「ベルトコンベアで無く能動的な学びが本来の教育である」型破りな教室 サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
ベルトコンベアで無く能動的な学びが本来の教育である
2025年劇場鑑賞2本目 名作 90点
これも24年年末から期待していて、25年年始に鑑賞を予定していた作品
本レビューを入力している2月中旬にて16本程で暫定1位の作品であり、昨年108本鑑賞した中に組み込んだ場合でも2位或いは3位にあたる程個人的に好感触な作品になりました
教員は生徒より人生経験が豊富で、所謂皆んなが辿り着く正解を理屈ではわかっていながら教壇に立つも、それを押し売りというか、強要するのではなく、一人一人が主体性を持って能動的に心を動かせる様に、まるでバラエティのMCの様な立ち回りが、真心であり、真の教育をする者の姿である
危険が隣り合わせの町の小学校なことや、貧困な地域なこともあり、そこで働く教員たちの熱量が不足している様子が、近年(といってもここ数十年だが)の日本の教育現場にも通ずる
見えている部分だと生徒を人並みに揃える教育、見えずらい部分だと教員も無数にある仕事を抱える中、優秀な人が熱量持って新たなことや業務を真摯に取り組むと、優秀でない人もそれに合わせないと均等が取れないので、下に合わさざるおえない実態など、熱量持って情熱的に働くのが期待されていない風潮というか、面倒だから現状をそれなりに引き継ぎ受け流すのが良かれと暗黙で定着している現場が実に気持ち悪い
前者は宿題文化なんてまさしくで、生徒一人一人疑問や解決していないポイントは千差万別なのに同じ宿題を出すのは、果たして個人にあった課題なのだろうか、厳しい規律があった上で強烈な個性が育つと思っているが、その個性を寛大な心で受け入れる姿勢を生徒に養う教育や、教員も本当の意味でその生まれた個性を取り込む姿勢と熱量とそこまで覆える余裕が無いように思える
そんな疑問とやるせない現代を思いながら今作を拝見すると、主人公の登場から心掴まれるキャッチーな取り込み、図書室へ皆んな引き連れる、その本を探す動作さえもワクワクさせられる様な、公園で遊んでいたら不意に現れた好奇心旺盛な愉快で面白いおじさんの様な行動が我々観客の童心も惹かれる程魅力的である
光を失ってきている様な主任?とも心を通わせて、次第に生徒の為の行動を取ったり、イキイキと輝いていく様も心が躍った
前述したバラエティのMCじゃないけど、話や考察する題材の種を蒔いて考えさせる、その間に追い付かれないように自分も邁進していく
少しの知恵を可視化して、わかりやすく、それでいて個人が自分で閃くように誘導・投げ掛ける、この上なく相応しい教育である歩み寄り方が、これをいつなんどきも出来る教育者になりたかったなぁと観ていて感極まった
年の離れた輩に脅され、武器を携帯させらてる少年や、頭抜けた才能を秘めながらも、自覚もなければ取り巻く環境故に夢を夢で終わらせてしまいそうになる少女など、それに向き合う教師とのドラマが2.3個組み込まれており、展開は読めるも、それは今作の伝えたいことの一部に過ぎないので、揺さぶられながらも、一貫した情熱が絶えなかったのでエンドロールの事実の後書きまで楽しめました
是非