「きっとツマラない、そう思ったが 観て好かった!生きてる実感がそこに。」九十歳。何がめでたい The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
きっとツマラない、そう思ったが 観て好かった!生きてる実感がそこに。
原作:佐藤愛子さん「九十歳。何がめでたい」
この本を知ってました?読んでました?
恥ずかしながらタイトルだけ辛うじて知ってました。
現在100歳でいらっしゃる作家さんの本が映画化で。
しかもソレの主役が 佐藤愛子役:草笛光子さん(90歳)、
出版社担当役の吉川真也役:唐沢寿明さんでして。(;^ω^)
オモロイに決まっとるやないけ~ (勇気ある発言)出来る方は
そんなに居ないでしょう。きっと。
しかも草笛さん主役ですよ。3歩ぐらい下がるでしょ、皆さん。
昔、ドラマ撮り時に控室から本番直前で現場入り。
一気に空気感が変わったの覚えてます。そんな方迎えて撮るんですからね。
前田監督も変な力み方されたのではと感じます。
よって、普通の作品仕上がりと思ってましたけど、予想反して良かったかなと思ってます。
歳取って、思う事多そう。それを普通に本に書かれてて。
若い年配者の更に上の方が申す意見てチョット重要なのかもと。
----思った点---
①幼稚園増設を反対する老人意見を指摘している点。
この前もSNSで何処かの公園注意看板指摘が有ったけど。
金網にボールが当たって老人が迷惑、そう言うの理解できる人に成ろうって
球技を控えましょうって指摘有ったな。
世知辛い世の中に成ったなと感じるヒトコマですね。
②もう飼わない犬を飼う。ぐちゃぐちゃのゴハン。
この話の下りは、吉川とともに涙したわ。
何もしてあげた記憶がなく亡くなって行った犬の想いを
動物霊能力者の言葉を通して感じ得た所。成る程と思う。
人も動物も話さないと気持ちが伝わらない。その為に言葉や文字があって。
あの犬が助けてくれた恩を思っていてくれた事。ぐちゃぐちゃのゴハンを食べたいなと・・・そう言う感情が分かるって事が、歳を取るって事なんだと思うね。
③吉川と娘と妻との会話。
結局、家庭を省みない仕事人間の吉川が、妻と離婚。
それを薦めたのが傍で見ていた娘で。”もう母を自由にして前へ進める様にしてあげて。” この言葉 目が覚めるね。吉川にとって予想外だったと思う。
そして 娘のバレ-発表会を見に行って、妻に向かって心から謝罪。
縒りを戻そうと申し出るが、そうは成らない所が良い。
しかし、娘からLINEで”見に来てくれてありがとう” この言葉が来る。
吉川は今までに無かった 心に幸せが触れるのである。
---------
こう言う場面の成り上がりが今作の神髄だと思います。
歳を取って行くって事、それは人生喜怒哀楽の中で元気に生きて行くって事では無いでしょうかね。そう感じさせてくれる素敵な時間でした。
何時も大河の激流、山肌の爽やかな空気感の様なものを求めて映画館へ足を運んで居られる方からすると ツマラない作品に感ずるかもですが。
何処にでもある景色をどう感じ獲るか、どう過ごすかだと思いますね。
気になる方は、
是非 劇所へ。