劇場公開日 2024年2月9日

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「ビクトル・エリセ監督、素晴らしい‼️」瞳をとじて たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ビクトル・エリセ監督、素晴らしい‼️

2024年7月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

あの『みつばちのささやき』が1973年だったから、あれから約50年経って、またもや映画史に残るような映画を作ってしまうビクトル・エリセ監督、素晴らしい‼️

冒頭で“悲しみの王”というテロップと、キングを両側に掘ったような石像が映されて、「1947年、秋」から物語は始まる。
(いかにも王様風な)貫禄のある老人が「わしの命は長くない。上海に行って、14歳になるはずの私の娘を探して来てもらいたい」と、屋敷にやって来た男に依頼する。
更に老人は言う。「私のことを無垢な気持ちで見てくれるのは、この娘しか居ない。死ぬ前に会いたい。」と…

すると、「この俳優はフリオ・アレナスというのだが、映画『別れのまなざし』が完成する前に失踪した」との説明あり、幻の映画になった作品のワンシーン風景だった。

時間軸が「2012年、秋」に飛び、幻の映画を撮っていたミゲルが失踪事件を扱うTV番組に出演して俳優フリオ・アレナスのことを証言する。取材協力するミゲルがフリオと過ごした青春時代、そして老境に入った頃を丹念に描いていく作品となっている。

この映画が見事なのは、幻の映画『別れのまなざし』と現実の風景がクライマックスで重なり合って表現されるところ。
この劇中劇から始まって、現実の世界を描きながら、クライマックスで多重構成のような盛り上がりを見せる2時間49分🎥✨
素晴らしい映像と物語を堪能して、至福の時間であった✨

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たいちぃ