「掛け合いがおもしろい」あまろっく プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
掛け合いがおもしろい
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製造業社長の鶴瓶。仕事は全然しないが、人から慕われてた。
「自分は尼ロック(尼崎閘門、町を災害から守る)と言ってた。
その娘のりこは優秀で京大を出たがリストラにあう。
行き詰ってプラプラしてたら、鶴瓶が20歳のあやみと結婚。
あやみは不幸な家庭に育ったので、家族団らんに憧れてた。
そんなあやみを馴れ馴れしく感じ、のりこは冷たくしてた。
そして結婚1か月、鶴瓶が突然死ぬ。
あやみは出て行くでもなく、苦しい工場を立て直そうとする。
のりこは家と工場を売ってあやみに金を渡す提案をする。
でもあやみは受け入れず、のりこを家族と言って居座る。
2人は全く違う性格ではあるが、どこか相手を認め始める。
のりこは、あやみが紹介した男からプロポーズされる。
結婚後は海外移住の見通しで、一旦は受諾したのりこだが、
あやみが妊娠しており、出産後も含めて心配してた。
のりこは工場の人から、鶴瓶がただのバカではなくて、
阪神淡路大震災で変わり、努めてそう振る舞ってたと知る。
そして今度は自分が尼ロックとしてあやみらを守ると決意。
こうしてプロポーズを断ったのりこだったが、
相手の男がよほどのりこを好きだったようで退職し、
のりこと共に工場で働くことになる。
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尼崎の映画館で見て来た。
尼崎の話なので、全国より1週早く封切してた模様。
鶴瓶が主人公と思ってたら、早々に死んでビックリしたわ。
特に内容ある映画とは思わんかったが、何か良かったな。
鶴瓶・のりこ・あやみらの日常会話が何かおもしろい。
3人とも関西人なので、関西弁もノリも自然体なのがいい。
それにみんな本当に役柄に近い性格なんじゃないだろうか。
映画は平日に見に行く主義だが、都合で珍しくGWに行った。
そのためほぼ満席で、よくあちこちで笑い声が起きてたわ。
そういうのがあるから、客席にどこか一体感を感じたな。
ちょうど舞台を見に行った時みたいな感覚になった。
飾らない日常を描いたシーンが多いという点からも、
舞台を見てるのに近い感覚になるんやろな。
のりことあやみ、親子くらい歳が離れてるのに、
あやみの方が母親というアンバランスさも良かった。
しかもあやみは苦労のせいか若いのにどこか人生を悟ってて、
のりこは特に前半はイジけててガキっぽさが目立つ。
その設定がまたこの逆親子感にええ感じの彩りを与えてたな。
あとこれだけはツッコまずにはおられんのやが、
のりこと結婚した男、あんさん判断誤っとるで!w
京大出て、砂漠の国に地下鉄を通すプロジェクトを任され、
そのために海外赴任が決まってて、意気込みに溢れてる。
ナンボのりこが好きでも、それを捨てて工場入社ってオイ!
それはしたらアカン、単身赴任してでも続けて欲しかった。
そんな半端な気持ちやったんか!ってツッコみたなったわw
エンドロールに佐川満男の名があった。これまた関西人。
そういや先日亡くなったってニュースが流れてたな。
ってどこに出てたの??帰宅後調べたら職人さんだった。
すごくやせ細ってて、全然気が付かんかったわ。
最後にいい作品に出られて良かったねって思った。