劇場公開日 2024年1月12日

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「でも、ちょっと待て」ビヨンド・ユートピア 脱北 HAL-9000さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5でも、ちょっと待て

2024年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

人権が存在しない、或いは軽視されている社会は、いつの時代も悲惨。しかしそれは、現代のこの社会に生きているからこそ抱ける感覚だろう。外部からの情報が遮断され、そこが世界の全てとなれば、一人のために国民が犠牲になる世界も当たり前になる。この映画は脱北した人たちの価値観が変化していく様を、インタビューを通して比較的丁寧に撮っていたように感じられて好感を持てたが、最後の高層ビルを観て圧倒されてるハルモニのシーンは(そこに我々は優越感をくすぐられたり、誇らしい気分になるかもしれないが)その描き方はちょっと違うだろうと思った。これだと民主主義や資本主義最高!みたいな結論になってしまう(断っておきたいが、社会主義や共産主義が良いと言っているわけではない)。韓国がユートピアなら(日本もそうだけど)あんなに自殺率高くならんでしょう。脱北に成功したらめでたしめでたし、ではない。でも2時間でその後生活を追うのは難しいし、ゲスな言い方をすれば「撮れ高のある映像」にはきっとならないので、難しいですね。

HAL-9000