「わりと好き」僕らの世界が交わるまで きーろさんの映画レビュー(感想・評価)
わりと好き
A24が制作にまで関わっててストレンジャー・シングスの子が出てるぐらいの前情報で空き時間にサクッと観てきだんだが、ちょうどこのタイミングで「セクシー田中さん」の原作者の芦原妃名子さんの訃報が飛び込んできてこの映画の原作のラジオドラマはどんなのだろうと気になりながらの落ち着かない鑑賞だった。
とはいえ好きな子の書いた詩を手にしながらの描写はティッシュをササっと取って回転灯だけで察することができるからそれで良くないかと思ったり、マーシャル諸島と大東亜戦争時の日本の関係を考えたり、どーもありがとうthanks for playingは確かに遊んでくれてありがとうだけど、帝国主義とか資本主義とか社会主義とかのイデオロギーが島とそこに住む人々をゲームみたいに殺して壊して去っていくって意味なんだろうか?って考えてみたり、邦題は「僕らの世界が交わるまで」よりも「世界は救い終えたけど」の方がしっくりくるな?って思ったりなどしたんだが、あっけなさすら感じる上映時間88分はポンポさんがベタ褒めしてくれるはず。
家族同士とごく近い他者とのディスコミュニケーションを扱った人生充実してるけど傍目にも痛い親子のお話は、自分自身も気に入ってるアイドルとの特典会でいきなり距離を詰めようとして大して興味のないことをさも昔から知ってるように付け焼き刃の知識で偉そうに語ったり、賢そうなアイドルにはなんか他のオタクより賢そうなことを「意識高い系のこの子ならわかってくれるよね?」という思い込みで勝手に話して置いてきぼりにしたりするから心の底から反省しようと思いましたとさ。つまり人の振り見て我が振り直せってこと。世界を救うのはそれからで良いよ。
ところでオフィシャルサイトにも書いてあったんだけど(ちなみに製作陣がすげえ)、僕らのマイク・ウィラーにしてジキー・カッツであるフィン・ウルフハートは歌詞を渡すとあっという間に曲をつけてくれたらしい。つまり全曲彼が作曲ってわけ。ミュージシャンでもありモデルでもあり、ムービーキャリアもドラマキャリアもとんでもないから化け物に違いないね。あと英語の歌詞って絶対に韻踏んでることも確認できて興味深かったな。
ということでサンクスフォープレイング!