僕らの世界が交わるまでのレビュー・感想・評価
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【”独善的で観ていてイタイ、考えは違うが根底が似た者同士の母と息子のすれ違い。”前半は相手の生き方を認めない二人が、再後半、お互いの生き方を認めようする姿に救われるファミリーコメディ。】
<Caution!内容に触れています。>
■郊外の町で、DV被害者の為のシェルターを運営するエヴリン(ジュリアン・ムーア)と、自作の歌をライヴ配信する事でフォロワーを増やす事に夢中になっている高校生の息子ジキー(フィン・ウォルフハード)の姿に落胆を隠せない。
その思いを解消するかのように、シェルターに母と共に住む高校生カイル(ビリー・ブリック)に対し、彼女の夢であるレベルの高い大学に入れるために奨学生となるように手段を講じる。
◆感想
・今作を観ているとエヴリンとジギーは自身の行動に信念を持ち行動するのだけれど、それが空回りしている事に気が付かない似た者同士という事が分かって来るんだよね。
・エヴリンは、カイルの気持ちも考えずに突っ走って、カイルの母から”息子は大学に行きたいんじゃない!”と言われてしまうし、カイル自身からも同様の態度を取られてしまう。
ジギーも好きな女の子の詩”マーシャル諸島”を曲にして聞かせるが、表面的には喜ばれるが・・。
<そんな、二人がお互いに遠ざかる心持から、自身の良かれと思い行動した事が空回りしている事に気付いて、徐々に相手のことを知ろうとするシーン。
例えば、母エヴリンが息子ジギーのライブ配信をコッソリ見ている姿や、ジギーが母が運営するシェルターにやって来るラストシーンは、二人の関係性に微かな光が差すかもしれないな、と思わせてくれるようでシンミリと良かったな。>
イタい系親子に苦笑い
クラスや職場にこの2人が居たら
絡み辛くあまりお近付きになりたくないなぁ的な親子…
だいたいスター気取りの息子!
あのレベルでフォローワー2万って!?(ごめんなさい🙏)
母親も母親で社会的弱者を支援している立派な仕事をしているにも関わらず時に無神経な言動や息子に対する無い物ねだりで他の少年に執着し過ぎ追い詰めて行くその行動はほぼストーカー!
残念オーラ丸出しの2人はどこから見ても似た物親子…
実際どうでもいい他人様親子であるけでも
苦笑いしながら遠回しに同情してしまう切なさを醸し出させるストーリーは今作が初監督の
個性派俳優ジェシー・アイゼンバーグの思惑なのかな?
何よりもキャスティングが的を得過ぎ!
正直、大女優ジュリアン・ムーア目当ての鑑賞でありましたが圧倒的な存在感とこなし演技!
一作毎に成長している息子役フィン・ウォルハード神経質さが絶妙!音楽センスは抜群らしいのでいずれ他作品で観てみたいものだ!
噛み合わない親子のどうでもいい日常、その後の事はご勝手にと思いつつも退屈知らずの88分でした
…パパも世界に交わらせてあげて!
わりと好き
A24が制作にまで関わっててストレンジャー・シングスの子が出てるぐらいの前情報で空き時間にサクッと観てきだんだが、ちょうどこのタイミングで「セクシー田中さん」の原作者の芦原妃名子さんの訃報が飛び込んできてこの映画の原作のラジオドラマはどんなのだろうと気になりながらの落ち着かない鑑賞だった。
とはいえ好きな子の書いた詩を手にしながらの描写はティッシュをササっと取って回転灯だけで察することができるからそれで良くないかと思ったり、マーシャル諸島と大東亜戦争時の日本の関係を考えたり、どーもありがとうthanks for playingは確かに遊んでくれてありがとうだけど、帝国主義とか資本主義とか社会主義とかのイデオロギーが島とそこに住む人々をゲームみたいに殺して壊して去っていくって意味なんだろうか?って考えてみたり、邦題は「僕らの世界が交わるまで」よりも「世界は救い終えたけど」の方がしっくりくるな?って思ったりなどしたんだが、あっけなさすら感じる上映時間88分はポンポさんがベタ褒めしてくれるはず。
家族同士とごく近い他者とのディスコミュニケーションを扱った人生充実してるけど傍目にも痛い親子のお話は、自分自身も気に入ってるアイドルとの特典会でいきなり距離を詰めようとして大して興味のないことをさも昔から知ってるように付け焼き刃の知識で偉そうに語ったり、賢そうなアイドルにはなんか他のオタクより賢そうなことを「意識高い系のこの子ならわかってくれるよね?」という思い込みで勝手に話して置いてきぼりにしたりするから心の底から反省しようと思いましたとさ。つまり人の振り見て我が振り直せってこと。世界を救うのはそれからで良いよ。
ところでオフィシャルサイトにも書いてあったんだけど(ちなみに製作陣がすげえ)、僕らのマイク・ウィラーにしてジキー・カッツであるフィン・ウルフハートは歌詞を渡すとあっという間に曲をつけてくれたらしい。つまり全曲彼が作曲ってわけ。ミュージシャンでもありモデルでもあり、ムービーキャリアもドラマキャリアもとんでもないから化け物に違いないね。あと英語の歌詞って絶対に韻踏んでることも確認できて興味深かったな。
ということでサンクスフォープレイング!
噛み合わない親子ムービー
うわぁ~、これは交わらないというより、噛み合わない親子。
母エヴリンとシェルターの住人の親子とも。
息子ジギーと想いを寄せるライラとも。
誰も悪い人ではないというより好い人だし、悪気もないしむしろ相手のためと思い込んでいるだけなんだけど、自分の価値観や先入観が強すぎてまったく噛み合ってない。
あるなぁ~、こういう人間関係。気をつけようっと。
ラストはスレスレ交わりそうでホッ(*´-`)
行動する意識高い系が成長すると、息子が同質の危うさを持っていることに気づけない
2024.1.23 字幕 京都シネマ
2022年のアメリカ映画(88分、G)
衝突しあう母と息子を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本はジェシー・アイゼンバーグ
原題は『When You Finish Saving the World』で、直訳すると「あなたが世界を救い終えたら」という意味
物語の舞台はアメリカ・インディアナ州のとある町
配信をメインに楽曲発表を行なっている高校生のジギー(フィン・ウルフハート)は、慈善事業をしている母エヴリン(ジュリアン・ムーア)と事あるごとに衝突を繰り返していた
父ロジャー(ジェイ・O・サンダース)はマイペースな人柄で、似たものの母子を眺めていたが、どちらにも肩入れするつもりはなかった
ある日、ジギーは片思い中のライラ(アリーシャ・ボー)と話す機会ができて、彼女の学生活動を支持する意見を出す
「どうして?」と訳を聞かれても明確に答えられないジギーだったが、何とか取り繕って、ライラたちが参加する集会に行くことになった
ライラはそこで詩を朗読し、ジギーは歌を披露することになったが、彼の歌はその場にいる人の心を掴むことはなかった
彼は配信サイトで2万人のフォロワーがいることを誇りに思っていたが、その集会は場違いなもので、もっと社会的なメッセージが必要だと思い始める
そこで、母親に相談をするものの、「知恵をつけなさい」と頭ごなしにバカにされてしまうのである
物語は、ライラの詩に感銘を受けたジギーがそれに曲をつけるのだが、その行為が彼女の思惑に沿っていなくて距離を置かれてしまう様子を描いていく
ジギーの拗らせ承認欲求が最悪な形で噴出し、現実とネットの世界を混同していくのだが、エヴリン自身も理想と現実のギャップが広く空回りしていた
それぞれが自分の行いの正しさを感じているのだが、どちらもが自分がよく見られたいと思っていることが看過されている感じになっていて、痛々しさの方が優っている内容になっていた
映画は、淡々とした二人の日常を描いていくので、物語の起伏がほとんどなく、意識高い系の拗らせを眺めるという感じになっている
そんな中で、息子の代わりとしてカイル(ビリー・ブルック)に傾倒していくエヴリンが描かれていて、越権行為スレスレの危うさというものがあった
カイルの母アンジー(エレノア・ヘンドリックス)はそれに気づいてはいないようだったが、カイルに対しても彼の夢や目標を軽く見ていて距離を置かれているのは滑稽にも思えてくる
総じて、世界を救う前に自分の足元をしっかりと見た方が良いのでは?と思わせてくれるので、反面教師的な映画だったのかな、と感じた
いずれにせよ、所狭しといった感じに「行動する意識高い系」を描いているので、それを俯瞰しても心が痛くならない人向けの作品であるように思う
若気の至りのような感じになっていても、拗らせたまま成長するとエヴリンのようになっていくというのが見えてくるのも辛い
相手の気持ちを汲み取れない善意が受け入れられないというのは当然のことだろう
それを理解できない母と息子ならば衝突してもやむなしという感じで、お互いの正しさというバリアの中で孤軍奮闘しているのも見苦しくもある
反面教師的な作品だが、おそらく誰もが他人事のように思えていると思うので、鏡を見るようなイメージで本作に立ち向かうのが正解なのかも知れません
単なる母親と息子の話
なんかこれで映画にされたら日本の家族でもそこらじゅうに居そうな母親と息子の話。シェルター運営の母親とネットライブ配信の息子を置き換えたら日本のどこらかしこに居そうな家族話を見せられて、タイトルは最後に交わる親子が解り会うのかな?というのに騙されて観たけど感動するわけでもなかったので、普通人に見せたら☆2
母親が息子と同学校の学生がDV家族の保護家族の世話しながら惚れてるやんって息子はイヤやと思う。
息子が惚れてる同級生の素晴らしい詩を歌詞として曲を付けて、ネット上で披露したら世界で評価を受けるという二人の共同作業にしようとして、私歌にしたかった訳じゃないってキモがられるのもイヤやと思う。
チラシに書いてあった『ほっこりした温かみや優しさにあふれる』ってどこか?なんか健常者が何かしても映画にしたらこうなるのかという典型。温かみ、優しさは感じなかった。
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