「一人の男が大人になることを受け入れる物語」罪と悪 イワンさんの映画レビュー(感想・評価)
一人の男が大人になることを受け入れる物語
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この物語は、主人公の春が、子ども時代に築いた人間関係の価値観を乗り越えて成長し、大人になっていく話だと思った。
主人公の春は、荒れた家庭のため家に居場所がない。そのため、友と過ごす何でもない時間が、かけがえのない大切なものだった。そして、自分が心の寄る辺としていた友を守るため、自分の人生をふいにしてでも殺人の罪を被る決断をする。しかし、その行動は、助けたはずの友人達に消えない罪悪感を刻む事になった。
大人になった春が、マイルドヤンキーのボスとして行き場のない若者を集めて事業を起こしているのは、環境としてそうせざるを得ない(晃の父親が根回しした?)というのもあったかもしれないけど、かつての自分のような若者に居場所を作っていると解釈をすると、春というキャラクターの純粋さがどんどん好きになった。
本当はラストシーンのように、何の引け目や負い目もなく、ただ友達だから一緒にいるという子ども時代のような関係をいつまでも続けたかったが、第二の殺人と第一の殺人の真実を経て、抱いていた憧れと決別する選択をする。
わかりやすく描けれていないけど、ヤクザと本格的にコトを構える動きになってたのも、マイルドヤンキー(現実を受け入れない半端な状態)から本物の極道(現実)になっていくのもそういう意味だったのだろうか。
しかし、元を辿れば、変な噂がたったら社会的に生きていけなくなるような村社会が全ての元凶なわけだけど(ホームレス(?)を放置しておく無関心もそう)、その割を食うのが子どもたちっていうのは本当に胸糞悪かった。
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