あまろっくのレビュー・感想・評価
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江口のりこの個性と、中条あやみの存在感が光るバディ・ムービー
テレビの前に寝そべってハッピーターンを食べていたり、どうでもいいことを喋りながら最後に重要なことを告白したり、「不細工」な握り飯にかぶりついて梅干しの種を吐き出したりと、似たようなシーンの繰り返しによって、父と娘の絆の深さを実感できるところが面白い。
主役の一角を占めると思われた笑福亭鶴瓶が、早々に退場してしまうことには驚かされたが、その後は、ひつつ屋根の下で暮らすことになった、何もかもが対称的な女性2人のバディ・ムービーとして楽しめる。
そんな2人のうち、やさぐれた感じにピタリとハマっている江口のりこは、まさに適役だと思えるが、それにも増して、威圧的な江口のりこにひるむことなく、むしろ、堂々と渡り合っている中条あやみの存在感が際立っている。
彼女の明るさや前向きさがなかったら、家族の再生の物語も動き出さなかったはずで、そういう意味では、中条あやみ演じる早希は、江口のりこ演じる優子よりも、重要なキャラクターであったように思えてしまう。
やがて、優子にも、早希にも、どっぷりと感情移入して、優子がお見合いをする頃には、2人とも、本当に幸せになってもらいたいと願いたくなるのだが、早希の妊娠が判明し、優子の見合い相手の海外赴任が決まり、町工場の熟練工が怪我をして、さて、これからどうなるのかといったところから、話がもたもたと間延びしてしまったのは残念だった。
阪神大震災や台風の通過にエピソードを絞り込んで、もっとテンポよく話をまとめることができたならば、感動や爽快感も増したのではないだろうか?
ラストの、「私が尼ロックになる」という結末は予想どおりで、それだったら、リストラされた時点で、実家の町工場を手伝ったら良かったのにとツッコみたくもなる。
ただし、お見合い相手があんなことになっていたのは予想外で、「出来過ぎ」感は否めないものの、だからこその幸せな気分を味わうことができ、これは、これで、良いエンディングだったと思う。
バカして笑ってる意味。
通称「尼ロック」と呼ばれる尼崎閘門(水門)、その水門(水害から)に守られてる町に住む近松家の話。
仕事は出来るがパワハラがちの39歳優子、それもあってか突然のリストラで実家に戻る事に、笑って迎え入れてくれる父竜太郎との生活に戻る、母は19年前に他界…、しばらくすると竜太郎から再婚する事になったと打ち明けられ、優「まだ住ませてもらえるなら…」、竜「あたりまえやろ」で再婚相手に会ってみたら39歳優子より若い20歳の早希だった…。
始まって早々アヒルボートに乗る家族3人の姿から「あっ!これ好きな雰囲気、作品!」で終始ワクワクで楽しめた。
ちょっと人とのコミュニケーションが苦手で素っ気ない感じの優子と、いつもニコニコ笑ってバカやってる竜太郎と、家族団欒ご飯は家族で食べようと明るく振る舞う早希だったけど。
ざっくり書いたら、いきなりこられるとちょっとな優子と、最初から懐に入ろうとする早希の真っ直ぐな性格で噛み合わないんだけど、マラソンへ逝った竜太郎の事もありで…、二人の関係性がいい方へ変わり、早希の家族を思う気持ちが本気と分かった優子もいつの間にか早希の存在が大きくなってて。
早希の家族団欒を夢見る理由と竜太郎のいつもバカやってた理由が分かった時には涙。
鶴瓶さん駿河太郎と親子共演(笑)
一緒のシーンはなかったけど。
とりあえず温かい家族ドラマで終始面白かったです。
その打ち明け方は、ツボです
鶴瓶と江口のり子であることが全面に押し出されているから、笑っちゃうし、ほろっときてしまう。
60過ぎの町工場経営のおっさんの再婚相手が、20歳の美人?
そんなファンタジー設定も、演者の力量で飲み込めてしまうから不思議。中条あゆみも2人に負けない顔圧で頑張ってます。
家族に対しては、自分のできる範囲でしか関わらない。そんなドライな考え方を持っているから、ことさら家族を強調する早希にはイラッとするし、優子の決断に共感してしまう。
だけど、お約束の大団円を受け入れてしまう自分には、昭和的家族へのノスタルジーがあるのかもしれない。
「何が起きても、人生は楽しまなあかん」竜太郎の言葉は、阪神大震災を経ているからこそ、心に響く。トラブルが舞い込んできても、竜太郎イズムで頑張ってみよう。
そのタイミングで、大事なことを打ち明けますか?
鶴瓶と江口のり子とも大爆笑でございました。
禍福は糾える縄の如し
「人生に起こることは何でも楽しまな。」
阪神淡路大震災を生きぬいて来た方々はこうして力強く明るく前向きに暮らして来たのですね。
エンドロールで尼崎市の皆さんが紹介されたのは自慢になるしうれしいでしょうね。
実力を発揮するより周りとの調和を優先する、他の人にペースを合わせる事は大事だとは思う。でも矯角殺牛、有能が活かされないなんて残念な事だ。
家族はまずは一緒に居て同じ食卓を囲むことから始まり、互いの信頼が出来たら離れて居ても大丈夫なんだよね。思う気持ちは簡単に無くなるものではない。
禍福は糾える縄の如し、それにしても二人共がエリートを投げ捨てて愛する家族と一緒に居ることを選ぶとは思わなかったなぁ。そうした展開を読めないなんて未熟だわ。もっと映画を見なきゃ。
見終わって佐川光男さんの訃報を目にしました。ご冥福をお祈りいたします。
贔屓あり
56本目。
あまろっく?
スルー作品だったけど、戻って2年、住んでたのが2年弱の尼崎。
作品名の言葉は聞いた事ないし、正直尼崎の事を良く知った訳でもないけど愛着はある。
で、どこが出てくると思ったら、阪神の方。
あちゃ、真逆だし、さっぱり。
でも城は懐かしい。
鶴瓶が早々に、ああなっちゃうとは思わなかったけど、そこからの距離感の縮まり方、展開が心地良く、笑顔の裏にある信念が分かってくると、オジサンの涙腺を緩ませるのは容易い訳で。
関西弁で喋ってるせいもあるんだろうけど、中条あやみが生き生きしてるのが、見ていて楽しめたかな。
エンディング曲、聞き慣れたサウンドと思ったら、ユニコーン。
一番好きだし、サプライズな感じで嬉しかった。
組み合わせ
鶴瓶の家族に乾杯‼️❓A studioなの‼️❓
すごくよかった!!
率直にまずはこの感想です
ほんとうに観てよかったです
話のテンポがよいので
つっかかりを感じることなく
安心して観られる映画でした
大きな悲しみを経験した人ほど
たくさん笑いながら
前向きに生きているんだな
すべての人が
そういうわけではないと思うけども…
一緒に同じ時間を過ごすなら
いつもイライラしてて文句ばかりの人より
いつも明るくて励ましてくれたり
褒めてくれたりする人のほうがいい
「人生はなんでも楽しまな」
楽しいことも、辛いことも、悲しいことも…
生きて人生を歩んでいるから経験できる
まるごと楽しめるようになれたらいいな
そんなふうに思えました
笑うところはちゃんと笑えて
泣けるところはちゃんと泣けて
いろんな感情を感じることができて
モヤモヤが晴れました
突然の報告のくだりは
みんな我慢?できなくてゲラゲラでした
親子はそんなところも似てしまうのか…笑
鶴瓶さんと江口さんだからこそ醸し出せる
あの空気感だったのかもしれないです
少しでも気になっている方はぜひ観てください
観ないと後悔する部類に入ります
え〜映画や〜
あなたもいつかは、誰かのあまろっくになるのだと思います
2024.4.20 MOVIX京都
2024年の日本映画(119分、G)
尼崎を舞台に、65歳の父と20歳の再婚相手の結婚生活に振り回される39歳の娘を描いたヒューマンドラマ
監督は中村和宏
脚本は西井文子
物語の舞台は、兵庫県尼崎市
そこで鉄工所の娘として生まれた優子(江口のりこ、幼少期:後野夏陽)は、ぐうたらで働かない父・竜太郎(笑福亭鶴瓶、若年期:松尾諭)を反面教師として、京都大学を卒業し、東京の企業への就職を果たした
そこでも優秀な成績を収め、社長(浜村淳)から表彰を受けるほどになったが、ある日突然リストラを宣告されてしまう
優子がやむを得ずに実家に戻ると、父は「祝・リストラ」の横断幕で出迎え、「人生で起こることはなんでも楽しまなあかん」と言い切った
それから数年後、優子は働きもせずに脛をかじる生活をしていて、幼馴染の太一(駿河太郎、幼少期:宇治本竜ノ介)からも苦言を呈されてしまう
ある日、父から「再婚する」と聞かされた優子は、「この家にいても良いなら構わない」というものの、20歳の女性・早希(中条あゆみ)との結婚として困惑してしまう
自分の半分くらいしか生きていない年下がいきなり母親ということになり、早希の望む朝夕の団欒をブッチし、太一のおでん屋で時間を過ごすハメになる
だが、太一から「邪魔者はお前のほうなんやぞ」と言われてしまい、現実を直視せざるを得なくなるのである
物語は、歳の差結婚に困惑する行き遅れが描かれ、早希のお節介でお見合い話が起きて、さらにややこしい展開を迎えることになる
だが、そのお見合い相手の南雲(中林大樹)は、優子と同じ大学に通っていて、彼はその時から優子に興味を持っていた
そこで南雲は、彼女の思い出のうどん屋で接近を図り、そこからデートをするまでに漕ぎ着ける
南雲は「優秀な人と話すと自分の至らないところが見える」と恐縮し、優子も話の通じる南雲との会話を楽しむようになってくるのである
映画は、前半のギスギスした関係が、中盤に起こるある事件によって、変化する様子を描き、優子自身が「家族とは何か」を考えるように動いていく
そして、竜太郎の言葉「人生に起こることは何でも楽しまなきゃあかん」の真の意味が描かれていく
このシーンで真相を語る鉄工所のベテラン社員・高橋鉄蔵を演じる佐川満男は映画公開を控えて急逝されたのだが、彼がこの言葉を伝えることで、映画はメタ的な構造へと進化していく
そのネタバレは控えさせていただくが、中盤のある事件などのネタバレもない状態で鑑賞した方が感慨深いので、興味のある方は「ネタバレ封印」で臨んでほしいと思う
なので、ネタバレレビューではあるものの、作品への敬意を表し、これぐらいで結ばせていただくとする
いずれにせよ、映画の予告編で「関西の人は絶対見にきてな」と言っていた鶴瓶の言葉もメタ的なものになっていて、その言葉の真意を汲み取ることもできる
その上で、家族とは何かとか、人生とは何かを考えるきっかけになると思うので、そう言った意味において、とても貴重な映画になっていると思った
この映画は尼崎が舞台になっているが、他の地域でも同じことを感じられるのが日本という国なので、関西弁に抵抗があっても、そこは脳内変換をして鑑賞していただければ良いのではないだろうか
ええ家族やね。あんたもな!
尼ロックなる物は初めて知りました。
家族を守る存在として尼ロックを自認する自由人の父親とその娘、そして父親の再婚相手の若い娘の物語。
最初に言ってしまいますが、想像していた物を遥かに越えた素敵な作品でした。
全編に愛が溢れてました。家族への愛、仲間への愛、社会への愛。
愛がたくさんです。
阪神淡路大震災当時の描写がありましたが、亡くなった人たちのためにも生き残った人間は笑って生きて行こうと心に決めた父・竜太郎の覚悟が物語の柱となっているのですね。
協調性がなく和を乱す存在として描かれている娘・優子と、家族団らんに強い憧れを持つ後妻の早希。自分より遥かに年下の小娘を母として認められる訳も有りません。でもそんな二人がお互いをとても大事だと思う存在に変わって行くのも父・竜太郎に起きた出来事から。
やはり父は尼ロックだったのですね。
江口のりこさん、中条あやみさん、鶴瓶さん、とても良かったです。若いころの竜太郎を演じた松尾諭さんも全く違和感有りませんでした。大好きな中村ゆりさんも出てたし、佐川満男さん演じた鉄蔵さんがかっこよかったです。あと、優子の同級生のおでん屋役の駿河太郎さんもGOODでした。
早希の年齢がハタチの設定でしたが、母親を早く亡くしたわりに料理が上手そうだったり、家事もテキパキこなしていたので、二十代でももう少し上の設定でも良かったのではと感じました。
南雲さんは大学時代から優子が好きだったのかな?
笑いあり涙あり、心温まる本当に良い映画を見ました
追記
佐川満男さんが亡くなられたと言う報道を見ました。今作が遺作となられたのですね。
ご冥福をお祈りします
リストラ
何とも暖かい
期待度◎鑑賞後の満足度◎ 関西人なら★五つ上げない訳にはいかないでしょう。しかもとてもキレイな○○○○○が漏れなく付いてきます。ポップコーンの塩が付いた指で泪を拭ったら目ェ痛いわ。
♪人生に起こることはなんでも楽しまな♪
人生は何が起こるかわからない。いい事ばかりではなく、悲しいこともふりかかる。
それをどう捉えるかということだ。
被害者妄想で出来事のせい、人のせいにして生きるのもひとつの生き方だが、それって人生損してんで!
ってことを満面の笑みで俳優・鶴瓶が教えてくれる。
彼以外にだれがこの役をやってもこうはいかない味がある。
また、若い頃を松尾諭が演じていて本当に若き日の鶴瓶に見えるのが素晴らしかった。
♪人間食べて寝たら何とかなるもんや。♪と父が娘に差し出す種入りの父の梅干し握り飯は、食べることイコール生きることの象徴だとおもう。
ガリっと出てくる硬い梅干しの種が人生の辛さ、理不尽だ。
上手くペッと吐き出して握り飯のような素朴な人生をおいしくいただきましょう。
娘の江口のりこと義母の中条あやみの組み合わせも最高!
プレゼン資料は1分で見る人、5分で見る人の目にも留まるようにとは人の立場にたてる優子ちゃんの一面でもあるんだろうけど、言い方がキツイのと、賢すぎて浮いてしまうのよね。
そんな優子の頭の切れ味を面白がるお見合い相手を演じている中林大樹に注目せずにはいられなかった。
この映画にふさわしい人選だ。
コロナ禍の時に、妻の竹内結子を亡くし、連れ子と自分の産まれたばかりの子どもを引取り暮らす父。この映画の人情そのものを地でやってる人だからふところの深い微笑みにも説得力が増す。
こういう訳は不倫俳優がやっても説得力ないからね。
紅萬子さんは久しぶりに観たら知らぬ間に紅壱子さんに変わってて驚きました。
私がアップデートできてなかっただけなんだがm(_ _)m
それを言うなら尼ロックのこともこの映画を観るまで不勉強で知りませんでした。ごめんなさい。
阪神・淡路大震災については、観て辛くしんどくない程度にされど伝わるようにちょうどいいさじ加減で描かれていた。広島や長崎の原爆の被災者を映像化せず1分の語りで済ませたオッペンハイマーや、東日本大震災で亡くなった母を描いたものの配慮が足りず、映画館内でフラッシュバックを起こした人もいたすずめの戸締りに比べるとよくできた取り扱い。
あまろっくのような家族を、まわりの社会を守れる素敵な大人になりたいな。
本編ではアレンジされたユニコーンABEDON作曲のあまろっくが静かにかかり、エンディングでは、奥田民生作詞
、ABEDON作曲のユニコーンのあまろっくがかかりました。曲の余韻もあいまって生きる勇気、血の繋がりを超えた家族の絆を大事にしようと思わせる作品でした。
いや・・・アブダビ行けよ!!
古き良き人情モノの映画でした。ラストは晴れの舞台で大団円。めでたしめでたし。
いい映画ですが、ツッコミたくなるような所もしばしばありました。
潰れかけの鉄工所のハゲたおっちゃんの所に、20歳で美人で性格の良い嫁がやってきて、社会不適合者でニートになってしまった娘の所に、京大出のエリートサラリーマンが見合いにやってきて、ハゲたおっちゃんは死んでしまったけど、子供産まれるし、みんなで鉄工所を盛り上げていこうという話。
エリートサラリーマンは「砂漠に新幹線を走らせたい!」とか言ってたのに、鉄工所の兄ちゃんに「おい!新入り!遅えぞ!!」とか言われて幸せなんだろうか?とふと思ってしまった。
まあでも細かいところは気にせずに、主人公が幸せになって良かったね。でいいかな。
天使すぎる20歳の再婚相手
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