「笑って泣ける優しい映画」九十歳。何がめでたい プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
笑って泣ける優しい映画
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佐藤愛子は88歳で最後の小説を書いて引退した。
そこからは退屈で全てが面倒臭く感じる日々だった。
編集者の唐沢は気性が荒く、昭和的仕事人間過ぎた。
で家庭も崩壊、職場でもパワハラ認定され転勤に。
そんな中で、佐藤を口説き落としエッセイの連載が開始。
唐沢と佐藤の衝突や苦悩なども描かれつつ、
佐藤のエッセイは見事大ヒットして脚光を浴びる。
そしてついには国から旭日章を送られる。
その会見にて、佐藤は唐沢への感謝の意を述べる。
しつこい編集者のせいで連載開始になったおかげで、
また生き甲斐を感じられるようになったと。
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佐藤愛子の書いた同名小説の映画化ではなく、
佐藤愛子が同名エッセイを書いた頃の出来事の映画化。
どこまでが事実でどこまでが脚色なんかは不明やが。
佐藤愛子・・・そういう作家がいるのは何となく知ってた。
「ribbonのメンバーと同姓同名」って位置づけ程度にw
90歳で本を書いたことも、現在100歳なことも今回知った。
いやー、文壇にそんなスゴい人がいたんやなあ。
この作品は草笛さんの生誕90周年記念映画とあって、
草笛さんの演技が素晴らしく、本当に魅力的。
口も態度も悪いが根が優しい役を見事に演じてる。
佐藤さん自身も多分本当にそういう人なんだろうね。
そんなことに感動してもて、ずっと泣きながら見てたわ。
本来はコメディタッチの映画なんやけどな。
お二方が積み上げて来た人生の深さ、というのかね。
大阪駅併設の映画館で見たからもあるだろうが、
平日昼間なのに満員だった。そして95%くらいが爺婆w
皆さん楽しそうで、しょっちゅう笑い声が起きてた。
こうして日本中の爺婆達を楽しませ、勇気を与えてる。
それを100歳と90歳のコンビがやってのけてる。
本当にスゴいなあって感じてやまんかったな。
もちろん他の俳優さんや裏方さんの力添えも含めてね。
本の方も読みたくなり、早速図書館で予約したわ。
10年経った今も、映画効果なのか予約で一杯だった。