罪と悪のレビュー・感想・評価
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【“そろそろ、あの20年前の忌まわしき日に起きた事を話そうか。”今作は山間の小さな町で起きた少年殺害事件により、別々の人生を歩んだ少年の同級生3人の生き様を描いたサスペンスミステリーの逸品である。】
■山間の小さな町の橋の下で、木田正樹少年の死体が発見される。同じサッカー部で、同級生だった阪本 春(成人後は高良健吾)、吉田 晃(成人後は大東駿介)、朝倉 朔(成人後は石田卓也)は、河原の粗末な小屋に住んでいた”オンさん”が犯人だと決めつけ、3人で彼の家を訪れ、朝倉 朔がシャベルで”オンさん”を殺してしまう。
だが、家庭内暴力により”悪を憎む”阪本 春は、全ての罪を被り、”オンさん”の家に火を放ち、少年院に入る。
そして、20年後。同じ町に住みながら顔を合わせなかった3人。春は、闇仕事も請け負う実業家に、晃は父と同じ刑事に、朔は農家になっていた。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・まず思ったのは、今作が初監督だという齊藤勇起氏のオリジナル脚本のレベルの高さである。これが、百戦錬磨の監督であればこんなことは書かないが、初監督で今や貴重なオリジナル脚本の深くて重くて、多数の人物を20年の歳月を盛り込みながら練り上げた脚本のクオリティの高さには、敬服する。
てっきり、有名ベストセラー作家の本が原作だと思っていたよ。
・20年前の出来事を引きずって生きる、春と晃と朔の疚しさにフォーカスした脚本が見事なのである。
特に、木田正樹少年殺害の20年後に起きた、犯罪組織と癒着した町を牛耳る刑事佐藤(椎名桔平)が”面倒を見ていた”、春と同じくシングルマザーから虐待されていた小林少年が、木田少年と全く同じ状況で殺害された事から、次々に明らかになって行く事。
小林少年の死体には、木田少年の財布が入って居たり・・。
・殺人事件を捜査する晃と、調査される春が対峙するシーンや、晃がずっと春に対して持っていた疚しさを詫びる橋上のシーンは、グッと来たな。
”何だ、こんな簡単な事だったのか・・。”と言って二人は肩を抱き合うのである。
二人が少年時代に戻ったかのように、友情を確かめ合うからである。
・設定の上手さは、更に続く。朔の弟ナオヤが、ずっと引き籠りになっていた理由。それは、彼が少年時代に”オンさん”にレイプされ、助けようとした朔も又同様の事をされていた事。
そして、それに感づいた木田正樹を、朔が蹴った時に正樹が石に頭を打ち付け、死んだ事が、最後半に描かれるのである。
■春と晃は、引きこもりのナオヤに会いに行くが、彼は殺鼠剤を服用して死んでいたのである。そこに駆け付けた朔の姿。
そして、春と晃は朔を夜祭に呼び出し、真相を聞こうとするが、朔はそれに応えずに一人歩き去り、公園から出ようとした道で、”暴走軽トラック”に撥ねられて死ぬのである。
このシーンの意味は、分かるよね!
私は、こういう観る側に想像させる手法が好きなので、この演出を指示するのである。
<今作は、少年時代に犯した殺人の”罪”の意識を抱えつつ、大人になった三人の男の生き様と、真なる”悪”とは何であるかと言う重いテーマを、閉塞感に満ちた山間の小さな町を舞台にしながら描いた、社会派の要素も絡めた、骨太なサスペンスミステリーの逸品なのである。>
題材としての使い捨て
子供時代に人には語れない思い出を共有した幼馴染3人が大人になって再会した時には刑事と闇社会の人間そして人目を忍ぶように暮らす農業従事者だった。再び動き出すあの日の謎、そして新たに起きる謎というお話です。乾いたノアール風物語は見応えがあり、特に高良健吾さんはいい人役の時よりずっと魅力的でした。でも・・ (ここからはネタバレになるかも知れません)
本作は殺人の絡む物語なのですが、広い意味で、ジョディ・フォスターの言う "Because she was raped" 映画と僕の目には映りました。被害者は単に物語の動機付けの為に酷い目に遭い消費されるのに、その人物の心情の掘り下げも犯人側の視点もありませんでした。
もっとも、僕がそんな見方が出来るようになったのは近年のことなので偉そうに言えませんし、娯楽映画にうるさい事を言い過ぎなのかもsれませんが、終盤は胸糞悪かったです。
立派過ぎる題名
映画『罪と悪』題名に映画の内容が負けているな、人間の原罪にでも迫るのかなんて期待したのですが、出てくるのは悪ぶっても善人ばかり。ラストの処理もいただけない。限られた時間と予算の中で、とりあえず作品にしてみました的なもどかしさしか残らない。
みんな善人に見えるんですが。
そう、根本的にみんな善人なんですよね。
なんで、こんないかめつい題名になるのか。
子供のころの仲良し仲間とふとした間違いから犯した殺人、それを精算せぬまま大人になった主人公。
やがて大人になり、それぞれの生き方を。
だけど過去の過ちを精算しようと。
そこから、いろんな風景が見えてくる。
そんな流れでしょうか。
題材としては面白いし、興味も湧く。
ただ、映画の出来となると。
消化不良でしょうね。
なんか、ラストもよくわからないし。
なぞなぞで終わってしまうような部分とか。
決められた制作費、決められた時間
この枠内で作られた作品だなと。
そこそこの俳優陣がでて入るんですが。
皆さん忙しいのでしょうね。
納得ゆくまでの映像、演出を追求したのかなと。
今の、日本映画の悲しさが詰まってます。
本物思考というか、こだわりというか、どこに行ったのでしょうか。
反社の人が着てる服が、中国大手通販sheinの服で、私も持ってるなんて服が、ちらほら。
ラストの人のマドラスチェックの半袖は、ユニクロですよね。
私も持ってます。
反社の人たちって、高い服きますよね。
Tシャツ一枚1万円とか。
田舎の反社だから、安物でもいいのかな。
なんて、思ってしまいます。
些細なところでも、こだわりが欲しかった。
罪の源流となった事件もありきたり。
主人公の少年達が、小児性愛者にレイプされたことが始まり。
これも、今どきのはやりなんじゃないですか。
一昔前までは、まさかなんて言っていたのに。
今じゃテレビのワイドショーでも取り上げる、はやりの話題。
そんなこと言ったら失礼でしょうか。
小児性愛者の存在自体が、まるで悪のような描き方。
ほんの百数十年前までは、少年愛なんて当たり前だったのに。
戦前までは、その名残もあったはず。
このあたりに、事件のきっかけを持ってくるあたりも安直。
『罪と悪』なんて、人間の存在自体を問われるような題名をつけたんだから。
もっと、深くこだわった作品を作ってください。
そう思ったのは、私だけでしょうか。
久々の
貸切でした、まぁ来週には終わるしね。どこかで聞いたようなストーリーでしたが、仲々ダイナミックで良かったんじゃ? ラストこれで? 感でしたが、交通整理バイトの様子を見て察するべきなんでしょう。
高良健吾カッコいいなー大東くん体大丈夫か? 驚く程イイ顔になったな、石田卓也くん。そういや奥さん以外女っ気無かった。
途中から迷走気味・・高良/大東は素晴らしい
・ほぼほぼ「ミスティック・リバー」のリメイク。ラストは違うが、3人の幼馴染、子ども時代の悲惨な出来事、その秘密➡大人になってからの再会とその出来事の解明というメインストーリーも、悲惨な出来事の中身も、3人のキャラクター設定も、ほぼ同じ。
・大人になってからのパートでサイドストーリーにやたらと時間を費やし、何を描きたい映画なのかよく分からなくなっている。2つ目の殺人の意味はほとんど理解できなかった。
ヤクザとの抗争部分は長すぎ多すぎ(グロいシーンとか全く不要だと思う)、警察の捜査とそこに出てくる椎名桔平の闇は非常に中途半端。晃の決意表明があっただけ。
サイドストーリーよりも、3人の、あの過去を抱えて生きてきたこれまでの人生をもっと掘り下げてほしかった。
・中学生時代の4人、特に春役の子がとても良かった。中学時代のパートは非常に良かった。警察パートも良かった。椎名桔平はむろん間違いない。つまり前半はとても良かったということ。
佐藤浩市の登場は、とってつけた感あり(こんな大物に出て貰う以上は、長いシーンにしなくちゃ、みたいな。)
・高良健吾、大東駿介ダブル主演に近い(どういう場合に「ダブル主演」と言うのか知りませんが)。高良健吾はこの役には少し線が細い気もした(あの中学時代の春役の子が大人になると、もう少し、見た目からして強そうになると思う)が、春が、自分の育った家庭とは違う家庭をつくること、それを守ることに命をかけている、という人間なのは良く分かった。大東駿介は真面目な若手刑事という感じがよく出ていた。勝矢とのバディ、長い追走シーン、良かった。
20年前からの蝋燭
罪と悪
ずっと全てを崩したかった。炎に照らされ、自分自身と友人への別離を告げる。
そのままで残るのは、春が嫌悪してきた町を牛耳ってきた男と、その息子だ(そして彼自身は、この町が好きだと言う)
お前たちが生きていてくれれば良いという言葉は嘘じゃない。しかし真実は残酷で、寄る辺は失われる。
家族を持っても、組織を率いても、どこか遠くで生きているかのようだった。
新人監督でこの完成度は驚き
本作の監督を務めた齋藤勇起は、本作が初監督とのことだが、そうとは思えないほど密度が濃く、完成度も高い作品だった。
脚本で褒めたいのは、誰がいい、悪いといったように単純な勧善懲悪モノにしなかったことだ。人によって正義が変わってくるように、なにが“悪”でなにが“罪”なのかも変わってくる。もっと言えば、年齢によって立場は変わってくるわけで、同じ人間でも“悪”や“罪”の基準は常に変わっていくだろう。正解のない難しい問いにいきなり挑んだ齋藤監督の意気込みは大したもんだと思う。
本作は主人公たちが子供時代に犯した“殺人”という重い罪が、20年以上の時を経て再び再燃する仕組みになっているが、どれだけ時が経過しても犯した罪は消えないという製作陣からのメッセージのように感じた。主人公たちが過去の罪で今さら捕まることはないだろうが、罪悪感は一生消えないし、もしかしたら逮捕されたほうが罪を償えた気になって楽かもしれない。そういった意味ではかなりビターな内容だったのではないだろうか。
俳優陣の演技も本当に素晴らしかった。高良健吾、大東駿介、石田卓也らメイン3人の演技は全員良かった。それぞれ立場は違うが、今を必死に生きている様子を3人の俳優がそれぞれ違う角度で表現しており、とても見応えがあった。
そして子役たちの演技も忘れてはいけない。とてつもなく難しい役柄だったはずだが、リアルというものすら超越した演技で、“田舎の普通の高校生”が“人を殺した犯罪者”に移り変わっていく様子を繊細な演技で魅せていて素晴らしかった。
最後それぞれのキャラクターがどうなったかは詳しく描かれない。ただ、それはそれで鑑賞した人の想像に任せればいいのかもしれない。齋藤監督の次回作が今から楽しみだ。
罪と悪と馬鹿?
過去の事件と現在の事件がリンクして、ってプロットはまあありがちな話で、描きたいのは人間ドラマなんでこのプロット使わせていただきましたって作品か? にしてもディティールが雑すぎて、ミステリーとしては成立してないし、人間ドラマもいろいろ中途半端。
前半風呂敷広げてたんで、後半のたたみかたを期待していたらどんどん話が破綻していった。
とにかくツッコミどころ満載である。とくに酷いのは、直哉の自殺体を発見するや、部屋を探しまわってベッドの下から血痕のついた石を見つけて「これを探していたんだ」ハイ、小林少年の殺害被疑者決定ってあんまりじゃないか? 捨てにくい特殊な凶器ならともかく死体は河原に、凶器の石は自宅のベッドの下ってありえんだろう。田舎の警察はノーミソないのか?
珍しく佐藤浩市が死なない役だった。
「それはあなたの想像ですよね」を神様視点で彼らの妄想にしても良いものだろうか
2024.2.8 アップリンク京都
2024年の日本映画(115分、PG12)
高校時代の親友がある事件を機に過去と向き合う様子を描いたクライムミステリー
監督&脚本は斎藤勇起
物語の舞台は、日本の地方都市(ロケ地は福井県福井市)
サッカー部に所属する阪本春(高良健吾、青春期:坂元愛登)、𠮷田晃(大東駿介、青春期:田代輝)、朝倉朔(石田卓也、青春期:柴崎楓雅)、木田直樹(石崎柊斗)は大の仲良しで、終始行動をともにしていた
朔には兄・直哉(坂口辰平、青春期:深澤幸也)がいて、彼もサッカー部に所属してゴールキーパーをしていた
そんなある日、正樹が川で死んでいるのが見つかってしまう
春は「おんさん(大槻ヒロユキ)」と呼ばれる河川敷に住むジジイが犯人だと決めつけ、晃と朔を連れて、その小屋へと向かった
そこには正樹の血のついた靴があり、逆上した彼らは、男をボッコボコにしてしまう
さらに朔は、その辺に転がっていたスコップを拾い、それで男を殴り殺してしまう
春は二人を先に返し、小屋に火を放って、一人罪を被ることになった
それから20年後、3人は再会を果たすこともなく、それぞれの職業に就いていた
春は地元の悪ガキを保護する半グレのような状態になり、晃は父(蔵原健)と同じ警察への道へと進む
朔は父(久保耐吉)の農業の手伝いをして、直哉はいつからか部屋に引き篭もるようになっていた
春は小さな売店と土建屋を営んでいて、街の厄介な仕事を引き受ける何でも屋の顔を持っていた
そんな彼の元に「ヤクザの店で暴れて逃げた少年」を探している、地元の白山會・清水組の組長・志水(村上淳)とその手下の村田(成田瑛基)がやってくる
「情報は渡すが引渡しはしない」という条件のもと、春は少年の情報を伝えるものの、一向に捕まる気配がなく、再度清水は脅しをかけてきた
そんな折、清水が探していた少年・小林(本田旬)の死体が、正樹が殺されたのと同じ場所で発見される
そして、小林の殺人及び死体遺棄の捜査に晃がつくことになった
彼は最近地元に戻ったばかりで、春との再会に因縁めいたものを感じる
だが、二人は立場上相入れることはなく、それぞれの方法で犯人を追うことになる
20年前の事件に関しても、もしかしたら他に犯人がいて、彼らの殺人は間違いだった可能性も出てきてしまうのである
映画は、現在進行形の事件と20年前がリンクする形になっているが、実際には全く関係のない事件で、少年時代の因縁が再燃する形となっている
言わば、偶然の一致が起こした「過去の清算」であり、それが晃の帰省とともに起こっていると言える
晃は「20年の間に変わってしまった地元」という異世界に入った存在で、その世界の問題を解決する役割を担う「異世界招聘もの」に近い印象がある
ただし、晃自身もその異世界の問題の一端を担っていて、それが父から流れを汲む現地を統括する刑事・佐藤(椎名桔平)の存在だった
晃自身は現地の問題を解決するというよりは、父のあとに肥大化した街の暗部と向き合うことになっていて、これによって「罪と悪の関係性」を突きつけられることになるという構図になっている
結局のところ、過去の犯人は誰かという流れがあり、それが推定有罪のような形で後始末がつけられるのだが、これがこの街の流儀ということになる
この流儀に晃は反発するのかはわからないが、佐藤が引いている防衛線に関しては抗うという姿勢を見せている、という感じになっていた
いずれにせよ、役者の演技を堪能するには良いが、絡むと思われる事件が無関係だったり、真犯人の「お前らの想像だろ」から抜け出せていないのに致してしまうのはどうかと思う
彼は何一つ自白などしておらず、あの時に起こった本当のことは晃と春の脳内妄想でもない
あの過失(実際には殺人ではない)だと罪になることもないので、あの石を持ち去ったことと川に遺棄したことで彼を断定する何かが付着してしまっている(兄は共犯となっている)
それを踏まえると、穴だらけのシナリオになってしまっていて、天の声だけが知っている真実を「決して知り得ない彼らの妄想」にしてしまうのはナンセンスではないだろうか
半分は任侠映画
高良健吾主演だが、メインは大東駿介かな。
序盤、キャラ名は出してくれるものの、カットの切り替えが早く覚えづらかった。
現代を先に少しやってくれた方が、リンクさせて把握しやすかったかも。
ミスリードのつもりかもだけど、DV親父や奢ってくれる担任教師も結果的にはノイズ。
現代になっても、ヤクザ関係のゴタゴタが長い。
春が少年たちの面倒を見るのは佐藤との関係かとは思うが、本筋との関わりは薄いような…
メインの背景が薄いのに情報量が多く、このあたりが個人的にはバランス悪く感じた。
少年院には入ったものの、家庭も経済も春が一番満たされているため、謝罪が響きにくいのもあった。
引き摺ってたと言う割に出所の出迎えにも行ってないし。
真犯人の動機も、22年も前のことのためにと考えると説得力を感じず。
過去と同じ場所に死体を遺棄するのも、蒸し返されるデメリットしかない。
その間に春を狙ってないのもおかしいし、濡れ衣着せるにも黙っててくれた兄弟を殺しますかね。
そもそもが劇中でも言われたように偶然と想像でしかなく、そこに到る根拠も足りてない。
(学校から直で向かったのに、スパイクはいつ用意した?)
最後の轢殺も無理があり、朔役の演技がイマイチなのもあって乗り切れなかった。
要素が増えすぎて、最も描くべき“人間”が薄くなっていたのが一番残念です。
2つ目の犯人の動機は!?
面白い題材ですが、疑問点が多くモヤモヤしました。個人的な感想です。
1つ目の正樹の死亡について
警察の捜査→未解決
映画の中では事故と判明しました。
2つ目の不良少年の死亡について
警察の捜査→またもや未解決
映画の中では、想像の域で犯人が割り出されますが、そもそも犯人が不良少年を殺す動機については語られなかったように思います。
おもむろに凶器の石がベッドから出てくるし、警察は一体何をやっていたのでしょう?
暴力団が事件に絡んでくるのではと思っていたのですが、どうも関係ないように感じました。
雰囲気はよかったのですが、どうもスッキリしませんでした。
悪を裁く
渋すぎるキャスト、好きなジャンル
(ジャパニーズ)ノワール的な雰囲気漂う本作。
公開前からチェックしていましたが、2、3日ボーーーっと生きていたら
後2日で公開終了だと?!
え?早くない?!
焦って朝イチの回を予約。
急ぎたいのにこんな時に限って眉毛が上手く描けないo(`ω´ )o
ガタガタ眉毛でゼエゼエ着席。
本作は、
齊藤勇起監督自らが手掛けたオリジナルの脚本で挑んだ長編デビュー作だそう。
邦画を応援し隊・副隊長としましては贔屓しちゃいます♪
13歳の少年5人は幼馴染でサッカー部。練習に汗を流し、帰り道は自転車でふざけ合い笑い合っている、何処にでもいる中学生に見える。
(聡実君と同級生やんかぁ〜)
しかし、その中の1人春の家庭は荒んでいて、妹は幼くして亡くなっているとわかる。ゴミが散乱した部屋で、父親から暴力を振るわれ、母親からも責められていた。
さっきまでの春の笑顔を思い出して初っ端から辛すぎる。
親父もクソだが、母親も最低で、2人共マジ◯んでくれと思ったo(`ω´ )o
私も子の親になったからか、この手の描写については怒りの沸点が低くなる。序盤で既に怒りの感情が湧き上がる。
対して晃は刑事の父と母、姉妹と楽しげな食卓を囲んでいた。
その対照的なシーンにも心が痛む。
さっきまで2人共同じように笑い合っていた。
それなのに。。
ろくでもない名ばかりの親の元にいる悲劇。
春が不憫で仕方なかった。
あの固くなったご飯。捨てる事はせずお皿に移していたよね。
もしかしたら春が食べるのかな?
と想像し一瞬のシーンだったが泣いたよね
( ; ; )
そして妹の死因も。。なんて考えもよぎった。。
いつもの様に橋の上で待ち合わせをしている春と晃。
来るはずの正樹は現れず、程なくして河川敷で正樹の遺体が発見される。
春、晃、朔は、正樹を殺したのは
「おんさん」と呼ばれる男だと思い込み家に押しかける。
そこで男に襲われた3人は揉み合いになり、晃の決定打で男を殺害してしまう。春は自分が罪を被ると2人を追い払い、遺体と共に家に火を放つ。
春の悲惨な家庭環境から想像し、いつか自分は、父親を、母親を、殺してしまうだろう。
だからいずれはこうなるのだから。。と、2人を庇う事に何の躊躇もなかった姿が切なくて堪らなかった。
そして事件は幕を閉じたはずだった。。
時を経て、事件から22年後、刑事になった晃(大東君)は父の死をきっかけに町に戻り、春(高良君)
朔(石田卓也さん)と再会する。
共通の秘密、罪を背負った3人。
特に晃と朔は春に罪を背負わせた後悔と懺悔の気持ちを持ち続け生きていた。
朔は家業の農家を継ぎ、春は地元の不良少年達を集めて闇の仕事も請け負う建設会社を経営する社長になっていた。
(春の中学生時代を知っている身からすると(誰やねん)
あ〜、やっぱりそ〜なって、こ〜なるよねぇ〜、と落胆したのだが、生きる事を諦めないでいてくれた事に安堵した)
今では全く立場の違う3人。
生きる世界も違っていた。
そんな中、20年前と同じ河川敷で少年の遺体が発見される。
それぞれの心の奥にしまい込んでいた事件の扉が再び開いていく。。
半グレ・春、
ヤクザ・佐藤(ムラジュン)、町を牛耳る男・佐藤(浩市さん♡)が絡み、複数の事件が重なり合う。各々の信じる正義が違うので、それぞれの立場で「正義」を貫いていく過程と、春、晃、朔の運命の行方が見所。
そして田舎の町の恐ろしさも描いていた。
小さなコミニティーの中の暗黙のルール。
(「Village」っぽい)
この町は悪人と警察の結び付きが根強いようで(晃の父親も然り)犯罪を大目に見たり、見逃したり。。
面倒ごとは春(半グレ)に振って春もその見返りを得ていた。
笹原、佐藤の正義も、春の正義も
「この町のルール」として成立している所が恐ろしいと思った。
(「孤狼の血」っぽい)
町を出ていた晃。
彼の思う正義は通用するのか?
(ここが描ききれていなくて残念)
小林少年の死と20年前の事件の真相とは? 罪と向き合うとは?
罪の真実と正義の在り方を問う、二つの時代を行き来するミステリーで、楽しめましたが。。
ちょっと理解できなかった点が多かったよ
(°▽°)
①朔は秘密をばらされたと勘違いして正樹を殺害?
春、晃との再会をきっかけに、真相を知っている直哉も口止めの為に殺害?
②直哉は自責の念にかられ引きこもった?
正樹の遺体を朔と一緒に河川敷まで運んだ共犯?それを苦に自死?
上記の可能性は高いが、やっぱり自死ではない気がする。。
③小林少年は清水組の金を奪った事が理由で殺害された?と思わせておいて実はこれも朔が?!?!
ではなぜ遺体をあの場所に?
朔は春と晃に真相がバレるのを恐れた。
よって20年前の正樹の事件も直哉の仕業であったと思わせる為、同じく河川敷に遺体を放置して、二つの事件に関連性を持たせた?
そして直哉自死(と見せかけて)という結末で、自らの罪を背負わせた??
のか??
そーだろ?朔?!
悪はお前だったんか!!
そうだとすると、朔の事故はたぶん。
真相を知った春が、法では裁けない朔の罪を、あの少年を使って制裁を下したって事よね?!
どうなんでしょうか?('◉⌓◉’)
皆さん教えてw
謎が謎を呼ぶ展開や複数の事件、人間模様が絡んでくる様は見応えがあり楽しめましたが、、
投げっぱなしな箇所もあり、ともすると半グレの正義が正しいと勘違いされかねない読み取り方も出来るかも?と思ったり。。
登場人物が多いから難しいとはわかっているが、人物像をもっと深掘りして欲しかったかな。
上手いはずの高良君含め、みなさんの演技も何故か棒読みセリフのオンパレード。何で?!この違和感は何なの?!
私の耳がバカなのか、聞き取りにくいセリフもあり、集中力が途切れた。
「ウォンサン?」「ホンサン?」
外国の方??あ〜「おんさん」ww
ベテラン3人が出て来ると重みが増したので、何とか耐えられた(°▽°)
晃の先輩刑事勝也さん(金カム牛山さんw)こんな刑事さんいそう!でリアルな感じがしたのと、
春の父親母親、小林少年の母親
(ベッピンさんで魅力的だが、、お前もぉ〜!毒親で。。消えてくれ!)
には思いっきり胸糞な気分にさせられました。
よって高評価 d( ̄  ̄)
それから春の右腕的なあの彼
(けんたろうって呼ばれてた?)は誰なの??タイプ〜♡
あと、終始、大東君が粗品に見えてイヤだった(°▽°)
私が読み取れないのか、作品がごちゃついているのか(イチャモンか!w)
ちょっとてんこ盛り感はありますが、
齊藤監督にはこれからも注目していきたいと思いました。
うん。まずまず♪
ガソリンどこで手に入れた?
推理物としては少々舌足らずで、謎解きではなく、思春期の秘密を共有した登場人物達の葛藤に重点が置かれている。
おんさんを単純悪者とし、佐藤刑事の事情にも深入りしないことで元少年達の苦悩がより鮮明に浮かび上がり、その行動から目が離せなくなる。
自分が彼らだったらと思うと胸が痛くなるような作品だった。
意識
今週の新作どれ見ようかなーと思って用事を済ませた後の時間と照らし合わせたら今作のみだったので、思いつきで劇場に飛び込みました。韓国っぽいノワールかなとあらすじやポスターからは想像していました。
結構好みの作品でした。演技やら演出やらに難はありますが、全体的にどっしりと重い雰囲気が最後まで続き、子供の時の罪の意識が大人になってとも持続している陰湿さが良かったです。
中学生時代に起こしてしまった殺人、勘違いもあったし実際に怪しいおじさんがレ○プをしていた事実もあったし、いくつも要因が重なってしまった起きた殺人を大人になっても抱えていた同級生3人が再会して、あの時の事件を同じ町で思い出す…といったわりかし現代でもありえるテーマをうまく絡めたエピローグがとても濃かったです。
中学生の頃の帰り道ってあんな感じにじゃれあってたよなぁとかしみじみ思ってしまいました。
ミステリー要素は後出しなので、あぁそうなるのねという感じであっさりしていたので、田舎ならではの閉塞感だったり、声に出さない無意識の罪だったり、そっちにもっとフォーカス当たっていればなと思いました。
全編に渡って会話が不自然で、なんだか演技してるって感じの会話なので棒読みチックでむず痒くなってしまいました。下手ではないと思うんですが、なんだか個性をかき消されてしまっていたなと思って残念でした。
主演3人に椎名さん、佐藤浩市さんは抜群の存在感で今作の内容の深さをより掘り下げていってくれていたなと思いました。
中学生のメンバーは辿々しいところもありましたが、あれぞリアルって感じがしたので欠点にはなっていなかったと思います。
終盤の展開は読めてはいましたが、驚かされるところもありましたし、かつて罪を分けた3人だからこそできる会話と会話のぶつかり合いは好みでした。実際は朔が犯人で、なんとかして黙っていたけれど、結局はバレてしまう…。細い絆すらも絶たれた瞬間は中々心に来るものがありました。
ただどこからともなく買われた恨みで轢き殺される朔はなんだか可哀想だなと思いました。あの時の警備員の対応も冷静すぎてなんだか血の気が通ってないように思えました。
オリジナル作品でここまで完成度の高いものを観れたのは中々の収穫だったと思います。上辺だけ掬った感じはありましたが、それでもこういう作品は多く作っていってほしいなと思いました。監督の次回作に期待しています。
鑑賞日 2/3
鑑賞時間 17:55〜20:00
座席 I-13
なんだかもったいない
設定は面白いと思いますが、いろいろ中途半端。
サクの殺人の動機も微妙。マサトは結局いつ死んだのか不明。
とりあえず春がめっちゃいい奴で、サクが最低野郎という話ですね。
どうせならもっとサクが最低でシリアスなオチだと面白かったかもしれません。
何だか
俳優さんも設定も展開も良いのに、何だか残念でした。最後の衝撃が回収されないし、春が「みんなが納得できる様にします。」と言った決着はどうなったの?だし、尻切れトンボな感じでした。
一人の男が大人になることを受け入れる物語
この物語は、主人公の春が、子ども時代に築いた人間関係の価値観を乗り越えて成長し、大人になっていく話だと思った。
主人公の春は、荒れた家庭のため家に居場所がない。そのため、友と過ごす何でもない時間が、かけがえのない大切なものだった。そして、自分が心の寄る辺としていた友を守るため、自分の人生をふいにしてでも殺人の罪を被る決断をする。しかし、その行動は、助けたはずの友人達に消えない罪悪感を刻む事になった。
大人になった春が、マイルドヤンキーのボスとして行き場のない若者を集めて事業を起こしているのは、環境としてそうせざるを得ない(晃の父親が根回しした?)というのもあったかもしれないけど、かつての自分のような若者に居場所を作っていると解釈をすると、春というキャラクターの純粋さがどんどん好きになった。
本当はラストシーンのように、何の引け目や負い目もなく、ただ友達だから一緒にいるという子ども時代のような関係をいつまでも続けたかったが、第二の殺人と第一の殺人の真実を経て、抱いていた憧れと決別する選択をする。
わかりやすく描けれていないけど、ヤクザと本格的にコトを構える動きになってたのも、マイルドヤンキー(現実を受け入れない半端な状態)から本物の極道(現実)になっていくのもそういう意味だったのだろうか。
しかし、元を辿れば、変な噂がたったら社会的に生きていけなくなるような村社会が全ての元凶なわけだけど(ホームレス(?)を放置しておく無関心もそう)、その割を食うのが子どもたちっていうのは本当に胸糞悪かった。
かわらない街と景色。
何時もつるむ中学生4人組、春(高良健吾)、晃(大東俊介)、朔(石田卓也)、正樹の4人、そんなある日、正樹の死体が橋の下で捨てられてるから始まる話。
正樹が度々遊びに行ってた家の老人「おんさん」が犯人ではないかと、おんさん宅に行った春、晃、朔、その家から正樹の「血のついたスパイク」が見つかり…おんさんと揉み合う3人、朔がスコップを手に取りおんさんを殴り殺してしまう、その罪を代わりに被った春と、その場から逃げた晃と朔のストーリー。
「20年後に起こった事件、小林少年の遺体が正樹が捨てられてた場所と同じ場所に…」
最初から最後まで話に引き込まれた!
20年後再会した晃と朔の、「あの時の事で、ぎこちない感じと、あの時の事には触れてはいけない様な当り障りのない感じ」が妙に印象的で。
高良健吾さん演じる春が貫禄あり、街のちょい悪の若者を上手く束ねてる感じもハマリ役。私的には高良健吾さんの作品色々観てきたけど本作一番ハマリ役で好きかも。
謎めいて進むストーリーといい作品雰囲気も良く何か良かったね!ちょっと悲しいストーリーではあったけど良かった。
とりあえず本作観る前に思ったのはキャスティングが全員シビ~!って感じ!高良健吾さんもいいけど大東俊介さん好きなんだよな~
椎名桔平さん演じた悪い刑事も魅力的だった。
ただ一つ分からなかったのが「小林少年の殺害」、正樹と同じ場所へ捨てた=おんさんではなく他に犯人がいると周りに知らせる為の犯人からのメッセージってのは理解したけど、小林少年を殺したのは結局、朔?直哉?で小林少年と朔、直哉との関係性だけは理解出来なかった。通り魔的?佐藤刑事からの依頼?
良く言えば王道、悪く言えば平凡な作品
ストーリーの展開や結末がややありきたりで、どこかで見たような設定を組み合わせて作ったような作風である。
終盤の展開はやや唐突であるうえ、少し消化不良のまま終わる。登場人物に説明的なセリフを言わせる場面もいくつかあり、無理をして上映時間を短縮したような印象をうける。
警察幹部が建設会社社長に勘定を押し付けるシーンや、事件の発端となった不審者が無関係ではなくしっかりと悪人だったという設定など、ところどころセンスを感じる部分もある。
監督は本作が初の長編作品ということだったので、興行的な失敗を避けるためにストーリー展開や上映時間は敢えて標準的なものにしたということだろうか。次回作ではもっと監督の特色を出した作品を観たい。
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