「障がいのあるきょうだい物語の一つ」弟は僕のヒーロー てつさんの映画レビュー(感想・評価)
障がいのあるきょうだい物語の一つ
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イタリア版『ワンダー』という評があるけれども、きょうだいの性格はかなり違っていて、ジャックという同じ名前の親友が障がいのある主人公を裏切って苦しむという展開に共通点があるように感じた。あるいは、『ギルバート・グレイプ』でも、障がいのある弟が可愛くて面倒を看たいけれども、自分の人生の可能性の縛りに感じる本音をぶつける場面もあったかなと思う。障がいのあるきょうだいへの心情は様々に描かれてきた。比較的障がい者への差別が少ないとみられているイタリアでも、同じような問題はあるのだな、と思った。学校では、障がいのない子どもたちと一緒に生活しているようだし、教師による評価にも配慮がみられることが窺えた。家族が心配して下校時にそっと蔭から見守っている姿は、日本のテレビドラマ『たったひとつのたからもの』とも共通していると思った。当事者を出演させているところが良かった。ただし、ダウン症者が知的障がいになる確率は100%ではなく、例外もあることは、あまり知られていないようである。
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