そして、優子IIのレビュー・感想・評価
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良い作品 北野風
渋谷ユーロスペースでの最終日に鑑賞。
客席は満席、そして出演者勢ぞろいのトークショーで盛り上がりました。
舞台が沼津というのはここのレビューで見て知ってしまっていましたが、「どこだか分からないよう富士山は映らないようにした」という逸話で、なるほどと思いました。とてもきれいでした。
3年前に撮影されていた作品ということで、もっと早く観たかった、と思いました。
優子(瀬戸みちる)が良いです。
「幸せでもないし、不幸せでもない」という感じが良いです。ヤクザの娘というと「セーラー服と機関銃」ですが、それとは違う「普通」というのが良かったです。
それを演じている瀬戸さんが合っていて素敵です。
瀬戸さん自身は今はもう年数経って大人っぽくなってしまっておられましたが、その当時の他の作品や他の役を観たかったと思いました。
でも今でも可愛いらしい魅力的な方でした。応援して他作品も観てみたいと思いました。
柳ユーレイ(憂怜)さんがこんなに良い俳優さんになっていたことを失礼ながら改めて知りました。他作品も観てみたいです。
渡辺哲さんや品田誠さんは存じ上げていてさすがでしたが、その他の俳優さんたちの他の作品も観たいと思いました。
北野武監督との繋がりがあると思いますが、オマージュというか、北野作風を感じました。
柳さんが出ていること、(失礼ながら)あまり知られていない俳優さんたちが使われていること、海の近くのロケーション、野球のシーン、ヤクザの残虐さと人間味の両方が表されているところなど、北野武の作品を観ているようでした。
登場人物の皆に愛着が沸いて、このまま変わらないでそれぞれの幸せで過ごしてほしいと思いながら観ました。そうはならない結末でしたが、そうはならない(しっぺ返しが来る)というのもテーマだったのかなと思います。
東京では一旦最終回の上映とのことですが、まだ地方の上映があり、さらに口コミがあれば今後も上映の機会もあるだろうと思い、たくさんの方に観ていただきたいという思いで投稿しました。
普遍的なテーマを描いた良作
ヤクザの娘という特殊な家庭で育ち
周囲と極端に異なる環境に不安や葛藤を抱えつつも父子生活には満足げな主人公の優子
そんな誰にも打ち明けられない生活の中で
嫌でも訪れる変化の中で普通の人生とは何なのか模索します。
中盤から終盤にかけて訪れる出来事に翻弄されまくる優子。恐らくエンディング以降歩むであろう「優子Ⅱ」の人生において、かけがえのない思い出を大切にしつつもそれに負けないくらい優子なりの普通な人生を追求してくれる事を願わずにはいられませんでした。
この時間が続けばいいのに、逆に人生を変えたいという感情は誰しも持つものでありその葛藤からは逃れられず、本作はそんな普遍的なテーマを掲げており多くの人が共感できると思います。
人生自発的な変化であったり、外的要因で変わらざるを得ない事も多々あるけども、そんな中でも逞しく生きていきたいと思えました。
演者さんもそれぞれ味が有る演技を見せており群像劇という楽しみ方も出来る作品です。
(皆んな葛藤してますなぁ)
個人的に優子母の描き方が大好きだったので見てもらいたいです。
加えて舞台である沼津の離島自体も優子の変わりたく無い日常を示していたり、陽の光で人物の心情を表していたりと内容が自然に伝わってきます。
コミカルな描写やサザエさん的なほのぼの日常パートも散りばめられつつ暴力や心理的な負の描写もされており一見慌ただしくなりがちですが本作は全編に渡りとても見やすくまとまっている作品になっております。
個人的にラストで優子なりのアンサーが有れば満点でしたが高校生主人公にそれを求めるのもおかしな話かとも思うので、ここに関してはあくまで自身の好みの感想となります。
ともあれ生きるって何だろなと思考したり
客観的に今の人生を再確認するきっかけとして本作の鑑賞はオススメです
「普通に生きることが幸せ⁉」
サメにゃん
田舎町でヤクザの父親と2人で暮らす高校3年生の娘の話。
父親とは仲が良く、組員たちからも可愛がられる主人公が、進路について考えながら日常を過ごす中で、父親の組にも時代の波で変化が訪れることになっていく。
ロケ地は沼津だったし、学校の生徒数も結構いたけれど、一応離島という体ですかね。
そしてしのぎが減って厳しい設定だけれど、暇つぶしに野球ばかりだし、みんな他に仕事はしていない設定ですかね…なんて思っていたら、そんなに金に困っている感じ?
それに母親は、父親に対して言っていることは正にだけれど、実の娘に対してあまりにもクソ女過ぎ。
普通を望む主人公が、炊飯器が切っ掛けで普通とは異なることに憧れる男の子と仲良くなって、そして自分の出自やこれからを考えなきゃいけなくなって…普通ってなんだろうと言いつつも、やっぱり普通のJKな主人公で、可哀想な感じにみせるわけでもなくなかなか面白かった。
主人公を演じる女優さんに期待。
ユーロスペースでしか見られないマイナーだが面白い映画、というのが結構ある。2018年9月(聖地と言われている池袋のシネマロサでは3ヶ月前から上映していたそうだが)初めて”カメラを止めるな”を観たのも、2023年の”レンタルXファミリー”、2024年の”辰巳”もここだった。ヤクザ映画が好きだし、予告編を観て気になったので公開2日目に行ってみた。脚本が面白い(借金の取り立てで出会う引きこもり少年が伏線になっていたとは!)し台詞回しも中々上手い。主人公の父娘や、組の皆さんのほのぼのとした日常(勿論サステイナブルではない)も上手く描かれていた。どうしても受け入れかねるのは舞台設定。中途半端な田舎にすべきであって島という設定は無理があるのではないか?船でしか市内に出られない小さな島(皆標準語を話している、実際のロケは沼津でやったらしい)、というのはいくらなんでも???そんな小さなコミュニティでヤクザの家族が平和に(正に普通に)のんびりと暮らせる訳がない。主人公の親がヤクザの頭であることをクラスのみんなが知らないなどあり得ない。出演の瀬戸みちるという若い女優がとても良いと思った。透明感があって笑顔が素敵、そして声が可愛らしく台詞が実に自然。舞台挨拶でも出てきたが、可愛らしくて、将来が楽しみ。
続編ではない
とんだマスターべーショ○映画
親ガチャという題材は新しいしそれがヤクザともなればと思い初日に鑑賞。
監督のとんだマスターべーショ○映画を見せられた感じで萎える。
ヤクザの事を調べもせずにこんな感じだろうと演出、シナリオを描いているが底が知れる。
どこかの閉鎖的な田舎町であんな取り立て、殺しなどやっていたら噂は広まるだろう。しかも主人公の女子高生のテーマがそれなのに前半は全くその事に周囲が触れないって?そんなことあるだろうか?テーマが親ガチャなのにファンタジーすぎるし、ストーリーの構成がかなりおかしい。母の存在も昔犯されてとか話しているが、そんな父を女子高生は女性として葛藤はないのか?
ツッコミどころは多くあり、社会風刺的な見出しを付けないでほしい。親ガチャに苦しむ人間に中途半端なテーマ性の映画はかなり失礼だと思う。
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