描いたシーンが多いという点からも、
舞台を見てるのに近い感覚になるんやろな。
のりことあやみ、親子くらい歳が離れてるのに、
あやみの方が母親というアンバランスさも良かった。
しかもあやみは苦労のせいか若いのにどこか人生を悟ってて、
のりこは特に前半はイジけててガキっぽさが目立つ。
その設定がまたこの逆親子感にええ感じの彩りを与えてたな。
あとこれだけはツッコまずにはおられんのやが、
のりこと結婚した男、あんさん判断誤っとるで!w
京大出て、砂漠の国に地下鉄を通すプロジェクトを任され、
そのために海外赴任が決まってて、意気込みに溢れてる。
ナンボのりこが好きでも、それを捨てて工場入社ってオイ!
それはしたらアカン、単身赴任してでも続けて欲しかった。
そんな半端な気持ちやったんか!ってツッコみたなったわw
エンドロールに佐川満男の名があった。これまた関西人。
そういや先日亡くなったってニュースが流れてたな。
ってどこに出てたの??帰宅後調べたら職人さんだった。
すごくやせ細ってて、全然気が付かんかったわ。
最後にいい作品に出られて良かったねって思った。
真剣に「楽しく生きる」ということ。
この手の映画は(面白いだろうと思いつつ)基本スルーしちゃう。ところがなかなか評判が宜しいようなので、せっかくなのでじゃあ観てみるか、と。最近はすっかり涙腺がゆるんでるし、それなりに泣いちゃうかもなどと思っていたら…想定を遥かに超えて大泣きしてもうた。いい歳したオッサンがまあ何と恥ずかしい。
でも何というか、久しぶりに「きれいな涙」を流せたように思う。
この作品に出てくる人たち、基本的にみな「良い人」なんだよね。そういう意味でもあまり大きな波が立つようなドラマチックな展開というわけでもなく、だから特に想像を超えるような物語ではない。でもだからこそラストの大きな感動へと繋がってるんじゃないか、という気がする。
色々面倒な世の中だけど、誰かを大切に思う気持ちや家族の愛。もっと素直に信じてみようと思える。もっと前を向いて生きてみようと思える。だって信じる者はきっと救われるのだから。
そう思えたら、それだけできっと幸せな人生になるんじゃないか。たぶん「本気でそう思えるかどうか」が運命の分かれ道なのだ。そのために大切なのは、真剣に「楽しく生きる」ということ。単純に笑って泣ける映画だけど、深い感動がそこにはあった。
江口のりこさん、実に素晴らしい。
彼女特有の「ひねくれ」というクセが色んなフリになっており、良い人だらけのこの作品を見事に成立させてくれたと思う。そして父親の大きさを知り、「私が尼ロックになる」という決意。不器用でひねくれ続けた彼女だからこそ、グッと来るものがあった。
中条あやみさんも良かった。
彼女の底抜けに明るく天真爛漫な振る舞いが周囲をいかに癒すか。そしてその裏にある悲しい生い立ち。何より、わずか1か月だった結婚生活を「大切に思う」気持ち。ただ年齢設定には無理があったように思う。別に20歳じゃなくても物語は成立したと思うんだけどなあ。
鶴瓶師匠もさすがでした。あと息子の太郎君も。あと個人的に一番良かったのは婚約者役の中林大樹さん。最後の最後、彼の恥ずかしそうな笑顔を見て完全に涙腺崩壊した。やってくれたね。完全に「MVP」です。
ただ家族の在り方って本当にバラバラだし、それぞれが持つ家族観も本当にバラバラだと思う。家族だからこその愛もあれば憎しみもある。そういう意味では観る人を選ぶかも知れない。皆が皆こういう美しさを受け入れられるわけでもないだろうからね。
おそらくこの映画のポイントはいかに素直に観るか、じゃないだろうか。よって「素直な人」には強くお勧めしたい。
追伸
佐川満男さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。最後まで素晴らしい演技をありがとうございました。
追記
どうしても書きたかった事を追加します。
時代の流れとともに個人の価値観がどんどん尊重されるようになり、それによって声を上げやすくなったり、昔と比べて色々救われる人が増えてきたんだろうと思う。
ただその一方で「配慮」という名のもに、誰かに意見すること自体がとても難しい時代になったとも言えるのではないだろうか。いわゆる「お節介」などという表現では収まらず、もはや「押し付け」と言われてしまう時代でもあるのだ。
でも僕は思うのだ。
人は決して「自力では変われない」のだと。
誰かからの応援だったり見守りだったり、時には批判だったり…。それらが自分の中に入り込んできた時、何かしらの化学反応が起きる。人が変わるって、そういう時なんじゃないのかと。
確かに押し付けるのは良くないと思う。
確かに相手を尊重すべきだと思う。
でも押し付けたって良いじゃないか。そこに「愛」さえあれば。僕はずっとそう思っているのだ。
優子は自力では決して変われなかったはずだ。父親や早希がこれでもかと一方的に優子へ押し付けてくる。でもきっとその「鬱陶しさ」こそが彼女のひねくれを溶かしたのだ。なぜ溶けたのか?そこには大きな大きな「愛」があるからだ。
早希は自身の悲しい過去から家族に対する強い憧れがあり、それを実現すべく半ば強引に竜太郎と結婚した。新たな家族となった優子へも自分の理想を押し付けたわけだが、それでも早希には紛れもない本物の「愛」が確かにあった。だからこそ優子の心は揺らぎ、そして雪解けへと繋がったんだろう。
愛のある押し付け上等じゃないか。
それで変われる人だって、救われる人だって必ず居ると思うのだ。そもそも家族って本来は「そういうもの」じゃないのか。ずっと孤独だった早希は安心して喧嘩できる相手も居なかった。そんな彼女には優子との喧嘩すらも嬉しくて仕方ないのだ。
それを思うと涙が止まらなかった。
何と愛おしい人なんだと。
たぶん、そこに一番やられた気がする。
人生で起こることは何でも楽しむ
まず、シナリオライター・脚本家・監督に最高の評価をつけたい。関西出身のキャストが集結しているからこそ自然体でおもしろい作品に仕上がっている。特にぐーたらな父親の再婚相手を連れてきた時に主人公がその若い娘を見て『連子ですか?』と思わず言ってしまうところではないだろうか?なんと19才年下の継母からは優子ちゃんと呼ばれ、人生経験値から見てもはるかに上なのに逆転してしまっている。象徴的なシーンが39才の優子が怒ってマグカップを庭に向かって放り投げます。それに対して20才の継母が「モノに当たるのは大人気無い」と諭すのです。このユニークな設定が作品をいっそうおもしろくしていると思う。冒頭2人花嫁がヴァージンロードを歩くシーンがあります。何を意図としているのでしょうか?それは最後にわかります。その答えはぜひ映画を見てください。家族団欒は平凡ではあるが、最も至福な時間である。さらに言えば人生にはさまざまな不運不幸が起きるが、それも楽しみとして生きることで豊かな人生を送ることができる。そんな勇気がもらえるお勧めの映画です。
追伸、By playerの佐川満男さんは存在感のあるベテランの職人さんを演じていました。撮影中はお元気だったと思われます。また一人、職人的役者さんが去ったことに映画ファンとしてとても残念に思います。数々の功績を讃えるとともに心からご冥福をお祈りいたします。
人生楽しまないとね!
ええ映画でした!
大体のストーリーはレビューなどでわかっていたので、
尼崎の風景と関西弁と、江口のりこさんと鶴瓶師匠の掛け合いを楽しみに観に行きました。
が、予想以上に中条あやみさんが素敵やった、、!
映画館全体が笑って泣いて最後は驚いて
ほっこりとした雰囲気に包まれました。
ユニコーンの曲も良かった!
連休の谷間の鑑賞にぴったりのええ映画でした。
家族の有難さこそ人と人が結び付く原点
家族関係が希薄になって来た現代に、生まれて来た最初のコミュニティが家族なのは今も昔も変わらないのに、夫婦仲の不和、我が子を愛せない親により家族愛を何よりも求める二十歳の継母サキが親以上に年の離れた男竜太郎に理想の居場所を見つけ夢を叶えようとするも、親に近いほどの連れ子?ゆう子との関係性の内面の変化を描きながらも猪突猛進な周りとの和など知らんとばかりのゆう子が変わってく様がリアルに感動させてくれます。
またキャスティングが素晴らしいの一言で江口のりこの幼少期、青年期の子役、鶴瓶の若い時の松尾諭などリアルで良い。
軽蔑してた父親の本当の姿を亡き後に知り感情があふれかえる江口のりこの演技も観ていて没入出来て涙が止まりませんでした。
たったの30年しか経っていないのに風化しつつある阪神大震災をストーリーの原点としたことには拍手です。
親子、夫婦、近所付き合い、生きてくうえで人との関わりをないがしろにしていては幸せとは言えないことを訴えかけてくれました。
人に対して愛を持って接することで互いが幸せになれる世界がある、人間ポジティブシンキングが大事です。
よくある"ごり押し郷土映画"
我家に似ているかな? と期待とワクワクで、映画を観に行きました。
「尼さんが、ロックンロール的に破天荒に生きる!」物語を期待していましたが
山田 洋次監督がつくる映画のようでした。
笑福亭鶴瓶さんが、主たる役柄で出演しているのと、冒頭シーンで
この映画の内容は100%ネタバレしているので、鑑賞中は特に何かを期待せず
素直に鑑賞できました。
丁寧につくられた作品故、欠点はありませんが、どんでん返しもありません。
無難なヒューマンドラマでした。
江口のりこさんの素晴らしい演技と存在感は、素晴らしい!<主演賞>
舞台が、尼崎市の防波堤である必要はなく、、
別の地域の郷土映画でも通用する作品
この映画を観て、尼崎に行ってみようとは、決して思わない。
この映画を観たら、大林監督(尾道市)が、創った郷土映画「廃市(1984)」を観てみて欲しい。
「君の名は(2016)」以上にロケ地に行ってみたくなる映画だ。
全197件中、61~80件目を表示