「子育て中の人、教育に携わる人全ての人に向けた良作」型破りな教室 あさきさんの映画レビュー(感想・評価)
子育て中の人、教育に携わる人全ての人に向けた良作
本作で触れていた「子どもを国の歯車にする教育」という言葉は、まるまる日本の学校教育にも当てはまる。
学校教育は労働者を生産するために始まった公教育。いわゆる工場要員養成所だ。
このような日本の悪しき教育によって、ギフテッド、子どもの才能や将来の革命家の芽を摘んでしまっている。このような学校教育のままだと国力は衰退していく一方。
まさに本作はそのような状況を映し出していた。とはいえ、日本は本作の舞台に比べるとまだましだ。
セルヒア先生のような救世主が現れ、子ども達がやる気になっても、家が貧しくそんな環境じゃなかったり、親が理解してくれなかったりと、ヤングケアラーや国力の低さ、治安の悪さなど根本的な問題が邪魔をする。
それでも、懸命に子ども達に向き合うセルヒア先生や彼を支える校長の姿には心温まるし、セルヒア先生を通して変わっていく子ども達の姿には希望が感じられる。
哲学書を読み漁るヤングケアーや、パロマの姿は二宮金次郎を彷彿とさせる。
2011年のメキシコの現場やこれからの学校教育のあり方について考えさせられる良作。
教鞭をとる人は是非見てほしい。
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